形から想像できるように、並んだ香歩を成り捨てながら横に送る趣向詰です。
初手23歩成に対して43玉は33と・・・83とまでと金追いで詰み。 このあとも三段目に逃げる変化は同様にと金追いで詰みます。 変化に趣向が隠れているのはおもしろいですね。
23歩成に31玉は、22と、41玉、31と、同玉、33飛成という順があるので、41玉と逃げて、42歩成、同玉から趣向に入ります。
23歩成、41玉、42歩成、同玉、
33とに、ここも53玉は43と以下なので31玉か41玉ですが、41玉は42歩、31玉、21とで詰み。 いったん31玉と逃げて21とと寄らせ、打歩詰を誘致します。
42歩は打てないので、51香成、52歩成と捨てて次のサイクルに入ります。 なお、21とのところは21銀成でも同じようですが、12銀を残しておかないとあとで詰まなくなります。
33と、31玉、21と、41玉、51香成、同玉、52歩成、同玉、
43と、41玉、31と、51玉、61香成、同玉、62歩成、同玉、
31とはひもがついていませんが、同玉なら33飛成があるので大丈夫。
53と、51玉、41と、61玉、71香成、同玉、72歩成、同玉、
63と、61玉、51と、71玉、81香成、同玉、82歩成、同玉、
最後のサイクルは82歩が打歩詰にならないので、73とに81玉と逃げて収束に入ります。
73と、81玉、82歩、71玉、61と、同玉、63飛成、51玉、 62と、42(41)玉、52と、32玉、23龍、31玉、21龍(銀成) まで51手
52とに31玉は33龍、32合、42とまで。 同手数なので、こちらも正解です。
作者 「香歩を成り捨てながらと金2枚で送る趣向です。1段目のと金の押売りはよくある手筋と思います。」
一段目、三段目の成金で送る趣向は、前例があります。
- 山崎隆さん(詰パラ1975年5月): 香歩の代わりに二段目と金
43と、41玉、31と、51玉、62と、同玉 の6手サイクル
- 倭建さん「雪消」(詰パラ1979年2月、早詰): 香歩の代わりに二段目歩
52歩、42玉、53と、41玉、51歩成、同玉、61成銀、41玉 の8手サイクル
本作は、山崎作のと金捨てを香歩2枚捨てに発展させた趣向になっています。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 蛇塚の坂本さん:
- 玉が左移動したりかつまた右に移動したりと面白く最後置き去りの銀が役立つとは粋な計らいですね。
- 山下誠さん:
- 2枚のと金が手をつないで、整然と玉を追いつめる。
- 小山邦明さん:
- うまく玉を移動させていくものだと思います。
- 占魚亭さん:
- 歩香の成捨てが気持ちいい。
- ぬさん:
- 香歩を捌きながら、と金で追う。このまま9筋で詰まして欲しかったです。
- S.Kimuraさん:
- 折り返した後にちょっと苦戦しました.
- 嵐田保夫さん:
- 初形のユニークさが命。
- 隅の老人Bさん:
- 寄せては返す波の音、あした浜辺をさまよえば、ですね。
- 長谷繁蔵さん:
- 23銀成から入って失敗。
- 池田俊哉さん:
- 香歩をさばきながら二枚とで追う。見方を変えれば打歩誘致の連続とも言える?
ヒントに逆らって初手銀を動かしてしまい、ちょっと悩んだ(笑)
- やぶいりさん:
- 前半は道を切り開くような、後半は追われて逃げるような王様
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