OSTRACISM CO.
■ 開発日記 巻之廿八

OSTRA / Takeshi Yoneki

To: Satomi Yoneki
Subject: フュ−チャ−マチック
Date: Thu, 06 Jul 2000 16:40:04 +0900

 不動産屋に電話した。担当は溝田さんという女性。大家さんと相談するそう
だ。

エンガッツィオ司令塔
脳ミソを哲学する
フュ−チャ−マチック

 の3冊を紀伊国屋ブックウェブで注文。書店で見つけても買わないように。
 上2冊は筒井。最後の「ー」が「−」なのはギブスン。
 ギブスンは「希少」となってたからタイミング悪けりゃ来ないかも(先々月
の新刊)。増版するだろうけど。いつもの浅倉訳。

Takeshi Yoneki

To: K-ON
Subject: Re: まじイギリス!
Date: Sat, 08 Jul 2000 21:26:40 +0900

> とっととこんな国離れたほうがいいぜ。
> 世の中にとって無駄な国になりつつある。

 乳児虐待託児所事件で明らかになったのは、母親がどれだけ追い詰められて
いるか、少子化問題云々言ってる政治家や役人が何らすべきことをしていな
かったという事実。そもそも何をしなくてはいけないか知らないようだ。
 少子化問題に未婚化傾向が関係あるとわかったのだから、シングルマザーを
援護する具体的方策を充実させるのがスジ。ところがシングルどころか
非シングルの母親も満足に援護できていない上に「保育師の雇用問題」云々で
足踏みを続ける自治体が多い。すべきことをしろよ。
 コギャルとかヤマンバを見て日本のフェミニズム革命は終わった(達成された)
と思っていたけど、現実は相変わらず女性に高い負担をかけている。
 そもそも託児所ってのはフランスで女性の権利を拡充するために作られた
そうで、本来的に女性運動と縁の深い存在だ。
 スウェーデンではシングルマザーが非シングルマザーの数を越えたそうだ。
さすが超先進国。
 夫婦別性が議論になることがそもそも変なことなのがわかってない日本の
政治家。日の丸とか君が代云々なんて馬鹿なことやってないですべきこと
しろよ。意味のないロマンチシズムのために税金払ってんじゃねえぞ。
 IT云々で儲かってる人間を除けばX世代がどれだけ貧乏かはアナリストの
指摘するところ。
 若年層(イケさんはすでに若年層とは言えないが)が皆外国に移住すると
いったことでもしなけりゃ気づかないかもしれない。
 内閣の構成年齢が歴代で最も高いそうで、若年層への搾取は当分続くだろう。
憂鬱な国だ。確かに。
 官僚が実際に国を動かしてるそうで、大臣が持つ人事権をもっと大胆に
行使すべきなんだろうが、なんでもかんでも先例主義じゃ世の変化に反応
できるべくもなく。
 ところで山一はツブしていいけどそごうをツブしてはいけない理由は?
 先日元国労のなんとかで暴れたとかなんとか、よく知らないが、オレの
吸うタバコで返済されるナニガシと無縁ではなかろう。

OSTRA / Takeshi Yoneki

To: K-ON
Subject: Re: まじイギリス!
Date: Tue, 11 Jul 2000 02:42:27 +0900

> 考えるのは難しいことです。坂本龍一らが「僕らの次の世代の為に・・・」と
> 環境保護を主張してますが正直な話、僕もリアリティーを感じません。

 先日新井くん(UFO研のというべきか彼方のというべきか)と話してたこと。
 団塊の世代のかつて持っていたイデオロギーと、出世した彼らが次々と
自分の子供に(親の七光を使って)世襲をさせている事実との矛盾が見えて
きており、裏切られた気分だと。
 新井くんは山本輝司のことを念頭に喋っていたが、私には坂本龍一のことに
聞こえていた。いや、まぁ、私は糸井重里が活動家から資本家の手先に転身
したと知ったとき団塊の世代のイデオロギーの無意味さにあきれてしまってたん
だが。久米宏の強さは世襲させるべき子供がいないことか。
 1983年のYMOの本に糸井重里と坂本龍一の対談があって、「ファッシズムを
抑止するのは過剰な資本主義しかない」ってガタリを引用してた。当時全く
意味がわからなかったが、わかったときにも「本当かね?」と疑問符は付いて
まわった。現在は過剰な資本主義が生む貧富の差はファッシズムを招き寄せる
とわかったし、過剰な資本主義が環境破壊を生んだともわかっている。
 ようは言い訳だったのだ。金儲けすることにまだ後ろめたさがあったん
だろう、当時は。
 金儲けとファッシズム以外に人間は価値観を持てないのだろうかという
疑問はまだ答がでてない。戦後直後は教育が普及すれば変わると本気で信じ
られてきたし、普及した教育の成果が団塊の世代だ。
 確かに不況だから石原が知事になったんだよなぁ。

> ここで待望のお子さんが誕生した米木さんに質問です。
> まだ早いかもしれませんが「僕らの次の世代の為に・・・」
> という概念についてリアリティーに変化はありましたか?
> あったとしたらそれはどんな変化でしたか?

 その点は変化はない。
 今抱えてる問題は今手を打つべきことであって、そもそも先送りなんぞという
ふざけたことが許されるべくもない。
 システムにバグがあるなら、迅速にパッチを当てるべきだ。
 システムが機能しないなら、早急に組み直すべきだ。
 未来なんてもんは永久に来ないし、現在しか変えられないのだから。

 変化したこと。
 ベビーカーを押して歩くと「豪華な庁舎を建てるのは、道路全部バリアフリー
にしてからにしろ!」と本気で怒りが沸いてくる。

OSTRA / Takeshi Yoneki

To: KURUMI
Subject: Re: 久々のテレビは刺激がきつい
Date: Tue, 11 Jul 2000 22:58:56 +0900

> ども! KURUMI@冷房がんがん でっす!
>
> その後、リモコンを発掘できたので、ドリキャスのメールチェックと、
> 久々にテレビコマーシャルを見ました。…が、フジヤマンバって…。
> フジヤマッチョって…。暑い、暑すぎます!
> 世間はめっちゃ真夏なんですね。どおりでエアコン切れないわけだ。
>
> #壁谷君、出張のためにThinkPadを衝動買いしたらしい。

 5月頃、電車でヤマンバ予備軍みたいな高校生2人の会話。
 女1「あの富士急のポスター、先輩が出てんだよ」
 女2「マッチョの方?」

 吹き出しそうになるのを堪える私であった。

OSTRA / Takeshi Yoneki

To: Satoshi Ikeda
Subject: Re: 練プ連的見解:岡林(元フォークの神様)に関して
Date: Thu, 20 Jul 2000 04:47:24 +0900

