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詰将棋おもちゃ箱パズル詰将棋
パズル展示室 No.38 山田淳さん
パズル詰将棋
パズル詰将棋
棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)
出題時のコメント:
飛追い迷路 80手台

パズル展示室No.38 山田淳

86・66・46・26を中心として飛車と玉がぐるぐる回れる形。 この飛追いの構図は、くるくる展示室No.411(本間晨一さん)を思い出しますね。 本間作は七段目の歩を回転して取りながら、28、48、68、88に歩を打って左に送っていく規則正しい趣向でした。 本作では37歩以外は歩を取るようなシンプルなキーがないので、玉がどう逃げるのが最長か、常に悩まされるパズル詰将棋になっています。

作者 「玉が飛車に追いかけられて∞∞(横8の字×2)形の軌道上を彷徨した末に元の位置で討ちとられます。 玉の可動域を狭めるために歩をどのタイミングで使うかがポイントとなります。」

大筋は右に行って17の飛を取り、その飛を使って追っていくのですが、逃げ方が2通りあることが多いので、 どちらが長いのか、いつ歩を打つのか考えることが必要です。 実際に手順を進めていきましょう。

  97飛、85玉、95飛、76玉、75飛、67玉、
  (87玉は88歩、96玉、95飛まで)
  77飛、56玉、57飛、45玉、
  (65玉は55飛、76玉、77歩、同玉、78金、76玉、75飛まで)
  55飛、36玉、

  (44玉は62角成以下、34玉は33銀蟻以下)
  35飛、47玉、
  (27玉は8手省略できて早い)

ここで初めて左に戻る手が登場。 48歩と打たれそうで指しにくい手ですが、持歩が1枚しかないので、 48歩を打ってしまうと左で88に打つ歩がなく無限回転(千日手)になってしまいます。 そこで47玉には37飛から飛をぐるっと回転、再度の35飛で、今度は持歩が2枚あるので47玉は48歩で早く、27玉が最長になります。

  37飛、56玉、57飛、45玉、
  (65玉は55飛、76玉、77歩以下)
  55飛、36玉、35飛、27玉、
  (47玉は48歩以下71手。 手順は棋譜ファイル参照)
  37飛、16玉、17飛、同と、

飛をチェンジして、今度は左に。

  15飛、27玉、17飛、36玉、37飛、45玉、
  (25玉は35飛、16玉、15飛、27玉、18金、36玉、35飛以下)
  35飛、56玉、55飛、67玉、
  (47玉は48歩、36玉、35飛、27玉、37飛、16玉、17飛以下)
  57飛、76玉、77飛、85玉、
  (65玉は75飛、56玉、55飛、47玉、48歩、36玉、35飛以下)
  75飛、96玉、95飛、87玉、88歩、76玉、

歩を打たれないように逃げる方が長くなるので、左端まで逃げて、そこで88歩とくさびを打ち込みます。

  75飛、67玉、77飛、56玉、57飛、45玉、
  (65玉は55飛、76玉、77歩以下)
  55飛、36玉、35飛、27玉、37飛、16玉、17飛、25玉、
  15飛、36玉、37歩、47玉、48歩、56玉、

再び右端まで逃げて、37歩、48歩でこちらも封鎖。

  55飛、67玉、57飛、76玉、77飛、65玉、75飛、56玉、

無限回転になりそうですが、65歩が消えたのに注目。

  55飛、67玉、57飛、76玉、77歩、85玉、55飛、96玉、
  95飛 まで83手

65歩の消去で85玉に55飛が可能になって還元玉で収束します。
パズル展のトリを飾るのにふさわしい、美しく悩ましい飛追い迷路のパズル詰将棋でした。

それでは、みなさんの感想を。

山下誠さん:
大きな迷路に少しづつ通行止めの看板を置いていく感じ。
松崎一郎さん:
玉を1筋、2筋に追い、63手目38歩、65手目48歩の歩の連打でやっとこさっとこ視界が開けました。
池田俊哉さん:
飛追いで分岐点を潰しながら手順を探す。 途中の飛のバトンタッチが楽しく、最後の最後に邪魔歩の消去が入るのも素晴らしい
おかもとさん:
飛車はくるくる目はくらくら、どれが最長手順やら。
占魚亭さん:
歩を打つタイミングと打ち終わった後の飛の繰り方に少し悩みました。
S.Kimuraさん:
なかなか80手台にならず,苦戦しました.
inokosatoshiさん:
まさに迷路をさまよう玉の動き

パズル展示室No.38 解答:7名 全員正解

  池田俊哉さん  inokosatoshiさん  S.Kimuraさん  おかもとさん
  占魚亭さん  松崎一郎さん  山下誠さん

当選者は、展示室で発表しています。