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 記録に挑戦! 第20回
短手数の記録(2)
加 藤  徹 
詰将棋パラダイス2004年12月号より
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 短手数の記録のほとんどは、理論上の最短記録が容易に実現できてしまいます。 そこで、容易には創作できない挑戦しがいのある項目に絞って登録しています。

 その中から今月は七種合の記録作。 合駒を打つ合と移動合に分け、七種合、順列七種合、七種移動合、順列七種移動合の四つの記録作を紹介します。

 七種合の短手数記録は25手。 次の二作品がほぼ同時期に登場しました。 うち、小林看空「天使」のayu改良案は歩から飛の順列で、順列七種合の記録作でもあります。

 参考記録としてI氏の「密室の謎姫」(詰パラ'97年8月)23手(余詰)があり、更なる短縮も期待されます。
糟谷祐介 七種合 七種合 25手 糟谷祐介
  詰パラ 2002年4月

 67金、58歩合、19馬、28銀合、
 56歩、同と、15飛、25香合、
 同飛、同桂、53飛、54飛合、
 同角成、同と、35飛、45角合、
 同成桂、同歩、77角、66桂合、
 同金、同と、57香、56金合、
 67桂 まで25手

 不動玉の七種合という野心作。 五方向からの王手で、前と右を二重に使って七種合を登場させたところが巧妙である。

注)現在では 田島秀男 17手 が記録。
ayu 順列七種合 順列七種合 25手 ayu 小林看空「天使」の改良案
  おもちゃ箱 2002年1月

 75馬、66歩合、59香、58香合、
 77龍、67桂合、47成銀、同玉、
 67龍、57銀合、37金、同玉、
 57龍、47金合、27馬、同玉、
 47龍、37角合、19桂、16玉、
 27金、15玉、42馬、24飛合、
 16銀 まで25手

 七種合は複雑という概念を打ち破り他に合駒がない状況を続けて順列七種合をシンプルに実現した「天使」。

 作者自身の改良図37手をayuさんが序と収束を改良し大幅に短縮した。
TETSU 順列七種合 順列七種合 TETSU 「おもちゃ箱」No.48

 「天使」をヒントに1枚龍での順列七種合を実現した筆者の作品を参考に紹介。

 32と、同玉、12龍、22歩合、
 42と、同玉、22龍、32香合、
 52と、同玉、32龍、42桂合、
 62と、同玉、42龍、52銀合、
 72と、同玉、52龍、62金合、
 82と、同玉、62龍、72角合、
 92金、同玉、72龍、82飛合、
 81角 以下49手
今村修 七種移動合 七種移動合 15手 今村修
  詰パラ 1998年12月

 19角、28香成、同角、37桂成、
 同角、46角、同角、55飛、
 67香、65金、97角、75歩、
 84飛、74銀、76桂 まで15手

 一手の無駄もなく七種の移動合を登場させた驚異的な作品。 15手は、単玉では理論上の最短手数である。

 打合移動合混在の七種合では、山崎康史「虹のかけら」(詰パラ'91年7月)15手があるが残念ながら余詰。

注)現在では 菅野哲郎「LOVE IS OVER」 11手 が記録。
七條兼三 順列七種移動合 順列七種移動合 65手 七條兼三
  詰パラ 1977年8月

 69角、58飛成、同角、47角成、
 同角、36金、同角、25銀、
 84飛、54桂、同飛、44香、
 13と、同玉、53飛成、23歩、
 同銀成、同香、同龍 以下65手

 最初の16手で飛から歩の順列七種移動合が出現。

 変幻自斉57手(歩から飛の順列七種移動合、詰パラ'79年6月)があるが早詰あり。

 まだまだ短縮の余地があると思う。

注)現在では 菅野哲郎「LOVE IS OVER」 11手 が記録。

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