アケボノソウ

アケボノソウはリンドウ科の二年草。 和名は、花びらに散らばる細かい斑点模様が夜明けの星空を連想させることからつけられたという。
センブリ属に分類されるので、基本はセンプリの花に似ているが、草の背丈はかなり違う。 センブリが地表面からあまり高く伸びないのに対し、アケボノソウは数十cmまで伸びる。
花の模様から受ける印象は、センブリが簡素で清楚なのに比べ、アケボノソウはより華やかさが目立つ。 高尾山域で目にすることのできる花のうちで、もっともチャーミングといってもよいだろう。
白色の花冠は4〜5分裂し、それぞれの裂片の先に黒紫色の細かい斑点が散らばり、中ほどには丸く目玉のような2つの黄緑色の密腺が際立つ。 花冠の中央には、タケノコの先のような形をした雌しべがあり、これを囲むように雄しべが4〜5個つく。
国内での生育地は北海道から九州まで広がるが、高尾山域では南高尾の一部に限られるようだ。 右の写真は10月に南高尾山稜コースで撮影した。 この日、普段はめったに歩かない東高尾山稜から南高尾山稜をつないで歩き、大垂水峠から高尾山を経由して高尾山口駅に戻ったが、歩きごたえのあるルートだった。
2018/10/8撮影

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