2 猫田やどかり 「右左フック」



作者が最初に作ったのは「右左フック」です。 作図の動機となったのは「いばらの森」vs「妖精2」だったそうです。 奥薗幸雄の「左右フック」を煙にすればこの2作を超える・・・とは思ったものの、作者に煙を創作する力はありませんでした (筆者にもありません)。 そこでお茶を濁すように思いついたのが「左右フック」へのオマージュ、“メタ奔馬型左右フック”の創作という訳です。 左右でメタ奔馬型馬鋸の往復運動を行うだけならば作図は比較的簡単だろう、と。

実際簡単だったようです。 右フックと左フックの素材、すなわち3四金配置による馬鋸(「いばらの森」など)と8四銀配置による馬鋸(「メタ奔馬」など) を組み合わせればデッサン終了。 左右をつなぐ手順はかなり安易ですが、煙ではないのでこれで十分と判断したのでしょう。 収束は意外に長くて細やかですが、そのために配置された駒は7四香と5六金の2枚だけですから、成り行き任せの産物と思われます。

こんないい加減な作業の結果でも作品はなかなか立派。 作者が借りてきた貝殻のおかげです。

正解者は3名と少なめでした。 112手目に5一玉と逃げる変別解は正解としましたが、馬鋸サイクル中での歩合の見落としは不正解としました。

いのてつさん:
左右フックの現代版。
岡村孝雄さん:
「メタ奔馬」型の馬鋸を両側で、という構成が新鮮。
左右の変化処理が微妙に異なっているのも面白く感じました。

「右左フック」はとりあえず完成しましたが、問題が発生しました。 ご覧の通り、作者が全く意図していなかった”左右対称”という条件が加わってしまったのです。 “メタ奔馬型左右フック”を左右対称で作ってしまったのならば、 “単純馬鋸型左右フック”も左右対称で作れることを示さねばならない。 それが猫田一家のルールです。

1.お好きな方からフック に続く)