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龍鋸趣向作品全集 木挽唄集
第四章 複合型龍ノコ

第2項 条件目的型
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各種の条件詰に龍ノコ手順を織り込んだ作品群である。

やはり、馬ノコと比べて作品群がグッと少なく、作品例は三つしかない。 ただ、本来この項に該当する作品として、第八章で扱う花沢作を挙げておく。

・伊奈 正夫「日輪」(詰パラ 昭36・7) 手順を並べる

周辺めぐり(プラス準煙詰)との複合作品になる。 龍ノコは、単純接近型片道ノコ。 玉方の手数稼ぎ的な逃げ方に対して、複雑な変化を内包しつつ出現する。
・七条 兼三 (近将 昭51・10) 手順を並べる

全駒配置による単騎無仕掛図式との複合作品。 当然ながら、全駒を綺麗に捌く中終盤の手順が中心になるが、第一章で触れた通り、龍ノコ自体も特徴あるものである。 攻方は、92金を質駒に見た龍ノコを行う訳だが、そのまま金を取られたらすぐ詰んでしまうため、 玉も同期をとって移動して自陣からの逃げ出しを図る、というものである。 “玉移動型ノコ”という表現がピッタリ来るのではなかろうか?

(右図は「将棋墨酔」所収の修正図)
・駒場 和男「三十六人斬り」(詰パラ 昭53・3) 手順を並べる

無防備玉の煙詰との複合作品。 龍ノコは単純接近型ノコで、印象としては、「日輪」に似ているのは仕方ないか。 48竜に対して一旦29玉とするのが、手数稼ぎここに極まる、という感じで面白い。

(キズ= 103手目に11龍とすると、その合駒が余る)

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