 毎度。

> え〜「読まなくていいよ全集27」中の岡林(元フォークの神様)に関する記述を拝
> 読したんですが、これについての練プ連の見解を少々。
>
> > 問題は岡林にきっかけを与えた外国のミュージシャンである。
> 誰だと思います?これ、たぶんロバート・フリップなんですよ。
> 数年前にどっかで読んだ岡林のインタビューを思い出しつつ書くと、
> 80年代初頭、自分の方向性に悩んだ岡林はヨーロッパを回って色々なミュージシャン
> と交流してたらしんですが、
> その際に出会ったロバフリ翁に
> 「何故君は日本人なのに西洋人のロックの真似をするのだね?
> 君は君にしか出来ないことをやればいい」
> ってなコトを言われて、何をどうしたか「エンヤトット」という日本独自のグルーヴ
> に開眼したそうです(笑)。
> まぁ、「西洋のリズムに日本語云々」という言い回しはよく知らんかったですが、
> たぶんロバフリ翁の言葉ではないか、と。

 非黒人の西洋のリズムってことでプログレの例をあげたんだが、そのミスター
プログレのご高説だったとは、そうか、ありそうなハナシだ。

 NHKのインタビューで「西洋のリズム」という言葉ははっきり使われていた。
そもそもその番組がなんとかという日本の変な民謡のリズムを取り入れるという
趣向で組まれていたからだろう。
 大雑把にいって黒人のリズムも「西洋のリズム」であることは事実。黒人が
始めたとしても白人によってスタンダード化されたわけだしね。
 でも、数十年前までは白人のジャズなんて偽物って意識が普通にジャズ
ファンにあったのもまた事実。

 「西洋のリズム」に日本語を載せたのが岡林のバックバンドをやってた
「はっぴいえんど」だってのも奇遇なハナシ?
 大瀧-細野路線の延長線上にユニコーンがいてウルフルズがいてパフィーがいる。
パフィーのベストを買って、セカンドシングルをよく聞いたら、なんというか
ビートルズのモロパロディだった。有線なんかで聴くぶんにはアレンジまでよく
わからなくてB-52'sみたいだと思っていたが訂正。
 パフィーのベストは半分くらいしかパクり元がわからなかったが、たぶん、
過激なことに全部パクりだろう。ヤングマンのパクりは振り付けまでパクってる。

 岡林ってばロバフリにサザンを聴かせたりしたんじゃねぇだろうな(^^)。

> この頃のロバフリ翁と言えば、イーノとのコラボレーションを経て
> '80年代KCをやってた真っ最中。
> フリップは元々ロック界にあってもっともブルースの影響が無いギタリストですが、
> 「全集27」の記述にあるように、盟友イーノがひたすらロックのプリミティブな
> 部分を掘り下げていったのに対し、この頃はますます非黒人的な方向である
> 「人力テクノ」的なアプローチにひた走ってました。
> だからたぶん「自分自身は問題の外に置いている」というよりも、
> 自分自身もそうした問題に対して「西洋人にしか出来ないアプローチを追求する」
> という形で取り組んでいたのではないか、と。
> で、そうした意識があったからこその発言なのではないでしょうか?
>
>  そういや、'80年代KCもブリュー経由でヘッズ的なアプローチが取り入れてたんで
> したねぇ。あまりにもうっかりしてました。特に青盤の「Waiting Man」とかモロに
> アフリカンだし。ちっとも「非黒人的な方向」じゃないすねぇ(笑)。
>  でも、まぁそれはそれでロックの出自というものを突き詰めた結果なのでしょう。
> 確かにロックは黒人のリズム+白人の和声なんだけど、
> 黒人のリズムの中でもヘッズ〜イーノやKCが汲み取った部分ってのは、
> ロックに反映された部分のさらに奥に有るもんだもんなぁ……。
>  う〜ん、ロバフリはつまり、
> 意識的にやった結果では無く、単純に折衷する形で西洋のロックに載っかった日本の
> ロック(=岡林)に疑問を呈したかったのでしょうかねぇ。KCの場合は確信的ですも
> んねぇ。

 なんにせよ問題意識のないヤツでなく問題意識のありすぎるヤツの言葉だった
のね。
 たぶんこれからも「プログレ」が主流になれなかったように「エンヤトット」も
好事家のレアアイテムでしかないだろうな。それはそれでオーケー。
 80年代初頭だとまだ上野(ゲルニカ)の活動はあまり知られていなかったかも
しれない。平沢はまだテクノをやってたし。

 平沢も雑誌のインタビューで「西洋のリズム」という言葉を使っていた。
歴史的搾取的にロックのリズムは西洋のリズムというのが「日本での」合意で
あろうことは間違いない。

OSTRA / Takeshi Yoneki

Subject: AC2
Date: Fri, 21 Jul 2000 13:18:09 +0900

 PlayStation2と心中するともりらしいフロムソフトのアーマードコア2の発
売が7/27から8/3に伸びましたが、昨日深夜に7/27発売のTVCMを流してました。
 TVCMって急な差し換えってできないのね。

OSTRA / Takeshi Yoneki
#我が家のPS2ソフトはフロムのしかない

To: Futoshi Ebata
Subject: Re: マッハ号
Date: Tue, 25 Jul 2000 12:35:43 +0900

> 日本でナンバー取れるんでしょうか?

 そもそも回転のこぎりがある車が米国で法的にOKってのがわけわからんです。

> この車

 炎天下の真っ赤なオープンカーを我々は「火の車」と呼ぶ。まじに暑いから。

 トゥームレイダー4、待望のDC版は予想通りPC版なみに綺麗です。
 問題はPSとかなりコントローラが違うので慣れる必要があること。DCの十字
キーはあまりきちんと上キーが入らなくてなかなかまっすぐ走れません。私は
十字キーとアナログを入れ替えてやってます(交換の設定ができる)。
 DC用のPSコントローラがあればいいんですけどね(あってもソフトの対応が
必要だな)。Bleem!のDC版はどうするんだろう。まさかキーボードで遊ぶ?

 「だめだわ」

OSTRA / Takeshi Yoneki

To: Yasuo Yamashita
Subject: Re: HUNDOSHI-EDIT用スクリプト公開について
Date: Thu, 27 Jul 2000 03:25:28 +0900

> 下記ページにて HUNDOSHI-EDIT用JGAwkスクリプトを公開しようと考えています。
> http://www.dd.iij4u.or.jp/~violinhi/
> 許可をいただこうと思いメールいたしました。

 こんばんはやましたさん。

 許可もなにも単なるスクリプト、ご自由に。HUNDOSHI-EDIT専用でもないで
しょう(運用的に専用かもしれませんが、他にもjgawkを使いやすくしよう
という環境があったような、うろ覚え)。

 私のサイトの「ダウンページ」にリンクを張るかもしれませんが、中身を
見てから。すでに逆リンクはしてますが、スクリプトは最終的にIIJから
リムネットへ移動ですか? それともIIJのまま?

