波の反射と重ね合わせ



波の重ね合わせ


 2つの波が重なったとき、個々の波は形を変えることなく、全体としての合成波は個々の波をそのまま重ねて加え合わせたような形になります。このことを、「波の重ね合わせの原理」といいます。
 右のアニメをご覧下さい。一段目のアニメで、赤色の波(これはsin曲線です)と、青色の波が逆向きに進んで途中でぶつかりますが、全体の合成波はこれらを単純に加えたものとなります。そしてこれらの波が互いに通り抜けた後は、個々の波はそれぞれの波の形を変えることなくすり抜けていきます。この様子を表したのが二段目のアニメです。















波の反射


波の反射の仕方には2通りあります。1つは自由端反射と呼ばれる反射であり、もう一つは固定端反射と呼ばれる反射です。



1.自由端反射:

(右図で、左側に縦に並んだ図が自由端反射の模式図です。
 右の模式図において、赤色が右向きに進む進行波です。縦線が反射点で、その右側の破線が反射点を通過した波を、紫色が反射波を、青色が入射波と反射波との合成波を表します。)



 波が反射点に入射したとき、山で入ってきた波は山で、谷で入ってきた波は谷の形で反射していく反射の仕方を自由端反射といいます。つまり反射点において、反射波と入射波の変位の向きが同じになるような反射です。
 上のアニメでは、赤色のsin曲線で示した波がこれにあたります。
この場合、反射点において変位が大きく跳ね上がっています。これは反射点において、入射波の変位の向きと反射波の変位の向きが同じであるために合成波の変位は加算されるからです。






2.固定端反射:

(右図で、右側に縦に並んだ図が固定端反射の模式図です。
 
右の模式図において、赤色が右向きに進む進行波です。縦線が反射点で、その右側の破線が反射点を通過した波を、紫色が反射波を、青色が入射波と反射波との合成波を表します。)

 

波が反射点に入射したとき、山で入ってきた波は谷で、谷で入ってきた波は山の形で反射していく反射の仕方を固定端反射といいます。つまり反射点において、反射波と入射波の変位の向きが常に逆になるような反射です。
 上のアニメでは、青色で示した波がこれにあたります。
この場合、反射点において、合成変位は常に0になっています。これは反射点において、反射点の入射の変位の向きと反射波の変位の向きが常に逆であるため、互いにうち消し合うからです。
 

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