諸事雑感 山・蝶・・・(2011年)



・大阪駅(2011/10/18)
 大阪駅で再開発が行われ、2011年5月にグランドオープンした。 2011年秋になって機会があったので見に行った。
 短時間だったのですみずみまで見たわけではないが、高く広いガラス張りの天井が覆う構造から最初に受けた 印象は、近代的な空港ターミナルに似ているということだった。 今までの日本の鉄道駅にはない斬新なデザインである。
 筆者の知っている海外の駅でいえば、新しいベルリン中央駅と似た雰囲気を持っている。 ベルリン中央駅を外から見たときは、これが鉄道の駅なのかというのかというくらい驚き、 中に入っても従来の駅の概念からは大きくはずれるものだった。
 両方の駅でその構造は異なるのだが、外光の入る広い空間の下にプラットホームが配置されていることから 似ているという印象になったのだろう。
 これから大阪駅の各プラットホームにある屋根が撤去されるというから、そのときにもう一度ゆっくり歩いて みたいものである。
 今までの日本の新しい駅、特に新幹線の駅はどこも同じようなデザインで、面白味を感じなかったが、 新しい大阪駅のような特徴のある駅が増えてくれば鉄道の旅ももっと楽しくなるだろう。

・ストックと不注意(2011/9/17)
 この数年、少し気合いを入れて山を歩く時には、かならずストックを使うのが習慣になっている。 ストックでバランスを取りながら歩くと、疲れ方が違うと思っているからだ。 しかし、使い方を間違えると思わぬ事故につながることもある。
 9月に雨の中を槍ガ岳から槍沢と下山時のこと。 槍ヶ岳山荘から出発して間もなく、石畳で転んでしまった。 原因は、左足を踏み出した時に少し滑ったので、左手のストックに少し体重をかけて制動しようと したときに、多段式のストックの1段が縮んで力が入らず前のめりに転んでしまった。 幸い左ひざに擦り傷を負った程度で、大けがをせずに済んだが、危ないところだった。
 出発前にストックの各段を固定したときに、締め付けが足りなかったのである。
 なんの道具でもそうだが、便利な半面使い方を誤れば危険がつきまとう。

・ザックカバー(2011/9/11)
 最近は天気予報を基に晴天のときにしか登山に出掛けない(近場は別)ので、 雨具は非常用の意味が強い。 ところが、9月に北アルプス(槍ガ岳)を歩いた際、にわか雨ではなく予想外の本格的な雨に遭い、 久しぶりにザックカバーを使った。 これがあるのとないのでは大違いだから、行きかう登山者を見てもほとんどがザックカバーをつけている。
 思い起こしてみると、かって山登りを始めたころは、キスリングが主体で、雨具もポンチョあるいは 傘だった。 当然ザックカバーなどはなかった。 今私が使っているザックカバーは、キスリングから縦型のザックに変えてしばらくしてから買ったものだ。 たぶん30年くらい前のものだ。 ザックカバーとしても初期のものと思う。
 私にとってあまり使う機会のないザックカバーだが、今回使ってみていろいろ不満な点に気がついた。 例えば、半日程度の使用でザックカバーの内側がびっしょり濡れている。 透湿性のない素材だから蒸れたのだろう。 また伸縮性がないので、ザックの中身の量によってはだぶだぶになってしまう。
 最近のザックカバーはだいぶ改良されているようなので、これを機会に そろそろ新しい製品の購入を検討しようと思っている。

・ペンタックスがリコーへ(2011/8/7)
 7月に、HOYAが持っているデジカメ事業をリコーへ売却すると報じられた。 ペンタックスがHOYAに吸収されたのが、つい最近のことだったのに、またもや会社が 変わることにびっくりした。
 デジカメ市場は、市場規模が頭打ちになるに従い、競争がますます激化していると言われている。 反面、日本企業が世界のデジカメ市場で圧倒的に強みを持っているのは、競争が激しいからでもある。 最近話題のミラーレス一眼も、市場占有率の低い会社による企画がきっかけとなっている。 もし、デジカメ市場が2,3社の寡占状態だったら、ミラーレス一眼がこんなに早く広まったかどうか 疑わしい。
 リコーとペンタックスのデジカメを日常的に使っているユーザーの一人として、 両方のブランドがこれからどのようになるのか気になるところだが、 とにかく、魅力ある製品を提供し続けてほしいものである。

・靴ずれ(2011/6/25)
 前回書いた新しいローカットの登山靴の続きである。
 いきなりハードな登山に使うのは、なにかと心配なので、まずは高尾山で試してみた。 案の定というか懸念した通り、ほんの2,3時間歩いただけで右足指にマメができた。 別に靴のサイズが合っていないわけではなく、単に足がなじんでいないためのようだった。
 新しい靴での2回目の山歩きは、雌阿寒岳だった。 高尾山よりは本格的な山歩きで歩く時間も長くなるので、少々心配だった。 念のため、マメができたときのことを想定したおいたのだが、 まったく問題なく快適に歩くことができた。
 1回目と2回目でなにが違っていたのだろうかと考えてみた。 靴が足の形に合わせて変形したのかもしれないが、もしそうなら、この靴を履くたびに どんどん変形して型崩れしたしまうかもしれない。 たぶんそんなことはないだろう。 ほかに考えられるのは、足が新しい靴の形を覚えて2回目から足の方で、 靴の形に微妙に調整した可能性だ。
 現在使っている登山靴は、4種類で、冬用のごつい革製とやはり革製だが厳冬期を除く 少々ハードな山登りに使う軽登山靴、それに2足のローカットの登山靴である。 どれも既製品だから、実際の私の足の形にベストフィットしているとは思えない。 それでも普段足にマメができることがないのは、足がそれぞれの靴の形を覚えているからではないかと 思っている。
 あまり科学的な根拠のある話ではないけれど。

