木目1

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龍鋸趣向作品全集 木挽唄集
第二章 一般型往復龍ノコ

第3項 構想型
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この項では、龍が一旦遠ざかる目的が質駒を取ることではない、というものを扱う。 言い換えれば、離れる意味付けに工夫を凝らした作品群である。

馬ノコの場合と同じく “玉方の応手を限定させるために龍ノコを行う” というパターンが第一に浮かぶのだが、この手法は、次章で扱う北村作に見られるだけである。 合わせて参照されたい。

本項に分類される唯一の作品は、玉の逃げ方を(詰方の都合がよいように)強制するための龍ノコ、という言い方が出来る。 この手法は、龍ノコ独特のものと言えそうか。

・田中 鵬看「竜神」 (近将 昭46・2) 手順を並べる

詰上がりの形はほぼ見えているのだが、龍ノコを行わせるかどうかの選択権が玉方にある関係で、手数伸ばし的な応接が行われる。 69成銀を質にした龍ノコで41玉逃げを強要し、右辺の舞台を作る。 その結果、成銀にヒモがつき、改めて龍が接近しなければならなくなる、という構成が面白い。 純粋な構想作とは言いにくいが、分類上はこの項にするしかなさそうだ。

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