モンキーハンティング問題の解説

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モンキーハンティングの問題は、もちろん放物運動として捉えていくこともできますが、以下のように、相対運動として考えていくと考えやすくなります。

1.同じ加速度運動をする2物体の相対運動について:

2つの物体が同じ加速度で運動しているとき、両者の相対運動は、互いに加速度の効果が相殺され、相対初速度による等速度運動となります。
<解説>
物体A、Bの加速度をa 、それぞれの初速度を[Graphics:monkey-mathematica-kaisetugr2.gif][Graphics:monkey-mathematica-kaisetugr3.gif] とすると、物体A、Bの時刻における位置座標 は、それぞれの初期座標を[Graphics:monkey-mathematica-kaisetugr6.gif][Graphics:monkey-mathematica-kaisetugr7.gif]として、
[Graphics:monkey-mathematica-kaisetugr8.gif]
上式右辺の第1項は両者の相対位置を示し、第2項は相対初速度による等速度運度であることを示します。


2.放物度運動をする2物体の相対運動について:

この考え方で、モンキーハンティングの問題を考えると、次のようになる。
 自由落下をする物体も投射される物体もともに加速度[Graphics:monkey-mathematica-kaisetugr9.gif]を受けている。したがって両者の相対運動ではこの加速度[Graphics:monkey-mathematica-kaisetugr9.gif] の効果が相殺され、両者の相対運動は等速度運動となる。
 下のアニメ右段は、落下する黄緑色の球からみた投射球(赤色)の運動を示す。地上からみた赤色球の運動が重力加速度により放物軌道を描いているのに対し、黄緑色からみた相対運動はすべて直線的に変化しています。このことは、「Strobo」をチェックすると、よく分かります。軌跡が直線的ということは、黄緑色に対する赤色球の相対運動が等速直線運動になっていることを示します。

相対運動のアニメ



3.大きさの無視できない場合のモンキーハンティング問題を考察する:

上の2.の考え方を利用して、2球が衝突する条件を考えると、次のようになる。
 いま黄緑色球とともに運動する観測者を考えると、この観測者から見た赤色球の運動は等速直線運動となる。したがって赤色球が黄緑色球に衝突するには、赤色球の直線運動の方向が自分、つまり黄緑色球に向いていればよいことになる。よって、赤色球は、黄緑色球をめがけて打ち出せばよいことになる。これが、モンキーハンティング問題の相対運動から見た考え方である。
 では大きさの無視できない球の場合はどう考えればよいでしょうか。
 この場合も相対運動で考えるとわかりやすいでしょう。
 右図から直ちに分かるように、この場合2球が衝突するためには2球の表面が接触すればよいわけですから、赤色球の中心が、黄緑色球の表面に赤色球の半径を加算した球(右図上の赤い点線で表した球)内に入るように赤い色球を打ち出せばよいことになります。
 上のアニメを使って、このことを確認してみて下さい。


4.天井にぶつけないで命中させる条件を考える:


 以下では、簡単のために、小球の大きさが無視できるとして考える。
 まず、投射物体(以下Pとおく)が落下物体(以下Qとおく)と空中で衝突する条件を考えてみる。
 図のように、水平距離をl、Qの初めの高さをh0、Pの初速をv0、傾角をθとする。PがQと衝突するまでの時間を0とすると、
[Graphics:seikseidaigr6.gif]
xP=xQyP=yQとおいて、
[Graphics:seikseidaigr8.gif][Graphics:seikseidaigr9.gif]
P、Qが空中で衝突するためには、命中高度をYとして、[Graphics:seikseidaigr11.gif]とおいて、

[Graphics:seikseidaigr12.gif]

一方天井の高さをhとすると、天井に衝突することなく両球が衝突するためには、次の2通りのケースが考えられる。

1.Pが上昇中にQと衝突するのであれば天井に衝突しない条件は
    命中高度Y < h

2.Pが降下中にQと衝突するのであれば天井に衝突しない条件は
    Pの最高点高度YP < h

 ここでPが上昇中か降下中かは、Pが最高点を通過する前か通過した後かによって決まるから、[Graphics:seikseidaigr16.gif]でPが最高点となるときの高度[Graphics:seikseidaigr17.gif]は、

 [Graphics:seikseidaigr18.gif]
すなわち、Pが上昇中にQと衝突するかあるいは降下中にQと衝突するかは、h h0/2より高いか低いかによって決まることになる。つまり、h h0/2 より高いか低いかによって場合分けをしなければならない。。

 まず1.の場合について考える。この場合は、h > h0/2 の場合である。(4)に命中時刻(5)を代入して、
  [Graphics:seikseidaigr22.gif]

 つぎに2.について考える。この場合は、h < h0/2 の場合である。Pの最高点高度Y
  [Graphics:seikseidaigr25.gif]
で与えられるゆえ、2.の条件は
  [Graphics:seikseidaigr26.gif]
以上より、天井に衝突することなく両球が空中で衝突するためには、

1.[Graphics:seikseidaigr27.gif]の場合、(6)と(7)より、
   [Graphics:seikseidaigr28.gif]

2.[Graphics:seikseidaigr29.gif]の場合、(6)と(8)より、
[Graphics:seikseidaigr30.gif]

以上がv0の条件である。

 ここで(9)を満たすv0は必ず存在するが、(10)式を満たすv0が存在するためには次の関係がなくてはならない。
  

この(11)式が、天井に衝突することなく両球が空中で衝突するための必要条件となる。

(等号の吟味は省略した。)