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詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱

くるくる展示室 No.433 りらっくすさん

くるくるおもちゃ箱
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
邪魔駒消去 30手台

くるくる展示室No.433 りらっくす

馬と角の筋と間に挟まった金を見て、64金、55玉、65金、56玉、55金・・・ と追う金ノコ追いを想像した方が多いのではないでしょうか。 斜め下に追う金ノコ追いは、将棋無双と将棋妙案をはじめとしてたくさん作られていますが、追い方のパターンはみな同じです。

くるくるNo.15 しかし、それならばくるくるNo.15(左図)でも紹介済ですし、何か工夫がなければ新作とはいえません。

実際に手を進めてみると、64金、55玉、65金では、45玉と香を取られると、次に55金でも55馬でも36玉と逃げられ全然詰みそうにありません。

45玉のとき、54の歩がなければ、55金に36玉と逃げたら81馬と金を取る手があって詰みます。 でも、どうしたら54歩を消すことができるのでしょうか。

そう考えると、初手63金という手が浮かんだかもしれません。 これなら馬筋は通ったままなので54玉と歩を取る一手。 それから64金、55玉、65金と金を三段に活用すれば、54歩が消えた状態で先ほどと同じ形にすることができます。

  63金、54玉、64金、55玉、65金、56玉、

ちなみに、63金のとき74に合駒するのは、歩合ができないので桂銀金飛のいずれか。 何であっても同角成と取れば、同玉なら64金、73金と金で斜めに追って、最後93玉に合駒を打って詰み。
また、64金に45玉と香を取るのは81馬で簡単ですし、65金に45玉と香を取るのは、すぐ56金とできて作意より2手短くなります。

これまでの金ノコ追いは4手で1路斜め下に移動していたわけですが、本作では上記の6手かけて65から56に移動しています。 つまり、本作は三段金ノコ追いだったのです。

では、続けて楽しみましょう。

  54金、45玉、55金、46玉、56金、47玉、
  45金、36玉、46金、37玉、47金、38玉、

続いて36金で、これまでと同様に27玉ならば37金で簡単に詰み。 あれ、手数が合わない、と悩んだ方もいたかもしれません。 じつは、これまで変化だった36金に対して47に合駒する筋が、手数の関係でこちらが正解になります。 しかも4筋に歩がないので、今回だけは47歩合が利くのです。 これまでの変化では最後合駒を打って詰ませていたので、今度はそれでは打歩詰。 ちょっと工夫が必要なようです。

  36金47歩合、同角成、同玉、
  37金、56玉、46金、65玉、55金、74玉、64金、83玉、
  73馬、92玉、93歩、同玉、84金、92玉、83金 まで37手

作者 「珍しい3段金ノコです。 後で邪魔になる駒を取らせる為に3段で送らないといけないという仕組みです。」

斬新な三段金ノコ追いに、復路の金追いまでついた楽しい作品でした。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

蛇塚の坂本さん:
最終の2七香を取らせて終いに魅せつつ歩合いからの反転を狙う所が、粋だねぇ?
山下誠さん:
よく見れば4筋は玉方の歩が切れている。 ここで転調して押し戻す。
S.Kimuraさん:
復路があることに気づかず,手数が短くなって悩みました.
占魚亭さん:
"47歩、同角成"の破調が光る。
inokosatoshiさん:
金と角のコンビネーション楽しい。
47歩合いが割り切れていて良いですね。
おかもとさん:
これは面白い、三段金ノコ!
池田俊哉さん:
81金の質を生かすために斜めに並んだ邪魔駒を消去する
47歩合から折り返しとなるが、手数表示があるから落ちる人はいないかな...
小林巧さん:
此れは珍し、金の鋸。 邪魔駒は誰だ!と問われて、正直に名乗り出る者は居ない。のでした。
浜野乙三さん:
18手目27玉が事前想定どおりの81馬でピッタリ詰むのでこれが作意かと思いましたが手数不足でした。

くるくる展示室No.433 解答:9名 全員正解

  池田俊哉さん  inokosatoshiさん  S.Kimuraさん  おかもとさん
  小林巧さん  占魚亭さん   浜野乙三さん  蛇塚の坂本さん
  山下誠さん

当選者は、展示室で発表しています。