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よもやま話大道棋全短評 大道棋6 加藤徹
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)
出題: 詰将棋パラダイス2011年5月号 大道棋よもやま話 第5回
結果発表: 詰将棋パラダイス2011年8月号 大道棋よもやま話 第7回

詰パラでの結果発表時の解説

5月号で出題した「詰んだらプロ」級の難問の結果を発表します。

金問題の形だが、持駒は銀。これは83銀、81玉、72銀不成の誘い手のためで、作意は金でも同じである。

序盤はほぼ一本道で、金問題の定跡通り進む。角を取って桂を跳ねた途中図。ここから急に紛れが多くなり、プロ級の読みが要求される。
大道棋6 加藤徹
42角は、41玉、91龍、52玉、51龍、43玉、49香に46歩の中合で逃れ。

左から62角は、61玉、91龍、72玉、71龍、63玉、73龍、54玉、59香に、これも57歩と中合で逃れ。

52歩は41玉、23角、32香合で逃れ。

95角という93龍のピンをはずす妙手もある。 84桂でも際どいが、84歩合、53龍、52角合の逆王手で逃れ。

33角、61玉で69香に誘われる。これも64歩の中合で逃れ。 82歩が打てれば詰むが「二歩はダメですよ」

31手目33馬で43馬は、31玉、39香に33歩の中合で逃れ。

33馬に41玉で途中図。 最大の難所。
途中図(22手目51玉)
この形では持駒の香は温存したいので、91龍が自然な手。 52玉、51龍、63玉、69香と進んで、ここからの受けがすごい。 64歩合、同香、72玉、62香成、83玉、81龍、82金合、同龍、同玉、55馬、73金合、85香、84歩合、同香、83歩合で逃れ。

この順を詰まないと読み切って香打を読んでも短打で打てるかどうか。 49香と離すと43歩の中合で詰まない。

42香が指せれば、あとは長手数の応手を探せば解決する。
途中図(32手目41玉)

解説・全短評

大道棋5がサービス問題だったので、物足りない方のために力試しとして出題した問題です。 正解者がいるか心配していたら、なんと10名も(解答14名)。 詰パラの解答陣はすごいです。

初形は普通の92玉型金問題で、双玉や持駒が銀なのもよくあるところ。 87歩がちょっと目障りですが、4×7に収まって集客度75とまずまず。

誘い手は二つ。
1)83銀、81玉、72銀不成、82玉、83馬まで
2)93銀、81玉、84香、同角、82香まで

93銀の誘い手は普通駒余りになりますが、同角を用意することで駒余らずにしたのが一つの工夫。

上級者にとっては、21手目54桂まではだいたい一直線に読めるところです。

  93銀、81玉、84香、83飛合、82銀成、同飛、同香成、同玉、
  83飛、72玉、93飛成、83歩合、同馬、63玉、74馬、72玉、
  63馬、61玉、62馬、同玉、54桂、51玉、

54桂に51玉と逃げて途中図。 ここ、61玉や52玉の変化は上記棋譜を参照。
大道棋6 加藤徹
ここからの紛れがすごい。 詰パラでの解説で示したように、中合、限定合、逆王手などで逃れる順がわんさかあります。 全部読み切れたら、間違いなくプロ級でしょう。

紛れの海の中で、正解は33角から62桂成と捨てて馬を作る順。
33角、52玉、42角成、61玉、65香以下の解答もありました。 この順は確かに詰んでいますが、すぐに61玉と逃げると65香に64歩の中合で逃れ。

  33角、61玉、62桂成、同玉、44角成、51玉、52歩、42玉、
  33馬、41玉、

44角成以降も変化が多く、とても書ききれません。棋譜の分岐で変化を示していますので、上記の棋譜でご確認ください。
途中図(22手目51玉)
ここが本作最大の難関。 香1枚しか持駒がないところで、91龍という強力な紛れがあって、なかなか香打に手がかかりません。 香を打つにしても49香と打ちたいところ。 ところが、正解は42香!

