単振り子の運動

 



 高校では,単振り子の運動は単振動に近似できる…と習います。しかし,単振り子の実際の運動は円運動です。
 本シュミレーションでは,実際の単振り子の周期が振れ幅によってどのように変化していくかが確認できます。



シミュレーション


     
     
初期角 スライダー                       初期角の選択

     
スピード:                      残 像:
     



操作方法:
 ☆「初期角スライダー」または「初期角の選択」で,小球の始めの高さを設定します。スマホの場合は,後者の方が簡単かもしれません。
 ☆設定後は,『リセット』ボタンを押して変更を反映・確定させてください。
 ☆周期は,小球の振動が2~3回終わってから表示されます。
 ☆「周期」は,パソコンやスマホ端末内の時計で計測しており,その時の実測値です。したがってPCや端末の稼働状況によって,周期の値が多少変化することもあります。

 ☆「円運動として処理」の方は「初期角」を変えると周期も変わりますが,「単振動として処理」されている場合は「初期角」を変えても周期は変わりません。単振動では,周期は振幅によらないので当然です。
 ☆初期角180°を選ぶと,「円運動」の方は動き出しません(重力が真下にかかるので,当然です)。
 
 
概 要:

 軽い糸の上端を固定し,下端に小さなおもりを取り付け,糸の固定点を含む鉛直面内で左右に振らせたものを単振り子と言います。
 単振り子は固定点を中心として円運動をしますが,振れの幅(振幅)が十分に小さい時,近似的に単振動をしているとみなすことができます(解説を参照)。この場合,その振動周期 T は, と表され, T は振幅によらず糸の長さ l で決まることになります。

 しかし振れの幅が大きくなってくると振り子の運動をもはや単振動とみなすことはできなくなり,円運動として扱わざるを得なくなります。この場合には,もちろん上記の周期の式は成立せず,その周期 T は振り子の振れの幅に依存し,振れの幅が大きくなるほど周期も大きくなってきます。

 上のシミュレーションにおいて,左側が振り子の実際の運動である円運動としてとらえたものであり,右側は単振動として仮定したシミュレーションです。
 振幅が十分に小さい場合は両者の周期はほとんど同じになりますが,振幅が大きくなると左の方は周期も大きくなっていくのに対して,単振動と仮定した右側の方は振幅によらず周期は一定値を示します。このことを念頭に置いて,初期位置をいろいろ変えてみてください。