OSTRA / Takeshi Yoneki

To: KURUMI
Subject: Re: G4きゅーぶ
Date: Thu, 27 Jul 2000 12:47:56 +0900

 で、ニックネームは何になるんだろう。
 トースターと書き込んでる人がいたし、フジモトさんは屑篭と書いてる。私
はロビーの灰皿と思った。まぁ、ロクなアダ名じゃないな。

 「マッカー」キラーの例の気違いは、ポリタンクの命名者は私だといった内
容の文章を書いてるけど、あれは誰が見てもポリタンク。少なくとも彼がポリ
タンクと形容する以前に三上さんがポリタンクといっているのを聞いた。エキ
スポ会場でだったと思うけど。

OSTRA / Takeshi Yoneki

To: Futoshi Ebata
Subject: Re: マッハ号
Date: Mon, 31 Jul 2000 12:55:39 +0900

> >  トゥームレイダー4、待望のDC版は予想通りPC版なみに綺麗です。
>
> 買ってこようかな。難易度はやっぱり高いんでしょうか?

 まだ2面目(だと思う)の途中だけど、変に難易度の高い部分はなかった。
コントローラに慣れさえすればいつものTRシリーズ。いきなりTR1の後半のよ
うな凶悪なことにならないとは限らないけど。
 でもたぶん難易度は日本市場向けに易しくしてあると思う。
 セーブはいつでもどこでも何回でもできる。PC版はどうなんだろう。

 水の表現とか、PSと違ってかなり良いよ。シェンムーみたいに変にリアルで
はないし、レイラは明らかにポリゴン少ないけどね。とにかく背景が綺麗。
そう、綺麗な背景にマンガっぽい造型のキャラクタってとこ。リアルタイムムー
ビーの動くオブジェクトもポリゴン少なくていつも通り(^^)。PSの能力に合わ
せたんだろうか。
 エヴァークレイスなみにキャラクタを作り込んでも良いとは思う。それは
PS2で動く今後ってことだろうか。リアルにおばさんになったレイラ(設定年
令30歳位のはず)で遊びたいかということになるが。

 「超クソゲー」という本にでてくるガイジンさんはTRシリーズを嫌ってるけ
ど、欧州と北米では異常に売れてる超メジャーゲームなんで、私がスクウェア
を嫌ってるように嫌ってるんだろうな。

OSTRA / Takeshi Yoneki

 まずNapsterと関係ない音楽業界の問題から。

 音楽を作るのは音楽家。音楽の出版権を持っているのは音楽主版社。レコード(CDやテープやMD等を含む)を売って飯を食ってるのは原盤権を握っているレコード会社。

 ビートルズのレコードが売れても儲かるのはEMIとマイケル・ジャクソンで、ポール・マッカートニーが「イエスタディだけでも返して欲しい」(出典不明)と言ったのはわりと有名。ポールがライブアルバムに自作である「イエスタディ」を収録するなら莫大なお金をマイケル・ジャクソンに払わなければならない。

 キング・クリムゾンのロバート・フリップは「アーティストはアルバムを録音するための費用をレコード会社が用意した前渡金で支払うが、これは音楽家の印税で返済され、アルバムはレコード会社の所有物となる...(中略)...クリムゾンミュージックは音楽出版社やマネージャに著作権を譲渡することに、一切正当な理由や倫理的な理由を認めない」と記している(出典:deja VROOMライナー)。
 ロバート・フリップはなんとか頑張って自分の録音を取り戻した。これは稀有な例。
 彼はオーディエンスの不正コピーやいわゆる海賊版にも厳しい意見を持っている。

 ノイのクラウス・ディンゲルは自身の録音を取り戻そうと、レコード会社を相手に裁判をしている。彼の昔のレコードはすべて廃盤となっており、中古市場にも見かけなくなった現在海賊版以外で手に入れるのは困難な状況になっている。裁判に勝って正規版を出荷できるまで待って欲しいと「Cha Cha 2000 Live」のライナーにあるが、待てど出荷されている様子はない。

 P-モデルの平沢進はメジャー時代の録音を取り戻すことはあきらめ、メジャーを辞めたタイミングで「ヴァーチャル・ライブ」という名で初期主要曲を録音しなおした。JASRACシールは貼ってない。
 P-モデルには詐欺的に著作権を奪われた作品もあり、そこからの著作権収入は平沢進には届かないが、現在はそもそも廃盤だろう。

 ネット配信に関する坂本龍一や近田春男の動向は、JASRACが音楽家の望む仕組みではなくなったことを示している。現状、楽曲単位の著作権コントロールはできず、全てJASRACに任せるかJASRACをやめるかしか道はない。平沢進は後者を選んだ。
 一応政府レベルで著作権団体のありかたの未来像が話し合われており、JASRACには厳しい話が展開されている。

 次にNapsterを考える上での先例。

 カラオケのネット配信に目を付けたJASRACが、従来の算定方法と全く違う著作権料をカラオケ業界に要求し、その法外な値段に驚いたカラオケ業界はJASRACと対立することになった。最終的な運用面で見ると従来方式となんら違いがないというのになぜ著作権料が変わるのかの説明は「ダウンロードでコピーが発生するから」以外になかった。
 行政は介入せず「業界で話し合って解決しなさい」となった。正しい態度だ。
 JASRACとカラオケ業界が合意を得るまで、ネットカラオケの著作権料は著作権者には払われていない。その後この問題がどうなったかは知らないが、著作権料はシステマティックに決まるのではなく、業界全体を考えた適切な運用をすべきものであるとの大前提をJASRACが忘れてしまったとしか考えられない。

 最後にNapsterのこと。

 Napsterは「便利だけどちょっと難しいラジオ放送」と考えるのが妥当。
 この「ラジオ放送」を「有線放送」や「衛星放送」と置き換えてもかまわない。メディアと方法が従来になかっただけ。そういえば日本では「衛星放送」で訴訟があった。
 Napsterはラジオ放送程度の著作権料を払うべきだし、RIAAはラジオ放送程度の著作権料を請求するのが適切な態度。
 さて、はたして、RIAAは適切な請求をしたのだろうか。業界全体を考えた適切な運用をしようとしただろうか。Napsterと話し合いの場を持とうとしただろうか。
 いくら訴訟社会の米国でも、いきなり訴えるのでは「別の目的」があると勘ぐられてもしかたがない。表現・言論の自由に抵触すると考える米国人ジャーナリストがいるのはそのためだろう。

 「CDを買う」以外に音楽に接する方法はいくらあっても良い。

2000.08.08

 音楽の大衆化について。

 以前のスレッドで音楽の大衆化についての言及があったので、主に日本の状況を。
 1985年のレコード生産は2.2億枚(2800億円)なのに対し、その10年後の1995年は4.7億枚(5700億円)となっている(出典:日本レコード協会 http://riaj.japan-music.or.jp/)。単純に見て10年で産業規模が倍になっている。
 この10年間で何が起きたかというと、CDの普及である。1988年でアナログとCDがほぼ均衡だが、翌1989年にはCDが圧倒的な勢力になっている。
 CDの特色はアナログの装置に比べ安価で手軽であることに尽きる。アナログを再生するにはプレーヤーに加え別途アンプやスピーカーを必要とするが、CDはCDラジカセやポータブルCDプレーヤーだけあれば事足りる。
 1985年に自分の自由になるアナログシステムを持つ中学生・高校生は少数派だっただろうが、1995年にCD再生環境を持たない中学生・高校生は皆無であろう。オーディオの大衆化は1995年には終了している。
 これが何を意味するかというと、本来音楽に積極的に関心を示さない層がCD再生環境を手に入れたということだ。単純な計算だが、例えば1985年段階でのレコードを買う層の1/5だけしかレコードを買わない人が5倍いたら全体として規模は倍になる。

