1 猫田やどかり 「お好きな方からフック」



そこで「お好きな方からフック」となりました。 作者の手によって生まれ落ちた瞬間から古典であるかのような図です。 左右対称の配置から左右対称の馬鋸が現れる、非常に都合の良い図でもあります。 よくぞ今まで誰にも発見されずに残っていたものです。 作者は宗看の無双三十番も意識したようですが、左右馬鋸が無双三十番、左右往復馬鋸が「左右フック」なので、 本作はあくまでも「左右フック」へのオマージュとのこと。

作図上の最大(にしてほぼ唯一)のポイントは5九香の配置でしょうか。 5三玉配置ではつなぎ手順の作成が楽になる反面、収束を作りにくくなります。 それを5九香1枚で収束させてしまったのは利口と言うべきか馬鹿と言うかべきか、筆者には判断できません。 ちなみに意味なく最遠地点に配置するのは猫田一家の癖です。

左右のつなぎでそれぞれ変同がありますが、作者は全く気にしていないようです。 真剣に悩まれた解答者の皆様には申し訳ありません。 収束の中合の見落としもありましたが、作者にすればどうでもいいところのはずなので正解としました。

面白かったのは全員が"右からフック"されたことです。 右だの左だの言う時代ではありませんが、少々意外な結果でした。 ちなみに作者も"右からフック"でしたが、筆者は"左からフック"。

今川健一さん:
左右対称の配置からの左右の馬鋸は、お見事。
鳥本敦史さん:
左右のつなぎのところで少し戸惑いましたが2回の馬鋸は楽しめました。
S.Kimuraさん:
こんなに長い手数の馬ノコを自力で解いたのは初めてです。 右から左への接続に少し悩みましたが、2回も馬ノコが出来たので満足しています。

3.右左Wアッパー に続く)