・登山靴(2011/6/11)
 最近、無雪期の山を歩く時に履く登山靴を新しくした。
 筆者の好みは、いわゆるローカットの軽登山靴である。 ローカット登山靴を愛用し始めてからもうかれこれ20年にはなるだろうか。
 新しい登山靴は、ローカットととしてはスカルパ、AKUに次いで3足目で、 LowaのSapporo GTXというモデルである。
 ローカット登山靴を履くまでは、大学時代からずっと、どんな山に行くのにも 重い革製登山靴を使っていたのだが、 あるときスカルパのローカット登山靴を履き始めたら、もう手放せくなってしまった。 高尾山から北アルプスまで、積雪期以外はどこの山にでも履いていく。 軽いし、普通の靴の延長にように扱えるのに、ちゃんと登山靴としての特性も備えている。 靴底が柔らかくないので疲れにくいから、たとえ高尾山のような低山でもスニーカーより具合がいい。 車を運転するときに履きかえる必要がないのも利点だ。 その代わり、足首の保護に対しては万全ではない。 幸い、今まで、足首のねん挫などのトラブルには遭っていないが、これからも注意しながら履くつもりだ。

・拝観料徴収窓口(2011/6/05)
 有名寺院などで拝観料を徴収することに対して、いろいろな意見がある。
 ここではその是非についてではなく、徴収する窓口の場所に触れてみたい。
 筆者もこの1,2年でかなりの数の寺院を拝観してきて、拝観料を徴収する窓口がさまざまで あることに気がついた。 参道から少しはずれて目立たない場所に窓口を置いているお寺もあるし、 山門のそばに関所のように参道をブロックして目立つようにしているお寺までさまざまである。
 筆者が気に入らないタイプは、後者の山門のそばの参道に堂々と拝観料徴収の窓口を置いているお寺だ。 山門を通って寺院に入るときに、まっさきに目に入るのが拝観料徴収場所というのはいかがなものかと 思うのである。
 場所の制約などで難しい点があるのかもしれないが、 やはり、拝観料徴収場所は目立たないように工夫してもらいたものだ。

・石州瓦(2011/3/31)
 2009年のこの欄で、「山陽新幹線からの景色」と題して車窓から見える石州瓦の赤い屋根の ことに触れた。
 今年になって広島に行く機会があったため、改めて赤い瓦を観察し調べて見た。 赤い屋根をよく見ると、黒い瓦に比べてつやがあるようだ。 帰宅後、石州瓦のことを詳細に紹介している石州瓦工業組合のHPで確認したら、 他の瓦より高温の1300度で焼成しているため、凍害に強いという説明があった。 なるほど、つやがあるわけだ。
 それに石州瓦とひとくちに言っても、東広島あたりの石州瓦は、明治時代に石州の瓦職人が 移り住んで瓦製造の技術を広めたもので、地元で造られているらしいこともわかった。
 石州瓦のことは、石州瓦工業組合のHPを読めばほとんどのことがわかってしまう。

・照明の明るさ(2011/3/19)
 3月11日に、かってない規模の大地震が起きた。 大惨事の実態が明らかになるとともに、供給電力が不足して関東地方では計画停電が実施されている。 節電の一環として、ネオンが消され駅の照明も一部が消灯されている。 そんな風景を見ながら、ヨーロッパやアメリカの駅の光景を思い出した。 概して欧米の国々では、駅などの照明が暗いと感じる。 だいぶ前の経験だが、ボストンの地下鉄の駅に入ったとき停電しているのかと思ったほど暗いのだ。 理由として考えられるのが、光に対する感覚の違いである。 ヨーロッパの特にイギリスやドイツなど高緯度地域は、日本より日差しの弱いことが 照明の明るさにも表れていると思っている。 北ヨーロッパからの移民の末裔が多いアメリカ北東部も同じことが言えるのではないだろうか。
 この想像が当たっているかどうかは別にして、省エネの観点からも日本の駅などの照明は、 節電中の今くらいがちょうどよいと私は感じている。

・エスカレーターの速度(2011/3/16)
 昨年、1日だけだったが、シンガポールに滞在する機会があった。 そのとき、地下街などに通じるエスカレーターの速度がずいぶんと速いことに 気がついた。 あとでインターネットで調べてみると、これは広く知られていることのようで、 同様の情報が載っている。 私の経験の中では、確かモスクワのエスカレーターも速かったと記憶している。 海外に比べ、日本国内のエスカレーターは概ね遅い。 日常利用する範囲で、通常より速い速度で運転しているのは、 つくばエクスプレスの秋葉原駅と浜松町駅のエスカレーターくらいだが、 シンガポールやモスクワにはかなわないだろう。 日本は高齢化がどんどん進んでいるので、これから先、速度が遅くなることがあっても 速くなることはないのかもしれない。
 反対にゆっくり運転のエスカレーターもある。 新宿の某デパートの地下食品売り場へ通じるエスカレーターは、本当にゆっくりである。 昼間の時間帯に来て周りを見回すと、比較的高齢のお客が多いので納得してしまう。 もしかしたら、時間帯によって客の年齢層が違うので、例えば昼と夜で速度調整している のかもしれない。 シンガポールも日本のように高齢化社会に入っていけば、いつかはエスカレーターの速度が 遅くなるのだろうか。

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