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 記録に挑戦! 第42回
最大繰返し回数の記録(7)
加 藤  徹 
詰将棋パラダイス2008年9月号より
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 連続移動回数記録、前回の攻方の歩から飛に続いて、攻方馬、龍の記録、そして同一駒の連続捨駒回数の記録を紹介します。

馬屋原剛 攻方馬の連続移動53回 攻方馬の連続移動53回 馬屋原剛
  おもちゃ箱 2008年2月

 78馬、57玉、68馬、47玉、58馬、37玉、
 48馬、27玉、49馬、37玉、38馬、26玉、
 16馬、35玉、34馬、26玉、16馬、35玉、
 25馬、45玉、34馬、54玉、44馬、64玉、
 54馬、74玉、64馬、85玉、63馬、75玉、
 53馬、85玉、52馬、75玉、42馬、85玉、
 41馬、86玉、96馬、77玉、87馬、67玉、
 78馬、57玉、68馬(中略)41馬、74香、
 同馬、86玉、96馬、77玉、87馬、67玉、
 78馬、57玉、68馬(中略)54馬、73玉、
 64馬、72玉、74香以下133手

 回転型馬追いをベースに1周ごとに馬ノコを融合する新機構で、馬連続移動53回という記録を達成。

 馬で順に追って64馬85玉の局面。63馬に75玉と抵抗されると馬追いが続けられず、馬ノコで31香を取りに行く。 41馬まで行くと、75玉では31馬と香を取られて簡単なので86玉とせざるをえず、96馬で馬追いが続く。

 2周目も同様に41馬と香を取りに行くと、今度は96とが消えたため84飛があるので、86玉とできない。

 これで収束かと思うと、74香という巧妙な移動捨て合があり、更にもう1周馬追いが続く。 3周目の54馬で73玉と変化して収束に向かう。

高田豊通 攻方馬の連続移動48回  これまでの記録は、高田豊通さんの「犀川」(詰パラ1989年2月発表、余詰のため8月修正)。

 馬ノコ連取りで、馬連続王手48回。 95手目12馬に28歩の中合で馬王手が途切れるが、中合しない順を作意にすれば、もっと延びる。

山崎健 攻方龍の連続移動124回 攻方龍の連続移動124回 山崎健
  おもちゃ箱 2008年6月

 94龍、82玉、(中略)
 95龍、82玉、(中略)
 96龍、82玉、(中略)
 88龍、93玉、(中略)
 79龍、84玉、(中略)
 28金、26玉、18桂、35玉、27桂、34玉、
 26桂打、25玉、17桂、16玉、35桂
 まで259手

 往復型の龍追い。軌跡は「竹生島」と同様だが、歩を使わず折り返すことで龍の連続移動を実現した。

 1往復毎に桂を入手し、桂が4枚になると、58龍、37玉から28金で収束に入る。

 シンプルな構成で攻方龍の連続移動124回の記録を達成。初中級者向けの超長手数の入門作品にも良さそう。

 本作はまた受方駒取りなしの長手数記録(健太さん237手)も更新した(259手)。

おかもと 同一駒の連続捨駒13回 同一駒の連続捨駒13回 おかもと
  詰将棋マニアックス 2002年3月

 78銀、68玉、69銀、59玉、68銀、58玉、
 59銀、49玉、58銀、48玉、49銀、39玉、
 48銀、38玉、39銀、29玉、38銀、28玉、
 29銀、19玉、28銀、18玉、19銀、17玉、
 18銀、同玉、85香、17玉、18金、16玉、
 15馬、同玉、14角成、同玉、13桂成、
 同玉、93龍、同歩、同龍、同香、14歩、
 同玉、15歩、同玉、16歩、同玉、17香
 まで47手

 相馬康幸さんの「詰将棋マニアックス」で「世界一の押し売り」と題して同一駒の連続捨駒(同玉が可能な駒取りでない手)の競作が行われた。

 本作はそのとき世界一の押し売りの座を獲得した作品で、単独の銀が13回も押し売りされる。

 9段目同玉は89龍引で簡単。8段目同玉の変化はかなりやっかいだが、85香以下早いので確認されたい。

 次回は受方駒の連続移動回数の記録作品を紹介します。お楽しみに。

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