煙詰とは、全駒39枚の初形から駒が次々消えて詰上り最少の3枚になる、魔法のような詰将棋です。
伊藤看寿が将棋図巧第99番ではじめて実現してから200年間誰にも作れず、
昔は非常に創作困難と思われていました。
第2号作品の黒川一郎「落花」が登場してから、続々創作されるようになり、
煙詰創作の技術も知られてきました。
その結果、現在では煙詰創作のハードルは下がっては来ましたが、
大部分の詰将棋作家にとっては、まだまだ高嶺の花なのが現実です。
全駒の煙詰以外に、歩なし煙、貧乏煙など、より少ない枚数の煙詰も存在します。
金銀桂煙は最近創作されるようになった煙詰のバリエーションですが、
飛び道具煙(飛角桂香)と同じく初形13枚と、はじめて煙詰に取り組むには手ごろかもしれません。
みなさんも、いろいろな煙詰で煙らせるテクニックを習得して、
そしていつか全駒の煙詰に挑戦してはいかがでしょうか。
金銀桂煙は、もともとコンピュータによる煙詰創作の最初のターゲットとしてどうか、という話題から生まれてきたもの。
合駒も発生しないので、逆算のアルゴリズムだけで十分創作可能と推測されます。
ソフトウェア開発者の方も、このあたりから入って、全駒煙詰のコンピュータ創作というグランドチャレンジに取り組まれては。
本作、成駒なしのきれいな初形。 まず桂成から銀捨てで、34の桂を入手します。
12桂成、同玉、23銀、同玉、34金左、12玉、24桂、13玉、
24桂、13玉で切れたかと不安になりますが、金を質にする14金捨てが気持ちの良い手。
14金、同金、12桂成、同玉、22銀成、同玉、14桂、31玉、
金を入手したあとの収束は猫田さんの第1号金銀煙と同じですが、
香がないためこれ以外の収束は考えにくく、やむをえないところです。
32金、同銀、同銀成、同玉、43金左、21玉、32銀、11玉、
22桂成、同玉、23金、11玉、21銀成、同玉、32金左、11玉、
22金 まで33手
全体的にきびきびした感じの煙詰で、好評でした。
- 作者:
- どなたかが煙詰は誰でもつくれるとおっしゃっていたので、
短手数記録で一番簡単そうな金銀桂煙詰に挑戦してみました。
これ以上の短縮は無理かと思いましたが、本間晨一さんとの合作で、
さらに短手数(31手)の記録を作りましたので、こちらもぜひごらんください。
ちなみに現在は記録の事は考えずに、金銀桂歩煙詰を構想中です。
現在玉1金4銀3桂3歩4まで駒を詰め込みました。
あと16枚です。
まだ逆算できそうです。
完成はいつになるかわかりませんが、こちらもご期待ください。
・金銀桂煙詰の最短手数
金銀桂煙詰の理論上の最短手数は21手です。
しかしこれは全応手で受方が駒取りをしないといけないので、
小駒煙詰で全応手で駒取りをする収束がないことから、21手は無理だと思います。
駒取りの密度が高い収束があれば、かなりの短縮ができそうなので、誰か挑戦してみてください。
本間晨一さんとの合作(31手)は次の図。
この作品を金銀桂煙の短手数記録として「記録に挑戦!」に登録しました。
|