詰工房で強豪が集まって本作を何時間も詰めようとしていましたが、この手は最後まで指されることはありませんでした。 91龍の逃れ順が際どい(64歩捨合、82金合、73金合、84歩中合)こと、香を打つなら下段から打ちたい(43歩中合で逃れ)ことから、心理的に指しにくい手です。

  42香!、52玉、43馬、51玉、91龍、62玉、61龍、73玉、

持駒香しかなく、かなり不安な形。 しかし76香と打ってみると、82玉は72香成、83玉は65馬、84玉は85金で詰み、74合、同香、同玉も65馬で詰み。 これで詰んだかと思うと、74合、同香に逃げる手がありました。

  76香、74桂合、同香、84玉、85金、93玉、63龍、83角合
  同龍、同玉、61馬、92玉、84桂、91玉、73角、82歩合、
  同角成、同玉、72馬、91玉、73馬、82金合、同馬、同玉、
  72香成、83玉、94金 まで67手歩余る

合駒選択は最長手順探し。 最長は67手ですが駒が余るのと収束余詰があるので、83歩合など65手駒余らずの解答も正解としました。 「詰んだらプロ級」の金問題。 お楽しみいただけたでしょうか。
途中図(32手目41玉)


それでは解答者のみなさんの感想を。

永島勝利さん:
一瞬簡単に詰んだと思ったら、8筋に歩は立ちませんでした。33手目42香〜43馬で手ごたえを感じましたが、終盤の合駒チェックで疲れ果てました。はたして最長順でしょうか?83角合辺りはかなり怪しい。それにしても、左辺に引き戻してからこれだけコクのある順が続くのは凄いですね。
加賀孝志さん:
とっても手が広く実戦なら手を出せません。
紛れが多く広い方へ追うので疲れました。
凡骨生さん:
5番と同じ金合と思いきや…。33手目に香を離して打ち苦戦しました。66桂の配置が絶妙で創作改作の参考になりました。
前田知弘さん:
紛れはないので迷わないですが、詰ますのは大変。中盤は切れそうで切れない。よく続くものです。
持駒は金でもよいと思うのですが、どうなのでしょう。
金でも作意順は同様です。初手83銀の誘い手のための持駒銀。
鈴木彊さん:
83飛合で飛を入手して83歩合には同馬以下61玉と上段に追い62馬と清算して54桂以下33角と入れ62桂成捨てから44角成以下手を継いで33馬から41玉に42香は辛いが止むを得ない手。91龍から最後の山場で61龍から78香で桂合が最長でその桂を入手して63龍に83歩合これを同龍とし61馬と入る手があった。何度も不詰感に悩みながらも手を継いで辛抱する。うまく出来ているものです。

短評まとめ
序は63馬で押し返してこれからまた一局という感じ
中盤は78香まで細い攻めを継いでいく難所でした。
終盤は龍を切り馬で仕上げる。
棒の先につけた練り飴を引き伸ばしたようですね。
小林徹さん:
「詰んだらプロ」級の挑発に乗った。
トライしてみると21手目5四桂あたりまではスラスラ進むがそれからが難しい。
なんとか41手目7九香に辿り着くと後は最長手順探し。
それにしても48手目8三角が意外でした。
あーうぃだにぇっとさん:
大道ではまったく歯が立ちそうもない作ですね。
今川健一さん:
今度は飛合だってさ、ああ驚いた。
こんな長手順、大道で読みきれる筈がない。
棋将屋さん、どんな科白でお客を誘うかな。
もう少し見ていよう。
竹中健一さん:
中盤手が続かなくなりそうで難しかった…
合っている自信は全くありません。。。
福村努さん:
キズ 63手目より,9二歩 8一玉 7二馬 同金 同香成 迄67手金余り.
佐藤司さん:
流石にプロ級では手が出ません。

よもやま話 大道棋6 解答:15名 正解11名

正解者、当選者は詰将棋パラダイス(通称詰パラ)2011年8月号をご参照ください。

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