木目1

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第7章 ノコギリ趣向(1)
馬ノコ その1
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さていよいよノコギリ趣向の登場です。 ノコギリ趣向は、龍や馬が鋸型に移動しながら玉に近づいたり遠ざかったりする趣向で、龍ノコ、馬ノコのように呼びます。 「ミクロコスモス」「新桃花源」など華麗な展開を見せる馬ノコの世界。 まずは玉に近づく馬ノコ。 27手。

注)玉も一緒に移動するノコギリ趣向もあります(金ノコや銀ノコはこのタイプが多い)が、第1章や第2章で紹介済なので、この章では扱いません。

くるくる No.191

オリジナルの作品を鑑賞する

27龍は28合で続かないので、92馬の一手。 19玉に91馬では元に戻ってしまうので、82馬と王手します。 これで91馬が斜めに一マス玉に近づきました。

  92馬、19玉、82馬、29玉、

そのまま続けて接近します。

  83馬、19玉、73馬、29玉、
  74馬、19玉、64馬、29玉、
  65馬、19玉、55馬、29玉、
  56馬、19玉、46馬、29玉、
  47馬、19玉、37馬、29玉、
  38馬、19玉、28馬 まで27手

28馬まで近づくと29に逃げられないので、これで詰み。

原作の将棋無双第30番は、この馬ノコを左右両側で繰り返し、詰上りは純対称形という、無双の中でも飛び抜けて美しい作品。 序の22金消去の伏線など三代宗看らしい手も入って、将棋無双の中でも代表的な作品の一つです。 ぜひご鑑賞ください。

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