 上記仮定を演繹する。
 音楽に積極的に関心を示さない層が買うのはCMやTVドラマの主題歌というタイアップものや過剰なプロモートものであることは想像に難くない。最も流行っているものを皆に合わせて買うのだから少数の作品に集中するであろう。これが現在の音楽を取り巻く「メガヒット以外全滅」という状況を招く。
 レコード会社がこの当たればでかい「音楽に積極的に関心を示さない層」をメインターゲットと考えているのは間違いない。短期に爆発的に消費されるものをレコード会社は求めている。長期にわたって鑑賞されるものでなく短期に消費される音楽を売りたいのだ。
 現実にこのメガヒットを基準に、既に音楽家がリストラされはじめている。

 こういった状況では、例えばピンク・フロイドの「狂気」のような作品がでてくる余地はない。「狂気」は14年ものあいだ米ビルボードのチャート100位以内をキープした。

 われわれは既に地獄にいると気付いてる?
 天誅☆さんは気付いてるね。

 それでもまれに「だんご三兄弟」や「孫」などの説明のしようのない現象があるってのが面白いところ。

 このボードについて(以下文体変更)。

 hiddenさんによる「システム面からの考察」や、天誅☆さんの「音楽業界の悪しき習慣からの考察」を、もっと具体例を込めて読みたいです。もう遅いですか?

2000.08.10

> 音楽の大衆化は悪いことなのですか?

 オーディオ装置の限界までの普及がもたらした、日本の音楽業界の変質を述べたのですが、私の文章を読んで「音楽の大衆化は悪いこと」という主張を読んだとすれば残念です。
 音楽を聴かない人を狙ってCDを売るという、博打のような商売に走ったレコード会社を悪と言っているのです。
 音楽の大衆化はラジオが普及してポピュラーミュージックが生まれた戦前に終わっていますが、これをあたりまえの前提として省略したのがいけなかった?

> アメリカの音楽状況は日本の状況より優れていると思いますか?
> それは単純に文化の差だと思うのですが。

 空間でなく時間のことを書いたのですが、そうは読んでもらえなかったようですね。
 日米ではなく1973年と2000年の差です。1973年の音楽業界も誉められたものではありませんが、少なくとも「狂気」が制作される程度の余裕を業界が持っていたということを示しました。
 私が調べたのは日本の状況(数字)だけなので「主に日本の状況」と書きました。「狂気」ではなく「黒船」とでも書けばわかりやすかったのかな?

> どの辺が地獄なのか教えてください。
> 自分にとってくだらない音楽が売れてると何か困ることがあるのですか?

 1985年では許容されていた販売枚数の音楽家が2000年ではリストラされるという点です。
 アーティスティックな音楽家にも消費のための音楽を要求することです。
 音楽を聴かない人に向けて作品を作るのは音楽家の精神衛生上最悪ですし、良いものを作ろうという意欲を削ぎます。どの音楽家も「消費」されてしまうのはいやでしょうね。

 具体例をあげましょうか?
 P-MODELの初期のアルバムをCDで買いそびれてしまいました。もう再発売されることはないでしょう。
 坂本龍一の「ウラBTTB」はメガヒットになりましたが、過去の経緯から考えてあまりリリースを快く承諾したとは思えません。
 電気グルーヴに対してレコード会社側がながらく「ボーカルのない曲はダメ」としてきたことは有名です。でも皮肉なことに電気グルーヴで最も売れたアルバムはボーカルの少ない「ビタミン」です。また石野卓球は「ベルリン・トラックス」のような傑作をもっと早くに作れたはずで、レコード会社の言いなりだった修行期間があまりに長過ぎです。

 あと、「自分にとってくだらない音楽」は私の言葉ではありませんが、どこからでてきました?

> で、これとNapsterはどんな関係が?

 直接関係ないのは承知で書いていますが、何か問題ですか?
 現在の音楽業界の状況のことを考察するのは、議論を進める上での前提条件のコンセンサスを確認する程度のことと考えています。

2000.08.10

Subject: 本日ゲットの品
Date: Fri, 11 Aug 2000 23:11:51 +0900

 本日メッセサンオーにてゲットの品。

 Dの食卓2(DC 1999年)
  1972円
 スーパーマグネチックニュウニュウ(DC 2000年)
  1972円
 バギーヒート(DC 1999年)
  953円

 う〜〜〜ん。ドリキャスも末期症状が始まったか。

OSTRA / Takeshi Yoneki

Subject: Re: 本日ゲットの品
Date: Thu, 17 Aug 2000 12:19:11 +0900

> ウルティマオンライン一筋

 最近コンビニでUOを見なくなった。買い逃したかも。
 売ってるうちに買わなくてはダメねぇ、ってことでTR3のコンビニPC版は一
応確保。TR2と同じく目的は追加面なんだけど。

> D卓

 スカート+ハイヒール姿の女が冬山で狩猟生活しつつモンスターとひたすら
戦うという状況に突然放り出されるのは、かなり不条理。不条理さの原因は主
に狩猟生活にあるかな、ウサギとかトリなんかを猟銃で狙う日常というゲーム
だとは、普通「Dの食卓」の続編にそういう期待はしない。
 とはいえゲームシステムとして結構作りが良くて、前作を嫌いな私でも手を
出して失敗とは思っていない。ゲーム性が全然違う。
 アドベンチャーと書いてあるが、敵と戦闘して経験値が上がるのはかなり
RPG。逆にRPGと主張してやまないシェンムーの方がアドベンチャーとしか言え
ないゲームシステムだった。
 戦闘システムはまるで「THE HOUSE OF THE DEAD 2」だ(ガンコンは使わな
いけど)。狩猟システムは似たゲームを知らない(スコープ越しに撃つゲーム
はあるけどね)。
 ただ、早くも3枚目になった。4枚組のこのゲーム、ボリューム感があるかど
うかは厳しいかも。
 あと、最大の問題は、ポリゴンムービーの最中ずっとCDアクセスが発生し、
かなりうるさい。ヘッドホンでやると良い。

 TR4はなんか面倒な面に来たんで、週末までストップ。

OSTRA / Takeshi Yoneki

To: surume
Subject: Re: Cannot open HUNDOSHI-EDIT Preferences Dialog
Date: Sat, 19 Aug 2000 03:11:04 +0900

 こんばんはsurumeさん。レポートありがとうございます。

> 私の環境では v2.5, v2.51 で初期設定ダイアログを開くと
> MacsBug に落ちます。
> これは Appearance を外すと起こりません。
>
> Performa 6260 PPC603e/100MHz
> System 7.5.5
> Appearance 1.0.4
>
> # 修正される場合に必要な情報というのはどういうものでしょうか...?

