●●「 World Topics 」◇◇◇[平成10年3月2日]☆No.00001☆●●
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☆♪☆☆☆☆☆☆[目次]☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆♪☆

◇No1.車泥棒はパラグアイのマッチョ◇車泥にも男の誇りがあった、のお話。

◇No2.木を植えたい男◇☆タンザニアより国際協力の難しさ☆

◇No3.お医者さまだけが知っている私のヒ・ミ・ツ◇カナダ発httpから載せさせてい
ただきました。夏人ウスキさんの作品です。

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◇No.1◇南米・パラグアイの村上さんのホームページからカウボーイの男気質のお話

TXTファイルに付きイラストは載せていません。
文章はすべてオリジナルのままです。

◇◇◇車泥棒はパラグアイのマッチョ。◇◇◇


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  私の町には車を盗むのが上手な方がたくさんいます。ある朝私も自分の車が盗ま
れている事に気づき警察に行きました。
警官はそういう場合、例外もなく「まずもう他人に売られているな。
探してもムダ!諦めなさい」と非常に説得力のある言い方をしてくれます。
そして次に「ラジオで懸賞金を出すから見つけてくれと叫びなさい。
それが彼らにとっていい金額なら車は見つかります」ときっぱり辻占ない人なのかと
も思えるような指示を与えてくれました。
私はすぐラジオ局に行き「今から24回一時間おきに懸賞金1500ドル払うから俺
の車を見つけてとアナウンサーに連呼するように」と頼み店に帰ってラジオと電話の
前に座って待ってました。
  第一回目の放送が終わり1分もしないうちに電話が鳴りました「俺はあんたの車
があるところを知っている。お金ちょうだい」と言ってきました。
冷やかしかもしれないと車の色や車内に何が入っているか尋ねるとまさに本当だった
のです。
私も興奮し「お前は泥棒だろう、何で今朝盗まれた車がもう見つかるんだよ!」と訴
えると「違うあんたはラッキーなのよ朝、僕が目を覚ますとうちの車庫にあんたの車
があって誰のかなあと考えていたらラジオを聞いて、ああすぐ知らせてあげなきゃと
思い電話したんだ。」というので私も「疑ってごめんね。
じゃあ今からあなたの家に行くから住所教えて」というと「嫌だ。懸賞金くれなきゃ
教えない」と言い出し「だったらどうやってあなたに払えばいいの?」と尋ねるとし
ばらく考えた末に「ああそうだよね、じゃあ教えてもいいけど警察は連れてくるなよ
一人で来てね」というので「当たり前じゃないか、一人で行くよ」と答え住所を聞き
出し警官3人連れて行きました。

まあ泥棒の住処といった感じで盗んだ車やら解体して部品を箱詰めしているやらその
中に私の車も見つかりました。
それで私も警官に「見てよこれ絶対泥棒だろう?」と言うと警官は「しかし泥棒が普
通電話してくるかなあ?証拠もないし、いいんじゃないの見つかれば」というので
「俺は泥棒に追い銭なんかやりたくない、このまま持って帰るからね」と慌てふため
く通報者をよそに警官と帰ってきました。それからが大変で次の日からその通報者が
毎日来て「日本人はウソつきだあ」と店の前でわめきたてるのです。

さすがに私も恥ずかしいから事務所によび「もう払うから、やめてくれよ」と言い懸
賞金を払うとそいつが「いやあやっぱり日本人って偉いなあ、普通誰も払わんよ。
もう絶対あんたの車は盗むなって言っておくよ」とのたまうので「やっぱりお前は泥
棒じゃないか!」というと彼は平然としたもので「いや、わたしはただの整備工場の
おっさんです。
ただあいつが盗んだんだろうなあというのは分かっているけどアミーゴ(友人)は裏
切れない。
私は正直者のマッチョ(男の中の男)なんだ」と胸をはってスキップしながら帰って
行きました。
しかしあれから全然私の車は盗まれずやはり約束を守ってくれているんだなあとパラ
グアイのマッチョを見直した私はやはり馬鹿なのでしょうか?


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感想などはどうぞ 村上節男(パラグアイ共和国 エステ市)宛てにメールを送信して
下さい。
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南米の村上さんのホームページからのお便りです。
著作権者のメールアドレスは
<jss@fnn.net>
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◇No.2◇木を植えたい男

☆タンザニアより国際協力の難しさ☆
TXTファイルに付きイラストは載せていません。
文章はすべてオリジナルのままです。

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著作権は
Copyright(c) 1996, 1997 Miyamura Kouichi

<http://www02.so-net.or.jp/~bakama/sweden/index.html>

15 December 1996
Newsletter from Kilimanjaro
Naoto Noda

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木を植えたい男
 「木を植えた男」という絵本やビデオが数年前に評判になり、僕も絵本を買いま
したが、ここに書く話は木を植えたい一人の男の話です。代償を求めずに人知れず
木を植え続けた絵本の中の男と、現実に木を植えたい男との間にはかなりのギャッ
プがありますが…

