意欲的に双玉香歩問題の開拓を続けるメキドラさん。 まずはシンプルな本局でみなさまに挑戦です。
88馬が意味ありげに置かれています。 玉が93に来たとき66馬という筋がありそう。
香歩問題では、一般的に初手は63桂、72歩、83桂の3通り。 順にやってみましょう。
- 1) 63桂
- すぐに63桂は同飛の逆王手でアウト。 それでは初手44馬、62合で、飛の利きを消したら?
これも62金合とかカナケの逆王手で、同馬、同飛。 飛の利きが強く詰みそうにありません。
- 2) 72歩
- 72歩、81玉、86香で逃げれば香成で簡単。 83の中合が定跡です。
Aさん 「72歩、81玉、84香、83金合、同香、・・・」
普通の香歩問題のように83金合なら、詰むのですが、83桂合ぐらいで軽くいなされると、75桂が邪魔で66馬とも行けず、脱出されてしまいます。
- 3) 83桂
- 83桂、81玉、82歩、92玉、94香。 93の合は普通の香歩問題では角合が定跡ですが、73玉型の双玉香歩問題では飛合で91桂成ができず逃れ、というのが裏定跡。
そこで93飛合としてみると、同香、同玉、66馬、92玉、93飛まで。 あれ詰んじゃった。
作意手順は、83桂。 しかし、裏定跡の93飛合ではなく、裏の裏をかいて93角合!
「なんだ、93角合なら、91桂成、同玉、93香生、92桂合、同香、同玉、74角、91玉、83桂、92玉、71桂成。 例の筋で詰むじゃない」
と思って手を出したあなた、大道棋を甘く見ちゃいけません。
74角のとき83桂合! 同角成、91玉、81歩成、同飛で「お客さん、惜しかったね」
正解は、93角合を同香と取って、66馬。 92玉に、81角、同飛、91桂成、同玉(同飛は65馬)、81歩成と、巧妙な手順で飛を取って解決します。
作意に入りやすいので、実戦で出題するのは苦しいかもしれませんが、集客度79の好形で、逆王手、中合、捨合の逃れもあり、なかなかおもしろい問題でした。
それでは、みなさんの感想を。解答到着順です。
- コマンさん:
- 61飛は余詰め防止兼質駒だった。発展しそうな図ですネ
- 今川健一さん:
- 客寄せ用ですね。一瞥は93飛合かなと思いました。
- 長谷繁蔵さん:
- 玉方52金を置きたい。
52金を置くと、収束が83飛、71玉、93馬、61玉、81飛成まで、ちょっとすっきり。
長谷さんからは、「娘宅で孫に出して貰いました」 ということで、ハガキで解答をいただきました。
これからもよろしくお願いします。
- 市原誠さん:
- 飛を上手に奪う手順が上手い。
- どかん5号さん:
- 思わず解きたくなるドキドキ、双玉、シンプルな初形。7手目、すぐに同香成が見えずに91桂成の紛れに迷い込みそうに。87歩の意味はその紛れが詰まないようになっているのかなと思ったのですが、いろいろ考えて結局わからなくなりました・・・。
- 躑躅さん:
- 87歩は何のためにあるのでしょうか?
87歩はなくても作意手順は成立しますが、83歩合ができないことで、紛れが少し複雑になる効果があります。 集客度は87歩がない方が少し高いので、どちらにするか悩ましいところ。
- 岡村孝雄さん:
- 初手72歩〜86香の筋は83桂合ぐらいでもダメだろうなあ(71歩成に同飛があるので)と思い、序盤は特に迷わずに進めたのですが、93角合に91桂成か同香かが分岐点。後ろに連続捨駒が控えているのがいい。
- S.Kimuraさん:
- 7手目に9一桂成として罠にはまりました.気づいてみれば当然ですが,単に取って8一角とする手になかなか気がつきませんでした.
- 鳥本敦史さん:
- 簡潔な配置でこの手順。いいですね。
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