 PM8500のSystem 7.6.1にAppearance Managerを入れて確認したところ、
再現しました。
 TAB表現に使うAppendDialogItemListというAPIがSystem 7.x環境では
きちんと動かないようです。Appearance SDKのサンプルには変なグルー
ルーチンがあったのですが、その理由がやっとわかりました。

> それと bin-tar-gzip 1.1 で Navigation Lib を要求されますが
> そういう仕様なのでしょうか?

 NavigationLibをImport Weak(ライブラリの弱いリンク:ライブラリの
有無を判定して、なければないなりに動作するよう作るときに必須)に
してませんでした。単なるド忘れです。

 両方ともにバグフィックス版を近日中にアップすることになるでしょう。

OSTRA / Takeshi Yoneki

To: shina
Subject: Re: ☆cubaseの苦情報告見ました☆
Date: Sun, 20 Aug 2000 19:37:34 +0900

 こんばんは、shinaさん。

 まずOutlook Expressの設定を見直してください。メールアドレスが間違って
います。また、できればHTMLでなくテキストのほうが良いです。

> 他に推薦のmidi&wave混合softあったらアドバイスもらえないでしょうか?

 そもそもサウンドブラスターをオーディオで使おうというのが問題でしょう。
半端に値段が高いのはブランドの値段であり、中身は安物です。サウンド
ブラスターはPCではデファクトスタンダード扱いですが、それはPCでオーディオを
扱えなかった時代の名残です。
 デジタルサウンド出力を44KHzで扱えなく48KHzのみという点がそもそも
「オーディオボード」でなく「サウンドボード」である証拠。これは音楽を
作る人でなく聴くだけの人のための(もっと正しく表現すればゲームのための)
ボードです。ジョイスティックがつながりますし。
 MIDIインターフェースとしても信頼性が低いと聞きます。

 YAMAHAでオーディオボードを開発したエンジニアが「サウンドブラスター
互換」にしろと上司に言われたと、ブツクサ文句を言ってました。

 そんなわけで、もうちょっと普通のオーディオボードとMIDIインターフェースを
使うことを勧めます。
 それこそ秋葉原ラオックス楽器館でCUBASEとの相性を聞いて決めるのが良いで
しょう。私は1212I/Oを使っていますし、友人はAudioWerk2を使っています。
どちらもMacintoshとWindows両用です。
 もちろんASIO(私はエーエスアイオーと読んでますが、楽器館の店員はアジオ
と読んでました、たぶん普通アジオとは読みません)ドライバを使うのが基本です。
 サウンドブラスター向けのASIOドライバで解決すれば一番なんでしょうけどね。

 私のページは旧カメオインタラクティブのサポートを問題にしているだけで、
CUBASEというHDRソフトを問題にしているわけではありません。Cakewalk Metro 4も
使ってみましたが、CUBASEにかなうものではありませんでした。現状私は古い
CUBASE 3.51を使い続けています。MacOS 8対応でプロテクトプログラムのバグも
解消し安定したのでHDRとしては十分の性能です。

 たぶんCUBASEクラスの品質を持つソフトは他に実在しません。開発メンバーに
天才が何人かいるだろうと感じます。
 独スタインバーグ社が増長するのもそのせいですが。

OSTRA / Takeshi Yoneki

 軽音研の後輩、イケダがかつて打ち出した「役立たず」というコンゼプトが好きだ。

 何かの役に立つ音楽でなく、作りたくて作った役に立たない音楽。彼はこの名前の作品集のテープを作り、少なくともこのコンセプトを理解できる(賛同の必要なし)知人に配った(ちじんの第一候補が痴人のことえりってナイス)。
 「音楽を道具にするのは音楽にとって失礼なことだ」というのはだいぶ昔から、たぶん二十歳くらいの頃から私が抱いている考えで、そもそもは売るためだけに作られた商業音楽に向けての言葉だったはずだが、左翼的主張が込められた音楽にも拡大されている。商売も運動も音楽にとっては邪魔なだけの存在だ。
 岡林(元フォークの神様)は昔の社会派の頃の歌を封印してしまっている。成果があがっていないにせよ日本独自のロックのリズムを追求する姿から考えるに、彼もまた音楽が好きなだけなんだろう。

 「役立たず」のコンセプトを理解するだけでなく、即座に賛同したのはいうまでもない。ってハナシはイケダにしたっけか?

 大田区日記のTARAOさんのページにある雑文(http://www.netjoy.ne.jp/~tarao-m/etc.htm)にキューブリックの言葉が引用されている。「役立たず」のコンセプトにぴったり一致する。

2000.08.23

To: surume
Subject: Re: Caret
Date: Wed, 23 Aug 2000 09:44:30 +0900

 レポートありがとうございます。

> HUNDOSHI-EDIT v2.5.2 早速試してみましたところ、キャレットが
> 選択したのと違うものになるようです。

 ラジオボタンのハンドリングで間違いが見つかりました。
 改造したものの自分では使わない部分ってのはテストが疎かになって
しまうもんですね。
 2.5.3をアップしました。2.5.2は超レアバージョンになってしまいました。

OSTRA / Takeshi Yoneki

JASRACとNMRCの合意

 もはやNapstarと関係ない話題ですが、気にせず書きます。

 いままでMP3ファイルが目の敵にされ、MIDIファイルは比較的放置されているのはなぜなのかと思い、よく考えたらMIDIファイルに権利を持つのは作曲者と演奏者(ファイルを作った人)だけだからとの結論を導き出していました(私が勝手に納得しただけ)。
 ようは圧力団体としては日本レコード協会の声が大きいのでMP3ファイルは強く取り締まっているというだけです。
 今回、この「JASRACとNMRCの合意」関連の文書を読んで、実際にMIDIファイル等の自演のカバー作品はJASRACのみが権利を管理する対象で、ディストリビュータであるレコード会社(日本レコード協会)はなんら権利を持たないと確認できました。
 MIDIファイルのアップロードはJASRACが許可すればOKで、これからは非商用の個人に対してもナニガシかのお金で許可を出すという方針に変わったのが今までなかった事です。
 例えばアマチュアバンドがライブハウスでカバーなりコピーなりをするときはJASRACに規定の料金を払っていたので、ネットワークでの扱いが提案されたのは「やっと」という気分です。本来ならインターネット以前のBBS時代のNiftyServeでの実証検分により、90年代前半でなんらかの規定は設けられたはずですが、インターネットの爆発的普及を待たねば重い腰が上がらなかったのでしょう。実に官僚的です。

> Green.Aさん
> わたしは,今回の案にいろいろ
> 問題を感じますが,ま,それはおいといて

 どのへんに問題を感じるか興味あります。

 非商用配信10曲で年間1万円の妥当性はまだ議論の余地はあるでしょうね。
 あと、「ユーザ=アマチュア=お金を払う側」の意見を集めるための圧力団体(ユーザグループ?)を早急に立ち上げる事ができるものかどうか。昔に勝手に決められたようには決めさせちゃいけないでしょうね、この情報化の時代に。
 商用配信の方は日本レコード協会がダダこねてますから、決まるまでまだ少し余裕があるかも。