 プロジェクトの近く、ムエンベ村に住むある男性が「自分の敷地に木を植えたい
ので援助してくれ」と言ってきました。自分の農地の周りを木で囲み、また空いて
いる土地には将来材木が取れる木を植えたいのだそうです。早速プロジェクトでは
人を送り話を聞きに行きました。うまくやればこの地区で植林活動を広めるための
いい手本になります。

 男はかなり広い土地を持っており、「畑の周りと耕していない部分に木を植えた
いのだが、一人暮らしで労力が無い。植えるのを手伝ってもらえないだろうか?」
というのが趣旨でした。もちろんこの熱心な男の植林をプロジェクトが手伝った、
と読者の皆さんは思われたでしょう。しかし結論から先に言えば木を植える手伝い
は断ったのです。

 無論木を植える行為は促進すべきであるし、プロジェクトとしてもそれが目的で
仕事をしているわけです。しかし地域住民の中で仕事をする場合、木だけを見てい
ると大変な失敗をすることになります。僕はこれを「木を見て人を見ず」と言って
います。つまり木を植えるという行為も、その社会の中でどのような意味づけを持
つかを把握せずに進めるのはまずい、ということです。

 ではこの男の場合をもう少し詳しく見てみます。まず男はなぜ畑の周りや空いて
いる土地に木を植えようと思い立ったのか。「材木が欲しい」という理由ももちろ
んあるでしょう。しかしこの男の場合もっとも重要な狙いは土地の確保にあったよ
うです。アフリカの多くの文化では、従来土地は基本的には部族の中で共有でした。
そして自分が耕すことができるだけの土地を、自分の属する部族の承認を受けて使
っていました。つまり私有地のように自由に使える土地は、自分や家族の労力で耕
すことのできる範囲だけだったのです。今は国ができ、制度的には変わりましたが、
社会主義政策を取るタンザニアは、部族社会が国に飲み込まれたようなもので、土
地はすべて基本的には国のもの、そして自分の耕す土地はかつての部族に代り、行
政単位である村が使用の許可を出します。

 さて男に何が起こったかというと、この男、どうやったかは知りませんが、自分
が耕せるより大きな土地を確保しています。空いていて木を植えたいといっている
部分だけで1ha以上ありますから相当なものです。そしてこの広い空いている土地に
何が起こっているかというと、土地が足りなくて困っている他の住民に狙われてい
るわけです。なぜなら伝統的な感覚では耕せない土地なら所有はできず、他の人が
使っていいからです。

 ここまで書けばわかったでしょうか?この男、木を植えてこの土地を使っている
ことにして権利を確保するつもりなのです。そして広い土地に緊急に木を植える人
手が無いので、プロジェクトを頼ってきたわけです。こうした例はタンザニアの他
の地域でも起こっているようで、まだ村が誰にも配分していない土地などに先手を
打って木を植え、所有権を主張したりすることがあるようです。

 さてではプロジェクトが「木を植えることは良い事だ」とこの男を手伝って造林
をしたらどうなるでしょうか?村の人たちはみんな男の意図は知っています。土地


を使いたい人は大勢いるのに、男一人の権利を守るためにプロジェクトが手を貸し
たとしたら?似た例は苗畑を設置する場合にも見られ、特定の人やグループを援助
する場合に、慎重に背景を調べる事の必要性を示す一例です。

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◇No.3◇☆☆「 お医者さまだけが知っている私のヒ・ミ・ツ 」☆☆

カナダ発httpから載せさせていただきました。夏人ウスキさんの作品です。
TXTファイルに付きイラストは載せていません。
文章はすべてオリジナルのままです。

お楽しみ下さい。
◇◇著作権者・・夏人ウスキさんのE-Mailアドレスは <navan@istar.ca>◇
- イラストと文:夏人ウスキ -

☆☆「 お医者さまだけが知っている私のヒ・ミ・ツ 」☆☆
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日本から離れて一年半近く...。そろそろ定期検診をしなくてはならない。

日本でOLしてた頃は毎年会社が強制的に健康診断をやってくれてたから
さほど気にしてなかったが、こちらは日本の医療体系と違うから健診だって
自分で申し込んでやらなきゃならない。

こちらには「ホームドクター」という制度がある。

ホームドクターは文字どおり、おうちのお医者さん(かかりつけの医者)
のことを指す。このホームドクターはとにかくいろんなことをやってくれる。
例えば、日本だったら花粉症で目が痒けりゃ目医者へ行くだろうし、
鼻炎になったら耳鼻科へ行かなきゃならない。ところが、ホームドクターは
内科はもちろんのこと、目も耳も鼻も診てくれる。つまり、一個所で全部
済ませるのだ(但し、歯医者だけはやらない)。おまけに内科から<耳鼻科
まで私の健康状態すべてをしっかり把握してくれてるから何かと便利なの
である。

