木目1

次ヘ
次ヘ

龍鋸趣向作品全集 木挽唄集
第五章 同一軌跡式龍ノコ

第1項 連鎖型
表紙に戻る
表紙に戻る

本項と次項では、鋸引きを行う龍が違う駒であるタイプを扱う。

まず本項では、遠ざかる龍ノコを行った龍が消えた後、再び同一軌跡上に龍が発生して新たな龍ノコを行う、というタイプの作品を扱う。

龍を捨てる意味づけとして目新しいものが考えつけるかどうか、という点に新作の可能性はかかっているような気がするが、 実際に作例が少ないのは、もう新たな意味は残っていないということだろうか。

・宮越宗太郎 (将世 昭25・3) 手順を並べる

龍ノコと馬ノコが交互に二回ずつ、計四回行われる。それぞれの捨駒によって違う駒を世に出すという、分かり易い構成に特徴がある。最初の龍ノコだけが往復ノコで、目的は5筋の駒を清算する(53歩と51香を消す)というもの。簡略な仕掛けだが、この条件に取り入れたのは珍しい。
・京洛愛棋生 (詰パラ 昭26・1) 手順を並べる

玉方の角の守りを無力化するために、連続して龍ノコを行い、角の位置をそっぽに追い込む点に特徴がある。 連鎖の目的が、他の二作と違っているのが面白いところ。
・七条 兼三 (詰パラ 昭61・3) 手順を並べる

基本的な構想は宮越作とほぼ同じだが、構図の取り方(龍を近い位置から捨てる等)の違いにより、二回目の馬ノコ以降の展開が異なっている。

木目1