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今回は双玉貧乏図式の長手数記録。 645手というすごい作品です。 この名作を首猛夫教授の解説でお届けします。 | |
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◇双玉貧乏図式 645手 佐々木恭閑「無銭旅行」 おもちゃ箱 2002年3月 「33飛成、25玉、24龍、36玉、26龍、47玉、 48と、同玉、46龍、58玉、48龍、69玉、 59龍、78玉、79龍、87玉、77龍、96玉、 97龍、85玉、94龍、86玉、87歩、同玉、 97龍、(16手略)52玉、42と、同成桂、 同龍、63玉、72龍、53玉、62龍、43玉、 42龍、34玉、33龍、25玉、24龍、36玉、 26龍、47玉、27龍、58玉、38龍、48歩」 にて第1図 |
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この図より、龍は端でターンしながら時計方向に進む際、29のと金を狙ってくる、それを拒否して48歩中合。 「『同龍、69玉、〜94龍、86玉、78桂、87玉、 97龍、78玉、〜37龍、58玉、38龍、48歩 (4回目は69玉)』×4、 29龍、68玉、59龍、78玉、79龍、87玉、 〜以下龍追いで戻って、 26龍、47玉、27龍、37桂」 にて第2図 |
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そして、ついに玉方の歩が尽きる。 ここで、29とを取られる。 実はここがスゴイ、68歩は何のためにあるのか?それは、これを欠くと 59手目より、26龍、47玉、27龍、58玉、67龍、49玉、47龍、39玉、48龍 と29とが邪魔で詰む。 ところが29とを取られて、68歩も消えるので以降の手順に破綻がない。 「『同龍、58玉、〜94龍、86玉、87歩、同玉、 97龍、78玉、〜26龍、47玉、27龍、37桂 (4回目は58玉)』×4、 18龍、69玉」 にて第3図 |
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第3図で遂に、香を取られ、ここからは通常収束であろう。 本作の恐ろしいところは、ここから再度龍追いが始まるところだ。 しかも7筋での折り返しで、73香成以下回転型になる! 以下130手以上も延々と続く収束 「29龍、68玉、〜94龍、86玉、78桂、87玉、 97龍、78玉、〜42龍、63玉、73香成、同玉、 72龍、84玉、83成香、85玉、84成香、同玉、 87香、86桂」 |
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「同香、95玉、94と、96玉、95と、同玉、 87桂、86玉、78桂、96玉、92龍、87玉、 97龍、78玉、〜72龍、53玉、62龍、43玉、 42龍、34玉、〜77龍、96玉、97龍、85玉、 87香、74玉、86桂、63玉、93龍、52玉、 82龍、43玉、〜79龍、87玉、77龍、96玉、 97龍、85玉、77桂、84玉、51角成、73歩、 94龍」 迄645手 本作は、持駒変換を伴う龍追いで、置き駒をすぐに取らせない中合で手数が伸びる。 こういった傾向の作品自体は前例もあるが、ここまで精錬された図は筆者の記憶にない。 初形で金銀を使わない「貧乏図式」、その最長手数の本作のロジックは、この種の龍追いの頂点を極めた感がある。 もちろん、様々な展開を見せている龍追い作品群には、それぞれの個性があり、簡単にどれが最高峰と決められない。 しかし、置駒の意味、その置き方、収束での展開、どれをとっても、今までの龍追い作品を研究し、さらに深めた作品であることは間違いない。 前作といい、本作といい佐々木恭閑氏の作図技量は、すでに超一流の域にある。 このような、作品がネット上で公開される今、解答応募形式の詰パラのこれからも問われている。 加藤徹氏のHP「おもちゃ箱」には、新たに挑戦する作品が続々と集まっている・・・。 |
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