2000.08.24

 たまにはNapstarの話題を。

 たぶん「エンタテイメントと著作権」とか「ゲーム中古問題」といった話題に関心を持つ人の多くが読んでいるであろう赤尾センセイがNapstar問題についての論説を書いています。
「悪夢のツール,Gnutella」
http://www.akao.to/ARTICLE/vbizb08.htm
 内容はほぼ予想通り。Gnutellaを使った具体的なビジネスの例を引っ張ってきているのはサスガ。

 内容が予想できたのは、過去に例えば
「ゲームの中古売買と著作権法」
http://www.akao.to/ARTICLE/press20x.htm
といった論説があるからです。

 米国のデジタルミレニアム著作権法を調べればわかるのでしょうが(私は調べてません)、NapstarやGnutellaってのは想定外の技術なのではないかな。技術と商売と著作権法ってのはいつでもイタチごっこですから、本来技術的観点は無視できません。米国の裁判官が無視するかどうかは、今後のNapstar側の弁護士の腕に依存でしょうけど。

2000.08.25

Subject: CUBE
Date: Fri, 25 Aug 2000 17:17:11 +0900

 NINTENDO GAMECUBEのコントローラのアナログスティック部分、
サターンのアナログコントローラのアナログスティック部分に似てるんだけど、
十字キーとのクロスライセンスかなぁ。

#少なくとも「来年キューブ買うぞ」と言ってもいいかも、G3かG4かは別として

OSTRA / Takeshi Yoneki

To: Yutaka Ikeda
Subject: Re: ちょっと重たい話です
Date: Mon, 28 Aug 2000 22:42:51 +0900

 「大学の先輩の地学屋が今度の三宅島の件、何か変だと言っていた」と高校の
同級生の地学屋(昔、動燃(^^)に出向してた)に話すと「オレも変だと思う、
ごにょごにょ」と後半口を濁らせていた。

 恐怖の大王は降らなかったけど、日本沈没かぁ? と最近全国で揺れてる報道が
相次いでの感想。

 件のメール、私のWebページに置いて良い?
 さほど参照されるページじゃないからパニックを誘うというものにはならない
だろうけど、一応どこからでも参照できる場所に置くのでイケさんの判断が必要。
 あ、もちろん文責はイケさんにあるんで、連絡先としてのメールアドレスも
必要だ。
 可否をよろしく。

OSTRA / Takeshi Yoneki

 「ゲーム産業、ミレニアムの冬景色:赤尾晃一」http://www.akao.to/ARTICLE/press47.htmにて、「Dの食卓2」と「シェンムー」を誉めた上で「だが,年末年始の実売本数は前者が約5万本,後者が約25万本と低調を極めた」と残念がっている。そしてその低調の理由を「ゲーム情報が露出しまくった結果,コアなゲーム・ユーザーはこの2本のゲームをすでに遊んだ気になってしまっている。そして,この種のメジャー・タイトルは酷評するか無視するかがクールだと考え違いをしている」としている。

 赤尾センセの考え方もわからないではないが、「Dの食卓2」と「シェンムー」の2本、本当に面白かったの? このたぶんコアユーザがもう既に飽きている典型的なお使いクエストタイプのアドベンチャーゲームを。

 タイトルがメジャーであるなしはコアユーザには関係ない。宣伝量や続編というだけで飛びつくのはコアユーザでなくライトユーザ(DQとFFとZELDAは別格)。たとえマイナーな作品でもコアユーザが満足すれば口コミでライトユーザにも広がると書いたのは他ならぬ赤尾センセ。この2作品はコアユーザとライトユーザ双方に対してなんら満足を与えられなかったというだけだ。

 1999年末、面白かったゲームは? の問いに「シェンムーの中のハングオン」と答える冗談の裏には、いかに本編がつまらないかという皮肉が込められている。
 そもそも「シェンムー」開発中に鈴木センセが「ミニゲームが幾つも入っているのが大作」といったような発言をしていた(NHKの特番でだったか?)。FF7を遊んだ開発メンバーから聞いた偏ったFF7評を真にうけた勘違いだ(鈴木センセ本人はFF7をやってないでしょう)。その結果ミニゲーム「だけ」が楽しい壮大な勘違いゲームが出来上がったわけだ。フォークリフトのレースは確かに楽しかったが、本当はもっと本編側で格闘ゲーム寄りのリアルタイムアドベンチャーにするなど、根本的なシステム面に手を入れるべきなのは明らか。

 「ゼルダの伝説-時のオカリナ-」「FF7」「バイオハザード」「メタルギアソリッド」「トゥームレイダー」などが大作の定義水準を大幅に上げてしまったということもあろう。
 ユーザが付いてこなければ、もうそれは大作ではない。

 赤尾家では「この年末年始,我が家ではDreamcastだけがフル稼働を続けた」そうだが、それは私のところでも一緒。ただし、「シェンムー」が異常なスピードで終わってしまったため「魔剣X」「ソウルキャリバー」「エアフォースデルタ」などをやり込むはめになってしまったのだが。

 「Dの食卓2」は実売が2000円に落ちた2000年夏にやっているが、2000円と思えば腹も立たない。たぶん6000円だと糞味噌に言ってる。エンカウントの量と「逃げる」のない戦闘システムは、もうそれだけで勘弁。

 あ、赤尾センセの論説は概ね楽しんでます。

2000.08.29

To: Kenji Hori
Subject: Re: TR4
Date: Thu, 31 Aug 2000 18:28:00 +0900

> てくれてオーガバトル 64 にはまりにはまって10周ぐらいして、仕事と生活が破滅

 10周もするか?? このゲームで。

> >  TR4やってるか?
> >
> >  死の街でバイクのダッシュができるようになったんだが、どこへ行ったらい
> > いやら。北の墓場に部下がいるとか言われた記憶もあるんだが。
> >
> >  ドリキャス版は綺麗だぞ。
>
> すみません。
> TR4は先週末に購入したばかりです。
> TR4はたぶん米木さんのほうが早くといちゃいますね。(^^;) でもわかった
> らメールします。

 今の悩みは「ルーフの鍵」を使うのはどこか。
 どこかに「ダメだわ箱」あるんだろうとは思うが。

> こちらは、現在ムジュラにはまっております。
> キャトルミューティレーションで笑いました。

 牛泥棒のシーケンスが終われなくて、仮面が全部集まらないままラスボス戦
やったんで少し心残り。

Takeshi Yoneki

Subject: DQ7
Date: Fri, 01 Sep 2000 16:46:54 +0900

 みなさん、DQ7やってますか?
 私は今年中には始めますが終わるのは来年でしょう。100時間もかかるんじゃ。

 本日ゲットの品。

「糸井重里のバス釣りNo.1 決定版!」(任天堂:N64) 2000円。

 発売から5ヶ月で標準底値に。作り過ぎ?

