![]() 次ヘ |
|
![]() 表紙に戻る |
今回から使用駒(持駒も含む)条件の長手数記録に入ります。まずはシンプルな条件の記録手数を紹介。 | |
![]() |
◇飛2枚 23手 塚本惠一、橋本孝治 ◇角2枚 7手 TETSU ◇金4枚 13手 おかもと ◇銀4枚 15手 おかもと ◇桂4枚 13手 おかもと ◇香4枚 25手 おかもと ◇飛角4枚 33手 菅野篤 注)現在は、eureka・石川英樹45手 が記録。 ◇金銀8枚 39手 斎藤仁士、Guy Kamina ◇桂香8枚 37手 おおさき ◇桂香8枚成駒なし 37手 ミーナ (2004年6月追記) |
続いては、清貧図式の長手数記録。 | |
![]() ![]() ![]() |
◇清貧図式 179手 佐々木恭閑 おもちゃ箱 2002年4月 それまでの記録を3倍近く更新した傑作。 大学院の首猛夫教授に解説をお願いしました。 78馬、99玉、77馬左、イ98玉、76馬、99玉、 66馬、98玉 〜以下馬鋸で盤面11桂を取って戻る〜 76馬、99玉、77馬引、98玉、87馬上、89玉、 67馬、99玉、66馬、89玉 〜以下馬鋸で盤面12桂を取って戻る〜 66馬、89玉、A67馬、99玉、77馬右、89玉、 98馬、同玉、27歩、ロ88角、同馬、同桂成、 76角、87銀、同角、同玉、88龍、同玉、 68飛成、97玉、77龍、98玉、78龍、97玉、 89桂、86玉、77龍、85玉、 「B86銀、84玉=1図=、95銀、同香、 86香、85銀、同香、同玉」×3、 86銀、84玉、95銀、同玉=2図=、 87桂、84玉、86香、85角、同香、同玉、 75龍、94玉、86桂、93玉、84角、82玉、 73角成、92玉、74馬、83香、同馬、同玉、 95桂、ハ92玉、94香、82玉、93香成、同玉、 73龍、92玉、83龍、91玉、93龍、92歩、 83桂不成迄179手 変化イ−銀合は、同馬引、同桂成、同馬、同玉、 27歩、97玉、89桂、96玉、98龍、86玉、 66飛成、85玉、87龍、74玉、75銀以下。 また、金合は、同馬引、同桂成、同馬、同玉、 68飛成、87玉、78龍、86玉、98桂、97玉、 87金迄。 変化ロ−銀合は、同馬、同桂成、同龍、同玉、 68飛成以下4手早い。 変化ハ−82玉は84龍、72玉、83龍、62玉、 74桂、52玉、54香、42玉、33龍迄。 |
右の馬を78に据え、左の馬が11桂を取ってくる。 再度馬の位置交換をして、12桂を取りに行く。
もちろん最初に12桂は取りに行けない、23の地点で馬が捕捉されるからだ。 対角線上の表と裏を行く馬鋸は前例があるが、本作は機構がうまく出来ている。 96桂と龍飛を配置して、遠隔操作が利いている。 Aで、78馬として以下98玉、76馬、99玉、77馬引、98玉、87馬上、89玉、98馬、同玉と作意に還元する順があるが、馬鋸特有の迂回手順として問題ないと思う。 この順は、盤面12桂を取って帰ってくる馬鋸でいつも生じている。 何より驚くのはこれからだ。 1図より、何と8手1サイクルの香ハガシが始まる。 解答は略記したが、86香に対する合駒や、95同玉の変化は1サイクルごとに異なっていて悩ましい。 局面が段々広くなるからだが、作者はうまく仕上げている。 一段目に並んだ歩も美しい配置にも、作者の深い読みがある。 一見すると収束で31とや41とを置くことによって駒が省けそうなものである。 ところが、そのような手段で収束を作ると、例えばB86銀で97桂打などの紛れが詰んでしまう。 従って、一段目の並び歩は、馬鋸や何かの時に生じる合駒の制限ではなく、最も美しく収束の舞台をを作ったものと確信する。 細部にわたってよく読まれている。 詰め上がりも龍と歩と桂だけの局面で、手順の繰り返される美しさと相俟って、繊細で珠玉のような作品。 本作は、成駒なしの清貧図式の最長手数として作られたもので、それまでの記録を3倍近く更新したものであり、それ自体すばらしいことではあるが、芸術点も高く、解いて良し鑑賞しても後世に残る名作であると思う。 それにしても、作者はどんな人であろうか・・・。 注)現在は、中村宜幹293手 が記録。 |
JavaScriptで動く棋譜再生盤、Kifu for JS を使わせていただいています
JavaScriptが利用できる環境でご覧ください