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よもやま話大道棋全短評 大道棋20 小山邦明さん
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出題: 詰将棋パラダイス2013年10月号 大道棋よもやま話 第20回
結果発表: 詰将棋パラダイス2013年12月号 大道棋よもやま話 第21回

詰パラでの結果発表時の解説

よもやま話大道棋20 小山邦明44飛、74歩合、同飛、84角、同飛、95玉、85飛、同玉、
 52馬、94玉、86桂、83玉、74馬、72玉、63香成、81玉、
 82歩、同玉、73角、71玉、62角成、82玉、72馬、93玉、
 83馬上迄25手。

他の位置では84角で逃れ。
これ以降はいろいろな詰みあり。
中合の場所は64、54でも可。
 84角は、同金、95玉、85金、96玉、86金、97玉、88角、98玉、
 43馬、89玉、49飛、78玉、87馬、67玉、76馬、57玉、
 69桂、56玉、66馬迄21手。

本作の目玉は初手の限定打。下に引くため54より右だが、54飛では43馬ができず、34飛などでは広すぎて捕まらない。

これに対し歩の中合で抵抗。84角に同金は詰まなくなるが、歩が手に入ったので同飛以下の詰みが生じる。

後半乱れるのが残念だが、すっきりした配置で限定遠打を実現した所に価値がある。


解説・全短評

ドキドキ展示室でも10月に詰パラ連動企画として出題した、利波型飛問題。 その改作に熱心に取り組まれている小山邦明さんの新作です。

この類型も数が増えてきて、手順もいろいろなパターンが登場しています。

  • 92飛、同飛、82金
  • 92飛、同龍、同金
  • 93飛、同龍、同金
  • 74飛、84角、同金
  • 74飛、84角、同飛
  • 64飛、74歩合、同飛
  • 84金、同玉、74飛
  • 84金、同玉、73銀不成
  • 92金、83桂合、同馬

本作で、小山さんはまた新しい詰筋を開拓しました。その詰筋とは、初手44飛の限定打! 誘い手がたくさんある中、44飛は発見しがたく、これ以外の初手はすべていただきなのですから、大道棋屋さんにとって頼もしい問題です。

75が空いているものの、77銀67香で脱出はできない形で、既存の詰筋でもなんとかなりそうですが、いずれも逃れることを確認してください。

なぜ44飛なのか、試しに普通に74飛と打ってみましょう。 74飛、84角、同金、95玉、94馬、96玉(同飛は同金以下簡単)、85馬、87玉、86馬、98玉(78玉)で捕まりません。 ちょっと離して64飛と打ったらどうでしょう。 今度は64飛、84角、同金、95玉のとき、85金という手が成立します。 同玉なら63角なので96玉と逃げて、86金、97玉、88角、98玉、43馬、89玉で逃げ切り。 ここで飛が引けたら続きそう、と発想できれば、初手もっと離して打つ手が見えてきます。

しかし、54飛ではダメ。これは98玉の時43馬と王手できなくなるので失敗です。 そこで更に離して44飛。 これなら89玉に49飛とできて、78玉、87馬、67玉、76馬、57玉、69桂(79角)、56玉、66馬まで。 この手順を見れば、34飛では詰まないので、44飛が限定打になるわけです。

ところが、これで詰んだ、と手を出すと、44飛に74歩と中合してきます(64歩、54歩でも同じ)。 これは同飛と取るしかなく、84角に同金以下先ほどの詰筋は詰みません。 しかし、持駒に歩が増えているので、今度は84角に同飛、95玉、85飛と取る順が成立するのです。

85飛に同玉なら、52馬、94玉(74歩合なら76角以下)、86桂、83玉、74馬以下25手で、これが作意順です。
85飛に96玉なら、97歩、85玉(同玉なら88銀以下)、63角、74歩合、同角成、同玉、86桂以下。

作意順は後半いろいろな詰みがあるため、解答者にはあまり評判がよくありませんでしたが、シンプルな誘い手の多い形から44飛の限定遠打ということで、実戦価値の高い問題です。

それでは解答者のみなさんの感想を。 解答到着順です。

永島勝利さん:
本文で散々54飛と記載があったのは、意図的なミスディレクション?
それはともかく、手順は85飛を同玉と取るという新展開ですが、収束が絞りきれないので、大道棋という点を考慮しても、新味を感じるというよりも、解後感の悪さの印象が勝ってしまっているように思います。もう少し収束にメリハリを出すように工夫するというのが今後の課題でしょうか。

解説の図は65桂があって64飛では飛が引けないので以遠打の意味で54飛と書いたのですが、意図せずミスディレクションになっていたのかも (^^;

山下誠さん:
4四飛と離すのが、大駒の活用を見た好位置。中合には、一転して飛車で行くところがまた面白い。
前田知弘さん:
85飛を取らない変化もなかなかの手順で、詰むはずだ、と思って読まなかったら発見できなかった。
実戦だったら、ギショウ屋さんがそう指すかもしれませんね。
暑さのせいにしておこう
2手目以降は正解なのですが、初手54飛では残念ながら不正解です(84角で逃れ)。
岡崎行晃さん:
大道棋と言うのは最長の手数で詰上る事と、それによる余詰(駒余り)は許されると聞いているが、何か・・・私の中でスッキリしないものがある。
原田雄二さん:
私には、詰みませんでした。上記は、ここせ詰手順です。
44飛、84角以下21手の解答。 今一歩でした。 惜しい。
加賀孝志さん:
初手の限定が光ります。
三宅周治さん:
解くことも楽しいですが、投稿作品の加藤さんのコメントが勉強になります。
福村努さん:
19手目より,7三角以下,または,9四桂以下でも詰.
19手目以降はいろいろな詰め方がありますね。
谷口翔太さん:
難しい、大道でこれを出題したら、たぶん、誰も手を出さない。
棋将屋さん、あまり難しい問題は儲からないよ。
長谷繁蔵さん:
2手目中合は読んでいません。
44飛、84角以下21手の解答。 2手目の中合を読んでほしかった。
鈴木彊さん:
52馬から86桂でなんとか詰筋に入りました。
竹中健一さん:
初手も含めて結構難しかった…
2手目は54と74は非限定?
桂合の変化を詰ますのも苦労しました…
しかし、この手順で合っているとは到底思えない…
中合の位置は非限定です。 桂合だと、85飛、96玉、87角、85玉、76角、95玉、62馬以下17手。
小林巧さん:
とにかく、初手の発見に大苦吟…
挙げ句、盤駒を取り出してペタペタとやって…
馬筋と飛が引ける路を遮断しない44飛をやっと見つけました。
7〜5飛は、84角と引かれ、詰まない。
44飛に84角は、同金、95玉、85金、96玉、86金、97玉、88角、以下21手詰
こんな大道棋嵌まったら、全財産を巻き上げられそうです。
佐藤司さん:
最後の最後まで悪あがきをしましたが、結局はこの結果に。要は実力不足なのですね。
白旗でも解答いただけるのはうれしいです。
占魚亭さん:
初手は54か64と踏んでいたが84角で捕まらない。破れかぶれで44に打ってみたら84角が詰み、光明が見えた。

続いて、大道棋よもやま話第20回のトレーニング問題(小山邦明さん作)への感想。 こちらは74飛以下85馬まで21手の素直な手順でした。

原田雄二さん:
7手目78角の発見でいけるなと思いました。
小林巧さん:
馬が大活躍ですが…
単純な追い詰めでした。

よもやま話 大道棋20 解答:18名 正解14名

正解者、当選者は詰将棋パラダイス(通称詰パラ)2013年12月号をご参照ください。

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