知る人ぞ知るでこぽん。知らない人はこちらを見てね。しばらく詰将棋はお休みしていましたが、全国大会にも参加、「また詰将棋やってみようかな。担当をやりたい」とやる気十分。これからの活躍が楽しみです。
本局は、近藤さんが発行していたメールマガジン「詰めマガ」のVol.014に掲載された作品です。
まず27歩を消去して27香打。あれ詰んじゃった、という純情な方は残念ながら?いませんでした。そう、26に捨て合する手がありますね。26の合駒は、飛金桂なら取って打って詰み。銀合なら同香、15玉、25香、同玉、26銀。したがって、26香合が正解です。
同香、15玉で、さあどうしましょう。25香、同玉では元に戻ってしまうし。ならば、14と、同玉、13と、と下から攻めてみましょう。13同玉は15香から22馬、このと金は取れません。15玉であまり事態は変わってないように見えますが、23とがなくなったので、23香成、という手が可能になりました。25玉とした14手目の局面を良く見ると、4手目の局面とほとんど同じですね。しかし23のと金が成香に変わっています。ということは、受方の持駒は歩が1枚増えて香が1枚減っていることになります。
もう一度この手順を繰り返すと、24手目では、13のと金も成香に変わります。ここで、27香、26香合、同香、15玉、24香、25玉、とすると、盤面に香が3枚とも登場して、受方の持駒から香がなくなります。再度27香とすると、香が品切れのため26銀合をするしかなく、同香、15玉、25香、同玉、26銀(14銀)まで収束します。
置駒変換、あるいは玉方の持駒変換、と呼ばれている趣向で、柏川悦夫さんのと金を成桂に変える作品(参考1図)が元祖作品。と金を成香に変える作品では、森長宏明さんの作品(参考2図)があります(残念ながら早詰あり)。作例は非常に少なく、このようなシンプルな形で実現できたのはすばらしいことと思います。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 中澤照夫さん:
- 香が売切れるまで合駒を強要する。最後に銀合のおまけつき。
- コマンさん:
- 香を品切れにする手順が楽しい。
- 護堂浩之さん:
- パラ7月号に載っている、首さんの文章ではないけれど、TETSUさんがおもちゃ箱でやっている、既成作品のアレンジ(簡素表現)、ということであれば気にしないが、通常の出題とされると、個人的には大きな違和感がある。それこそ、先行する森長作品などの意義はどうなってしまうのだろうか。
くるくる展示室は、くるくるおもちゃ箱本体と同様、いろいろな趣向をやさしく紹介して、趣向詰ファンを増やす目的で出題しているので、ほとんど同一という場合は別にして、ある程度類似した作品があっても出題する方針です。今回の作品では、森長作品と類似した構図ですが、香合の位置も違いますし、問題ないと判断しました。私はあまり昔の作品を知らないので、いろいろと見落としもあるかと思います。これからも、いろいろとご教示をお願いいたします。
作者(でこぽん):
・置駒変換は開き王手を使うと図化しやすい
・開く駒(成る駒)を香、王手駒を角とすると、それだけで構図が似る
・2作品で香合の意味付けは全く別
というわけで、新味ありと思うのですがいかがでしょうか。
#ただ、森長さんが作図の過程で自作と同一の構図を得ていた確率は、そう低くないと思います。
##でも自作の方が良い作品だとも思ったり。
##あ、ちなみに僕は今回の件まで森長さんの作品を知りませんでした。
- 今川健一さん:
- 易しく楽しく、これぞ、くるくる。趣向も面白く、纏まりも良い。好作。
- 長谷繁蔵さん:
- と金を成香に替える所面白い。香がもう一枚有れば不詰作(もう一段下げるわい)
- 銀も貴重な駒
- 小峰耕希さん:
- 香が品切れになるまで類似手順を繰り返すんですね。
最後には銀合まで入っていて、中合・捨合好きとしては憧れる内容です。
合駒を限定するための配置も工夫されています。
もしかしたら最小駒数表現ではと思ったりします。
- S.Kimuraさん:
- 香合を無くすための香の退避策が凄い.
このような趣向作に気軽に挑戦できるので「くるくる」は楽しい.
- 橘圭吾さん:
- と→杏へのすり替え。少し前に大学院で見た気がしますが、ここまで簡素な形で見れるとは。
- kzさん:
- No.15はとくに楽しかったです。最近,詰将棋に時間を割かなくなって,解図力も気力も落ちる一方ですが,久々に30手以上の詰将棋を解きました。割と易しかったですけどね。
- 池田和彦さん:
- 相手の香合を弾切れにさせる。
- たくぼんさん:
- 確かに珍しい趣向作。傑作といっていいでしょう。
- 涼秋さん:
- 合駒の香車をと金と置き換えて無くして行く趣向がユニークですね。
- 白詰草さん:
- と金の整理の仕方に悩みました。15ゲームのパズルのような感覚で楽しいですね。
- 岡村孝雄さん:
- と→成香の繰り替えによる原型復帰から香合品切れ、という筋書きを簡潔に図化。
富沢岳史さん作(詰パラ2002年5月号大学院)なども盤に並べてみると面白いでしょう。
富沢岳史さんの作品(参考3図)はこの趣向の本格的な展開ですね。
- 市原誠さん:
- 確かに、この趣向は見たことがありませんね!
- TOSIさん:
- 柏川さんの作品を思い出しました。
- 荻絵香木さん:
- と金が一つずつ成香に変わっていくのが面白い。収束銀限定合も入って名作と思いました。
くるくるは、簡潔な配置で、面白い手順が出現するのでいつも感心しています。
- tsuruokaさん:
- 「5手目▲2七香の合駒が香車以外だと早詰め。ならば2枚のと金を成香に置き換えて、相手の持ち駒から香車を消す。」ヒントにもあったとおり面白い趣向の問題でした。実際に手順を確認できた時は、感激しました。
- いのてつさん:
- すっきりした形からの置駒変換。 でこぽんさん復活?!
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