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 記録に挑戦! 第46回
2008年の記録作(2)
加 藤  徹 
詰将棋パラダイス2009年1月号より
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 全手順Xの長手数記録、前回の歩から玉に続いて、今回は合駒と王手、そして成・不成の記録を紹介します。

オタマジャクシ 全手順打合4手 全手順打合4手 オタマジャクシ
  おもちゃ箱 2008年4月(受先)

 64飛打、34香、32角、23桂まで4手

 受先にすれば4手にできるとオタマジャクシさん。参考記録として登録した。

徳希 全手順移動合5手 全手順移動合5手 徳希
  おもちゃ箱 2008年3月

 25桂、55香上、53桂成、66龍、56桂まで5手

 金少桂さん、徳希さんのお二人が別々な構図で5手を実現、おもちゃ箱で同時に掲載した。

 両図とも3手目までが空き王手で、4・5手目が直接王手の構成。ここでは徳希さんの作品を紹介した。

岩田俊二 全手順合駒(混在)7手 全手順合駒(混在)7手 岩田俊二
  おもちゃ箱 2008年5月

 67金、55馬、46香、45銀上、32桂成、34香、36桂まで7手

 打合、移動合混在の記録は7手。攻方受方3組のバッテリーと飛馬香の直接王手の組み合わせで実現した。

 '08年4月の記録展示室での発表で、本図は5月の結果発表時のおかもとさん提案による改良図。

 全手順合駒の作品は必然的に全手順王手になるが、こちらの記録は次の作品。

金子清志 全手順王手15手 全手順王手15手 金子清志
  詰パラ 1997年9月

 48銀上、同桂成、同銀、46玉、35銀右、同香、36馬、同香、
 37銀、同香生、38桂、同香成、同龍、57角、48香まで15手

 第17回で全応手逆王手の記録作として紹介した作品。

 頭2手を削れば、全手順逆王手の記録作にもなる(13手)。

 これだけ逆王手が続くこの作品でも合駒が続くのは最後の2手だけ。全手順合駒の記録の難しさが分かる。

馬屋原剛 全手順成7手 全手順成7手 馬屋原剛
  おもちゃ箱 2008年11月

   61香成、98桂成、63桂成、59桂成、43香成、18桂成、53銀成まで7手

 全手順成は一見簡単そうだが、成に限定するのが意外に難しい。

 データベースで調査したところ、3手詰が2作。しかしいずれも不成でもよい手が混じっていた。

 つまり、これまでの記録は1手詰で本作はそれを一挙に7倍に更新したことになる。

 記録作ということを抜きにしても3連続空き王手の手順はユーモラスで楽しめる。

松田圭市 全手順不成3手 全手順不成3手 松田圭市
  詰パラ 2001年10月

   33桂不成、67香不成、21銀不成まで3手

 これもデータベースで調べたら3手が3作あった。

 林浩一さん(詰パラ'71年2月)はなんと27手の余詰、林俊二さん(詰パラ'78年12月)は2手目不成が希望限定ということで、松田圭市さんの本作が全手順不成の記録に輝いた。

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