「悪魔城ドラキュラ黙示録」(コナミ:N64) 2000円。

 シリーズ最初の製品の最初の面で、ゾンビが老婆にしか見えなくて、「老婆
をムチで打つあのゲーム」と言ってた。ディスクシステムの思いで。

「ドンキーコング64」(任天堂:N64) 3000円。

 メッセサンオーでメモリなしで売ってたんだが、どうも任天堂はメモリなし
という形で出荷はしてないようだから、勝手に分割して売ってる?

「ゲットバス」(セガ:DC) 2000円。

 なぜか今回生態系破壊釣りゲームを2本も導入。釣りの趣味はない。
 車に乗る趣味もF1観戦の趣味も戦闘機を眺める趣味もないので、他と同じく
純粋にゲームとして楽しんでみる予定。
 もし面白かったら釣りコンも導入か?

 メセサンオーでは「シェンムー」はまだ4000円をキープしているが、なぜか
ソフマップでは2000円になっていた。
 大丈夫??

OSTRA / Takeshi Yoneki

> 著作権の原理と現代著作権理論
> http://orion.mt.tama.hosei.ac.jp/hideaki/theory.htm

 たいへん面白いです。

 「媒体企業の市場から挙げる収益と、著作者本人に還元される利益の間になんらかの関連性があるという神話を否定したいわけです」(上記「著作権の原理と現代著作権理論」白田秀彰)
 Napstar問題にメタリカが首を突っ込んだのが幻惑として働いたのか、このメッセージボードの初期に勘違い発言を生んだ「音楽家とレコード会社の利益の合致」の嘘を、ここまで端的に記述しているのは珍しいです。
 まあ、多少論拠のない断定が鼻につきますが、おおむねオッケイ。
 「作品は創られるのでなく発見される」という岡田斗司夫の考え方に近いものを感じました。たぶん「創作の歴史はパクりあいの歴史である」という観点も、明記してはいないものの持っているでしょう。

 この論説にリンクのある
「ビデオ・ゲームの中古販売と著作権法」小倉秀夫
http://www.ben.li/essay/Second-handed-game.html
も面白いです。

 「現行著作権法を起草した一人である佐野文一郎氏は、現行法成立直後の座談会で、著作権法上の「映画の著作物」としてはあくまで常識的意味の映画を想定しているということをしきりに強調していた」(上記「ビデオ・ゲームの中古販売と著作権法」小倉秀夫)
 著作権法の「映画の著作物」は映画の配給制度を法制化したもので、対象を簡単に拡大してはいけない、という論調をときおり見かけるのですが、そもそも法の起草のときに考えられていたという事実が心強いです。

 世の中頭の柔らかい法律学者ばかりでなく、以下のようなゴリゴリな頭の悪い考え方が、たぶんまだ主流なのかもしれません。読んでるとだんだん腹が立ってきます。ガクセイ?
「著作権法」林田力
http://www-user.interq.or.jp/~hedo/material2.htm

 「著作権法は専ら映像を見る側からの客観的な効果に着目した規定であり、その中に劇場用映画の特徴を頒布権と結びつけて読み込むことには無理がある」(上記「著作権法」林田力)
 完全に小倉秀夫氏の主張とぶつかっています。
 中古ゲームの東京判決は小倉側、大阪判決は林田側に近いと言えるでしょう。官僚度は大阪の方が高いかも知れない。

 話はかわって

 以前Green.Aさんの書いた
> 素人ホームページの「私の音楽をきいてください」
とベクターデザインのような紹介屋の音楽版がリンクして、巨大なインディーズシーンを形成するのが近未来なのではないかな。ミュージックシーオージェーピーの扱うインディーズってのはそのさきがけでろうと。
 で、当面はメジャーと並立していくのでしょう。ただ、メジャーデビューの意義がどんどん薄れていくのは必至。

2000.09.05

 FCで「スーパーマリオブラザーズ」をやった後で「高橋名人の冒険島」をやったときの感触。なんでこんなにマリオだと存在感や重さを感じるのに、高橋名人にはそれがないのか。動きの説得力が全く違う。走っているときの滑り方とかジャンプの描く軌跡計算とか、マリオは非常に細かく作られているのだろう。しかし高橋名人にはそれがなかった。昔のままのゲーム。そういった感触の違い。
 Macintoshを使っている人が初めてWindows 3.1を使ったときの感触。マウスの動きがとにかく違う。これはMacintoshがマウスをゆっくり動かしてるときと素早く動かしてるときの動作量の重みを計算しているからだ。Windows 3.1にはそれがなく、大量に移動するときは、まさしくマウスを大量に移動させる必要があった。そういった感触の違い。
 コナミ神戸(KCEK)の「悪魔城ドラキュラ黙示録」をやったときに感じたのはこういった感触だ。「スーパーマリオ64」でのマリオの存在感や重さはラインハルトにはない。まさしく冒険島の高橋名人のように、アクションに全く説得力がない。走りに躍動感がない。ジャンプに爽快感がない。
 思えばFCディスクシステムの「悪魔城ドラキュラ」もどちらかといえば「高橋名人の冒険島」系の、動きに説得力のないゲームだった。しかし、2Dのゲームならまだしも、3Dのゲームでは許される操作感ではない。しかも「スーパーマリオ64」から3年も後の製品である。3Dアクションがどうあるべきかの手本は両手で余る。
 ある種「悪魔城ドラキュラ」を(ダメな部分も含めて)素直に3D化したといえるのであろうが、とても「メタルギア・ソリッド」と同じ会社の製品とは思えない。やろうと思えば「メタルギア」なみの大作に育てることも可能だったろうに。

 「悪魔城ドラキュラ黙示録」をやると「ドンキーコング64」が非常に良いゲームだとわかる。

2000.09.07

「日本レコード協会」
http://riaj.japan-music.or.jp/doc/net.html
より、
 「音楽コンテンツのネットワーク流通は、現在のパッケージ流通にプラスされる形で導入される必要がある。」

 いやまぁ、そう考え、主張することは勝手ですが、それを誰が信じます? 私は信じませんが。

2000.09.08

To: Yusuke Yamanaka
Subject: Re: LaTeX
Date: Tue, 12 Sep 2000 17:01:48 +0900

> 突然ですが LaTeX って何でしょう?
> ちょっと調べたところではXMLのもっと木目細かいやつ
> って感じかなあと思ったんですが・・・

 「ちょっと」どの程度調べたかわからんが、ま、一般的に。

 TeXはスタンフォードのクヌース(Knuth)教授が、自著での数式の組版に不
満を持ったことをきっかけに作った文書処理系で、もちろん印刷に使う事を第
一の目的にしている。
 LaTeXはランポート(Lamport)によるTeXの派生バージョン。
 TeXそのものはUNIXと同程度に歴史が古いが、最初はUNIXではなかった。

 TeXはテフまたはテックと読むが、米木家ではテフが使われている。
 昔、アスキーがMS-DOS向けに日本語TeXをリリースしており、お姉ちゃんは
それをバリバリ使っていたそうだ。

 TeXはマークアップ言語であり、そういう意味ではXMLと似たようなものかも
しれない(XMLのMLはマークアップ言語)。ただ、目的が違う。XMLは文書の
共有を、TeXは文書の印刷を目的にしている。
 LaTeXは細かい印刷向け機能を隠蔽し、文章の構造に専念できるようになっ
ているそうだが、具体的にどうなのかはよくわからない。

