スリル満点

  今日は雄大なチベット山脈を峠から眺めようとマイクロバスで出発した４０
００ｍを越える所からの帰り、マイクロバス （年寄りには懐かしい日野のフ
ロントエンジン）は、登りは、エンジンをローギヤーめいぱいアクセル全開、
道はすれ違い不能、砂利よりひどい岩を砕いたとんがりかけら道を、なぜか俺
は助手席に乗っている。
頂上は最高の景色チベット山脈を望みながら、眼下にはエメラルドグリーンの
湖
　最高の気分は１０分後は恐怖で顔がひきつるようになるとは…帰り道、下り
で１０Ｒ（半径１０ｍの曲が道）連続・エンジンブレーキ（箱根のターンパイ
クよりももっと下ってる）。
な・なんとチベットの運ちゃんは、ギヤーをニュートラルにしてエンジンを切
ってしまった。
俺の頭はパニック状態・実は昔の話だけどブレーキを使いすぎてベーパーロッ
ク（ブレーキオイルが沸点してブレーキが利かなくなる恐怖状態）を起こして
しまい死ぬ目にあったことがあるのだ。
冷や汗は出てくるし生きた気がしないのよ！
俺はとっさに「トイレ」と叫びまくったよ。
それで運ちゃんは、やっと徐行しすれ違い可能なところに止めてくれたんだ。
フロントタイヤのブレーキドラムはもう焼けこげた臭いと熱気で目玉焼きなら
１０人分あっというまって感じ。
しっこなんか出やしないってのまったく。
俺は唖然としたね。考えてみればここはチベットこれがチベット？
燃料は、貴重品の中の一つ、一滴一滴を大切に使うと、こうなるのね。
ブレーキが冷えるまでゆっくりと山々を見渡すとこんな所にも民家があった。
俺は免許を持っていない人に席を替わってもらったよ。
しかしこの風景はなんて説明したら・・すばらしい！
ああ・・俺の故郷の摩周湖が、かわいそう！
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