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先日、この便利なドクターに年に一度の定期検診をしてほしいと予約を
入れて訪れた。健康診断は日本だと、診察順路なるものがあって、
それぞれの所で看護婦さんが待機して血を採ったり、聴力や視力の
検査をしてくれ(個人的にはこれもなかなか合理的でいいと思う)、
本当のお医者さんには一番最後にわずか三十秒くらい、聴診器を体の
表裏にあてられるだけである。こちらには日本の看護婦さんみたいな
医者の"お守り"をする人がいないからドクターが最初から最後まで
たった一人で患者の面倒を見てくれるのだ。


まず、いつもの診察室(ただの四畳半くらいの部屋で診察台と椅子二脚、
それと流しがある)へ行くとドクターがやってきて最近の個人的な話
(最近、何してる?とか、調子はどう?とか)を聞いた。

そして診断が始まる。まずは身長、体重。これは思いっきりいい加減!
何といっても体重測るのに、服を脱げ、なんて言わないのだ。
服を着たままだともちろん体重が重くなるのにそんなことお構いなし
(服の重さもひいてくれない!)。日本にいた時なんかは診断三日前から
体重のためだけにみんな急にダイエット始めるのに、ここじゃあそんなの
意味が無い。身長も同じで靴のままやったからすごくのっぽになってしまった。
これが"カナダ式"かと思うと一気にがっくりきた(妙に納得できもするが...)。


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次に内科。私は診察台に横たわってドクターは聴診器を胸にあてる。
コレも服の上からやる。こんなので本当にいいの?なんて思ったが、
考えてみれば、服の上からでも心拍音が聞こえるなら、日本のお医者
の前でいつも上半身すっぽんっぽんにされてた私は何だったの?なんて
逆に思ってしまう...(あ、あんまり余計な心配してると心拍音、
が早まっちゃったりして?)。 そして、目、耳、鼻。
これは日本でやる健康診断と全く同じような事をした(ホッ)。

ドクターがスッと立ち上がったので「あ、もう終わりだな」と思った。

するとドクターは流しの引き出しから紙で出来た診察衣を差し出し、
「私は一旦出てくからその間にこれを着替えて。下着も全部脱いで
この上(診察台)に寝ててちょうだい」と言った。

ドクターは更に流しのところの引き出しから銀のシャベル風の貝の
化け物みたいなのをゴソゴソと取り出した。
怪訝そうな顔でじーっと見てる私にドクターは「婦人科系を診るのよ」
と付け足した。ヘエーッ、この先生、婦人科まで出来ちゃうんだ!
畏敬の念を感じると共に、「異国の地で訳のわからぬ貝みたいな
機具を使って婦人科の検査?」不安がザーッと私を襲った
(ちなみに、女医だったというところでは気分的に救われたが)。


ドクターが去った後、渡されたペラペラのあぶらとり紙のような服に
着替え、"処刑台"の上に横になった。見上げると天井にはコアラの
ポスターや赤ちゃんの写真が貼ってある。きっと、こういった"処刑"
気分を紛らすためなのだろう。あぁ、お母さんになる方々もこういうのを
体験するんだろうなぁ...。変にむなしい気分にかられていると、
間もなくノックとともにドクターが入ってきた。


「ハ〜イ、準備はできた?」ドクターはバカに明るい。

「こんな時に地震でもあったら私は救われないだろうなぁ」
考えなくていい事までが頭の中をよぎって私の気分は相当暗くなっていた。
それとは反対にいつもは気難しいドクターがこの時ばかり、元気よく
「さ、足、曲げるわよー」なんて言ってくる(こういう時に明るく振る舞うって
いうのはカナダの医学部の指導なのかしら?)。ドクターは私はもう、
私の両足を片方ずつ持ち上げて、乗馬の足の踏み台みたいな金具の中へ
置いた。そこから横になって見えないのだが、きっとあの"でかシャベル"
でも使ったのだろう、もう痛いし、涙は出てきそうだし、かといって
文句は言えないし...あーあ、天井のコアラ、のん気そうでいいなぁ。


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暫くすると、「痛いのは終わったけど、もうちょっとだからね」と、
今度は触診をし始めた。触診しながらドクターはおもむろに
「セックスの時はどう?」なんて言ってきた。「え?あ?何?」
私は思わず口ごもってしまった。ドクターは言い換えて「ここ
(お腹をさわりながら)に痛みがないかってことよ」と、言った。
それにしてもあまりにもダイレクトに聞くので驚いてしまった。まぁ
ホームドクターは家族計画等々の性生活のご指導もなさる偉大
なお方だから、私もこんなことで動揺しちゃいけないのだろうけど...。


かくして所要時間1時間の大診察は終了した。それにしても、
ホームドクターは人の体の隅々からひいては性生活といった
超プライベートな部分までよくまぁ、掴んでらっしゃる。

後でわかったんだけど泌尿科や肛門科もホームドクターの
範疇なんですって。あー、そんなトコまで診られちゃった日にゃ、
もうドクターに頭上がんなくなっちゃうよ...ねぇ。

著作権者by 夏人ウスキ


◇◇次に続きます。お楽しみ下さい。◇◇

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◇御必要無ければ削除して下さい!◇

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