放射性同位体・放射性元素の半減期(サイコロを使ったシミュレーション)

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 放射性原子核は自然に崩壊して他の原子核に壊変(他の原子核に変わること)していきます。したがって時間とともに元の放射性原子核(親元素)は減少していきます。放射性原子核が崩壊してその数が半分になる時間のことを半減期と言います。
 では、放射性原子核が1個だけあったとしたら、この原子核はいつ崩壊するでしょうか?  答は、「分からない」が正解です。
 この原子核は直ちに崩壊するかもしれないし、100億年経っても崩壊しないで残っているかもしれません。個々の原子核がいつ崩壊するかは分かりません。言えることは、個々の原子核は一定の確率で崩壊していく…ということだけなのです。ミクロの世界は、偶然が支配する世界なのです。この放射性原子核が単位時間に崩壊する確率を崩壊定数といい、それぞれの放射性原子核に固有な値です。したがって放射性原子核の大きな集団があれば、この放射性原子核の数は一定の割合で減少していくことになります。
 いまある未崩壊の原子核1個に注目した場合、この原子核は次の瞬間、崩壊しているか、崩壊しないで残っているかのどちらかです。それはまさにサイコロを振ったとき、サイコロの目によって崩壊するのかしないのかの運命が決まるのと同じです(要するに、偶然であるということ)。
 以下のシミュレーションはこの仮定に基づくものです。個々のサイコロを各原子核と考え、この原子核が崩壊するかしないかはサイコロの目によって決まる・・・と仮定します。ここでは、「崩壊の境界値 S より大きい数」の目が出ればその「サイコロ(原子核)は崩壊した・・・」という設定になっています。つまり,
  ◎サイコロの目 > 境界値S → 崩壊する
  ◎サイコロの目 ≦ 境界値S → 崩壊しない
という設定です。ただし、サイコロを振る作業はパソコンがやってくれます(乱数を発生させている)。皆さんは「サイコロを振る」というところを押すだけで結構です。サイコロを振った回数を時間経過と考えれば、原子核の崩壊の経過がシミュレーションできることになります。
 サイコロの数は合計10000個まで試せますが、むしろサイコロの数の少ない方がばらつきが出て面白いと思います。「崩壊定数」に相当する「さいの目の指定」も変更出来ます。  なお緑色のグラフは、理論値を表します。


操作法:スクロールバーは、左側から順に、「サイコロの数」、「サイコロの目」の指定です。
 「サイコロを振る n回」ボタンを押すと、残っていたサイコロ(未崩壊の原子核)が一斉に振られます。このとき「崩壊の境界値 S」より大きい数が出たサイコロの原子核が崩壊します(図の黒色の四角で表示)。
 数値を変えた場合は、必ず「Rest」ボタンを押してください。