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エアコン吹き出し口からのスポンジ噴出対策

エアコンの吹出し口から、なんとボロボロになったスポンジがたくさん噴出してくるようになりました。
スポンジがごみとなるだけならいいのですが、このスポンジはエアコンの温度調整用フラップと
吹出し口切り替え用フラップについているスポンジであることが判明しました。
このスポンジが所定の場所からなくなることによって、温度調節ができない状態と吹出し口の
切り替えが行われなくなってしまったので修理をしました。

僕の推測ですが、エアーはダクト内でエバボレーター(冷却器)を通過したあとで「ヒーターコア有り」と「ヒーターコア無し」のダクトに分岐されており、エアーが再合流する場所でフラップが閉じたり開いたりし温度調節をしているものと推測しました。

正常な場合

まずエバボレーター(冷却器)付のダクトがあります。その後の上段のダクトが何もないダクトで下段のダクトがヒーターコアのついているダクトをあらわしています。「く」の字型の板がフラップでこの板が動くことにより冷気と暖気を吹き分けるようにしていると思います。

温風を出すときには、冷風だけ通るダクトにふたをしてヒーターコア側ダクトのみをあけてやることにより温風が出ます。

コンプレッサーON時は、冷却された空気を暖めなおす?
冷風を出すときには、冷風だけ通るダクトのみを開けてやり、ヒーターコア側ダクトのほうはふたをしてやると冷風が出ます。

この温風と冷風を切り替えるための板は、鉄の板でできています。しかし、板には穴があけられておりその穴をふさぐ形でスポンジが板の上に張られて使われています。(吹出し口を切り替える板も同じ構造です。)

で、その穴の部分のスポンジがなくなることにより、冷気と暖気の分離ができなくなり、出てくる風は冷気と暖気の混ざったぬるい風になります。それにより夏には冷却器が正常に働いていてもクーラーが効かず、冬にはヒーターコアが正常に働いていてもヒーターが効かない状態になります。

↑暖房時に冷気が混ざり暖かくない。


↑冷房時に暖気が混ざり冷たくない。

この不具合を解消すべく丸裸になったフラップにアルミテープを張りフラップの穴をふさぐという対策を行いました。

穴をふさぐために使うもの(貼り付けあったスポンジに替わるもの)ですが、フラップにスポンジを貼り付けるとまた劣化してくると思ったのでスポンジ以外の物を貼り付けようと思いました。
  @手軽に加工(切断や折り曲げ)がで きること。
  A熱による劣化が少ないこと(耐熱性 ・耐冷性)
  B値段が安いこと。
  C貼り付けができるもの。
という条件で見つけたのが
アルミテープ(数メートル巻で約700円)です。


<準備物>
アルミテープ はさみ ねじ回し 軍手(作業のとき手を傷から守ります) 掃除機(スポンジを吸い取ります)

実際の作業

 
 エアコン吹き出し口の格子状のグリルを手前に引っ張ってはずします。  吹出し口の上部にあるねじをはずし、グリルを保持しているハウジングをごっそりとはずします。
 
   
 センターコンソールをはずすと幅の広いダクトが見えてきます。これをエアーデストリビュータと呼ぶらしいです。
 横側についているねじを外して取り外します。

(※運転席と助手席足元の小物入れも外しておく必要があります。グローブボックスも外しておいたほうがいいかな?)
 グリル部分とエアーデストリビュータを外した様子です。

 これは対策後の写真ですが、エアーデストリビュータの奥に板(フラップ)があるのがわかると思います。この板が対策前ではスポンジが張られており劣化したスポンジで穴だらけになっていました。
<注意>
エアーデストリビュータを外すのは知恵の輪のような感じで頭と力を使いました。
適当に下方向に引っ張ると部品を破損してしまうので、よく構造を考えて外す必要があります。
 
 対策前のフラップの様子です。この鉄のフラップに薄いスポンジが貼り付けられているのがわかると思います。このスポンジが朽ちてしまっているのもわかると思います。
 この朽ちたスポンジを手やピンセットそして先を少し折り曲げた太めの針金を用いて取り除きます。
 そして、ボロボロになったスポンジを取り除いた様子です。
 手前の穴の大きなフラップが、足元か足元以外かを切り替える吹出し口切り替えフラップです。
 奥の穴のたくさんあいたフラップが温度調節用のフラップです。
 
アルミテープです。必要な長さに切りますが角を斜めにカットし置くと作業のときに手に刺さらずに安全です。
 幅がフラップより短いので一枚のフラップに二枚使用します。

 貼り付ける前に、フラップをエタノールなどで汚れやほこりを取り除いておきます。
フラップにアルミテープを貼り付けた様子です。手前側から貼り付けると奥のほうの作業が見にくくなりますので奥のフラップから作業をするといいですね。
 
 アルミテープを貼り付けた状態を遠くから見た写真です。
 
以上で、フラップの穴埋め作業は終了です。外した部品を元通りに組み立てれば完了です。

取り付けのときにエアーデストリビュータとフラップのあるところの継ぎ目のスポンジが劣化していたのですが無視して取り付けてしまいました。あとで気がついたのですが、この隙間からセンターコンソールの裏側にエアーが漏れていて、足元暖房の風量が少し減ったようです。隙間テープで継ぎ目のシーリングをしてやればよかったと後悔しています

今までの作業の中で一番難航した作業でした。

どこが難しいかというと、エアーデストリビュータという部品をコンソールから
外すのと元にはめる作業が難しかったです。
力ずくでやったため、エアーデストリビュータなどの部品に傷がついてしまいました。



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