馬屋原さんも熱心な記録作マニア。
「記録に挑戦!」で、20数項目の記録を保持しています。
本作は2014年年賀詰展示室に掲載された年賀詰。
あぶりだし「1」(53-57)の長手数記録作品(69手)です。
馬屋原さんは2010年にあぶりだし「一」の長手数記録作品で年賀詰お気に入り投票1位。
今年は微差で1位は逃がしましたものの、堂々2位に入りました。
最初から変化が多く手を付けにくい形です。
方針としては守備駒を清算してはがしながら85の飛の入手を狙って進めましょう。
94金、92玉、82歩成、同銀左、93歩、91玉、92金、同銀、
同歩成、同玉、93歩、同銀、同金、同玉、94銀、82(92)玉、
93銀打、91玉、83桂、同飛、92銀成、同玉、83銀成、同玉、
最初の93歩に同銀は、同金、同玉、94銀、82玉、93金、91玉、83桂、同飛、92歩
以下作意と同様に飛を取って銀が1枚多いので簡単。
さて、飛は取れたものの、持駒は飛桂だけ。
これで続くのかと心配になりますが、47馬や52角が控えているので大丈夫なんです。
84飛打、92玉で94飛、82玉、84飛右、83歩は全然ダメ。
一見切れ筋ですが、ここで81飛成が強手。
84飛打、92玉、81飛成、同玉、71香成、92玉、94飛、82玉、
94飛に合駒は65馬があって簡単。 82玉とかわします。
81成香、同玉、72歩成、同玉、62歩成、同玉、64飛、52玉、
この辺も逃げる変化がいろいろあって大変。
64飛に52玉のところ、
1) 71玉なら、61角成、81玉、73桂、82玉、83馬、同玉、65馬以下。
2) 72玉なら、63飛成、81玉、93桂、91玉、46馬、82歩合、61龍以下。
3) 73玉なら、63飛成、84玉、74龍、同銀、同馬以下。
41銀不成、同玉、14馬、52玉、51桂成、同玉、52歩、同玉、
53歩、51玉、43桂、同香、52歩成、同玉、43歩成、同玉、
やっと局面が落ち着いてきました。
馬を14馬とこちらに活用、桂歩を使ってほぐしていきます。
44香、同と、63飛成、34玉、33龍、45玉、36馬、55玉、
53龍、54銀、同馬、同と、56銀 まで69手
最後は銀の移動合も入って、あざやかに「1」の字が浮かび上がりました。
あぶりだし「1」(53-57)は、これまで30作以上作られています。
これまでの最長は小川悦勇さんの59手。
本作はそれを10手更新しました。
- 作者:
- 「一」からもう4年経つのかと思うと感慨深い。
前回同様全駒配置を目指したが、またもや中途半端に終わってしまった。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- キリギリスさん:
- 変化が多く難しかったです。正解の収束も素晴らしい。
- 占魚亭さん:
- 詰上り「1」の傑作。
- 國吉進さん:
- あぶり出し69手?
単にあぶりだしでは、99手というすごい作品があります。
- 池田俊哉さん:
- 「1」の字曲詰の最長手数。
いわゆる引っ張り込み型ではあるが、47馬の利きを背景にした手順が良く、何よりもこの収束形はあまり類例がないのでは?
収束7手は斎藤吉雄さん(詰パラ1993年3月大学)にありますが、移動合から馬を切っての詰上りは気持ちいいですね。
- 長谷繁蔵さん:
- 初手が見つかりません。ギブアップします。
- 小山邦明さん:
- 逆算で創作されているのだと思いますが、実に上手く駒が消えながら形ができあがっていくものだと感心しました。
- 隅の老人Bさん:
- 詰上がり「1」の曲詰で詰手数が、これまでで最長。
今までは、小川悦勇さんの「1」だったかな?
- 波多野賢太郎さん:
- 玉以外の盤上の駒が一切動かず、ひたすら打っては逃げ打っては逃げの手順とはびっくりでした。こんな手順が成立するんですね〜。
- S.Kimuraさん:
- 94金から入ってみましたが,その後が追いきれませんでした.
以下は、2014年年賀詰展示室のお気に入り投票時の感想です。
加賀孝志 「雄大な曲詰」
柳田明 「収束、新手か?」
田中徹 「今回No.1か」
宮浦忍 「年賀詰にはもったいない力作」
馬詰恒司 「パラに投稿すればいいのに その1」
安原嗣治 「駒捌き良く見事な炙り出し「1」」
出崎守 「大学院 手数は長いが詰上りが’1’」
鈴木彊 「変化多岐 長手数 終図1の都詰」
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