2022年10月に「退院おめでとうございます! お祝いに詰将棋を投げつけます!」 (ウマノコ@kisy門下@umanoko1525)と、
kisyさんに贈られた詰将棋ですが、これがなんと双玉煙の短手数記録作品(87手)!
これまでの記録は1962年発表の田中鵬看さんの「地影」105手で、本作は70年ぶりに一挙に20手近く更新しました。
それでは、手順を鑑賞していきましょう。
68歩が浮いているので初手58銀としたくなりますが、64飛を取られて失敗。
また47とは、68玉から79、88に逃げられてダメ。
66銀から77銀と迫り、78玉(79玉は39龍以下)に39玉と龍の活用をはかります。
39玉は遠く28龍までの収束を見据えた一手で、49玉などでは逃れ。
66銀、68玉、77銀、78玉、39玉、77玉、68龍、86玉、
95角、96玉、66龍、95玉、96歩、同と、94金、同玉、96龍、83玉、
96龍に95合は、金合なら93金以下、金合以外なら58角以下。
82金、同玉、81桂成、同玉、82歩、同玉、73歩成、同銀、
同香成、同玉、76龍、64玉、
飛車は取られたものの、6筋方面に追い込むことに成功。
73銀、63玉、62と、同と、同銀成、同玉、61桂成、同玉、
62歩、同玉、53歩成、同玉、43香成、同玉、44銀、同玉、
62歩に51玉は71龍以下または41歩成以下。
煙らしい手順で駒をさばいていき、ここからは龍で押し込みます。
46龍、53玉、55龍、62玉、64龍、51玉、41歩成、同玉、
44龍、31玉、
右上に追い詰めて、今度は18玉に向かって縦に送ります。
32歩、同玉、23と、同玉、24歩、22玉、23歩成、同玉、
14角、13玉、33龍、14玉、15歩、同と、同と、同玉、
26と、14玉、25と、同玉、17桂、14玉、15歩、同玉、
16歩、同玉、36龍、17玉、26龍、18玉、28龍 まで87手
最初に39玉としたのが生きてきて、龍が28に還元して詰上り。
龍追いを中心とした流れるような手順が気持ちいいですね。
次々駒が消えていく様子を、ぜひ並べてお楽しみください。
本作は馬屋原さんのX(旧Twitter)に掲載された作品ですが、重要な記録作で解答未発表だったこともあって、記録展示室にて出題させていただきました。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 金少桂さん:
- 双玉煙の最短手数記録更新というだけではなく、序でバッテリーを構築していた38王・28龍が、収束で再会して28龍の還元龍迄。
素晴らしい構成。
- たくぼんさん:
- 双玉煙の最短手数でしょうか、昭和の香りもする懐かしい気持ちになります
- 山下誠さん:
- 3六に控える角の援護で龍が自在に動き回る双玉煙詰の傑作。
- 川越敏司さん:
- 双玉で全駒配置からの煙詰。 奇跡のようです。
- おかもとさん:
- 双玉煙の最短手数の記録作。
ただ、退院祝いと煙詰はあまり結びつかないような……
- 小山邦明さん:
- 玉頭に歩をたたく手(2段目の82歩、62歩、32歩や1筋に追ってからの15歩、16歩)が効果的に決まって見事な煙詰でした。
- 池田俊哉さん:
- 双玉煙の最短手数でしょうか、100手を切ったのも初かと
入院が短くすんで良かった、と言うことかな?
龍の元の位置への帰還と、自王の移動が洒落ている
- 占魚亭さん:
- 「まさか」と思ったけど、その「まさか」だった。
還元龍の双玉煙、お見事です。
- おしいれの大冒険さん:
- 双玉煙詰最短手数でしょうか。 素晴らしい!
- S.Kimuraさん:
- 変化が多くて半分くらいしか手を追い切れていませんが
こちらも煙詰になるとは驚きました.
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