 TeXシステムに特徴的なのはMETAFONTというフォントシステムを含んでいる
こと。美しい印刷出力を目的にしているのだから当然といば当然だが、MS-DOS
版でも同様なので、昔の、プリンタの持つフォントに依存したワープロの印刷
と比較して明らかに上質の出力を期待できたのである。お姉ちゃんはこのへん
にひかてたみたい。あと、欧文を綺麗に印刷できるシステムはPC-9801にはあ
まりなかった。

 そんなわけで、TeXと比べるべきものはWORDではなくXPressやPageMakerであ
ることがわかっただろうか? TeXはDTPシステムなのである。

 印刷を目的にするならTeXを使うのも手ではあるが、現在技術者・開発者が
作るドキュメントの目的は印刷ではなく共有なので、TeXは普通使えない。
 いやまぁ、アカデミックな場ではTeXが共有されていることもあったが、過
去になりつつある。
 WORDは今後どんどんXML寄りになっていくそうだし、たぶんこの業界にいる
かぎり無視するわけにもいくまい。

 私はOASYS(しかもラップトップタイプの貧弱な作成限界だらけの30シリー
ズ)でドキュメントを作成させられた経験があるので、WORD程度は天国だと思っ
ている。マジに。

 共有する必要のない文書はクラリスワークスで作ることもある。後でくださ
いとかいわれてWORDで作り直すハメになったりするけど。

Takeshi Yoneki

Subject: GetBass
Date: Sun, 17 Sep 2000 23:41:10 +0900

 半月前に2000円で買ったゲットバス、現在メッセサンオーでは700円という
完全底値。

 「糸井重里のバス釣りNo.1 決定版!」と「ゲットバス」は同じ題材にも
かかわらず非常に対照的な仕上がり。

 「ゲットバス」は元がアーケードなので、短い時間にお客さんを楽しませる
というようにできている。実時間に比べゲーム内時間の経過スピードがかなり
速く、入れ食いといえるくらい「あたり」が来る。ゲームとしてのメリハリが
はっきりしてて、かなり面白い。いや、じつにセガらしい良いゲームだ。

 「バス釣りNo.1」は登場キャラが絵本的な動物であるにもかかわらず、
シミュレータとしての出来を追及したもので、なかなか「あたり」が来ない。
ゲーム内時間の速さも「ゲットバス」にくらべのろく、釣りという遊びの退屈さ
かげんを実感できる。

 「ゲットバス」では水中のバスとルアーの関係を明確にビジュアル化して、
ロッドやリールでのルアーの動作によりバスを引き寄せるというゲーム性が
わかりやすく提示されている。ところが「バス釣りNo.1」では、本物の
釣りでは水中は見えないものだ、ということを表現するためか、「あたり」
が来るまで魚は見えない。しかもなかなか「あたり」が来ないのだから、
ルアーの動きと引き寄せの関係がはっきりしない。

 糸井重里といえば、ファミスタでリーグ戦全試合をやったという、地味な
ゲームをじっくり遊ぶことでは定評のある人物だ。
 きっと「バス釣りNo.1」は釣りの好きなヒトにはたまらないゲームなの
かもしれないが、私にはたまったもんじゃないゲームであった。
 きっとそのうち面白くなる、と思いながらできるのはせいぜい5時間くらい。

 きっと糸井は「ゲットバス」の嘘さ加減が嫌いなんだろうな。で、「SegaGT」
と同じ失敗をしたのだろう。

 「ドンキーコング64」は当初予想より面白い。対象年齢が低そうなのが気に
なるけど。

 「悪魔城ドラキュラ黙示録」はクソ。とても1999年の作品とは思えない。

 DCの「スーパースピードレーシング」も700円という超底値だったんだが、
どうして結構普通に楽しめるレースゲームだった。

OSTRA / Takeshi Yoneki

ARNORED CORE 2(フロム)
GUNGRIFFON BLAZE(ゲームアーツ/カプコン)
THE MECHSMITH(アイディアファクトリー)

 たぶんやると全部違うんだろうが、似たような印象を与えるロボットものゲーム(ロボゲー?)のCMが大量に流された2000年8月。全部PlayStation2向け。お互いに食い合ったに違いない。商品提供時期に何の横の連絡もない変な状況。ロボットものだけいきなり充実してもしょうがないだろう。
 家の近所の中古ショップでは「ARNORED CORE 2」が他の2本より1000円高い値付けであった。たぶん正当な評価であろう。

2000.09.18

 「日本における『トゥームレイダー4』DC版の実売数を聞くと,EIDOS社関係者は卒倒するに違いない」(赤尾晃一:http://www.akao.to/ARTICLE/debf05.htm)

 「トゥームレイダー4」ようやく攻略終了。
 安心して楽しめる(苦しめる?)システムに新シナリオをのせたものなので、面白さはいつもどおり。しかもDC版はコンシューマ機としては最高のグラフィックを提供。
 とはいえまぎれもなく洋ゲーなので、日本でTRシリーズをするのはほとんどがゲームマニアと考えられる。PC版(輸入版)がかなり先行して売られていたのがDC版不振の原因のひとつではあろう。TRシリーズは言葉に依存しないアクションゲームだからだ。PS版がどの程度売れているか知らないが、ゲームウェーブ(テレビ東京)の週間トップ10に登場する程度は売れている(DCと合わせての集計?)。
 DC版の場合、コントローラに問題があることが発覚。正確な動作を要求するゲームなのだが、DCコントローラの十字キーは正確に押せない不良製品であった。上キーを押すと、微妙な力加減で左右に振れてしまう。これではレイラ(ララ)の生存は不可能。一応アナログスティックに割り当てられるのでOKではあるが、SSのパッドの出来が良かっただけに、メーカーとしての姿勢に問題があるぞセガ。ダメだわ。

 改悪点。
 面単位の構成ではなくなったため、「前のあの面からやり直したい」とか「あの面をもう一回」といった遊び方ができない。
 同じくシークレットの数も面単位ではないので、シークレット探しは自力では不可能となっている。
 どうやら2周目というのはない。

 改良点。
 3で不評だったのか、アイテムを拾ったらそのグラフィックが右下に表示されるように戻った。

 オープニングはエンディングの続きなのね。

2000.09.18

> 何か、著作権の範囲がどんどん拡大しているように感じますが、どうしてでしょう。

 現在、世界的な潮流として既得権としての著作隣接権を拡大解釈する傾向があるようです。また、オープンソース関連で見られるように、著作権という考え方の見直しも議論され始めています。メジャーレコード会社の出版するCDに含まれる楽曲の使用に複雑な手続きが必要な一方、誰の許可を得ることもなくLinuxやEmacsを自由に使えるというアンビバレントな状況といえます。
 どうしてかは、私にもなんとも。

> 私は、個人利用と、商業利用の違いは、音楽を使用することによって、利益を得ているのかどうかだと思いますが、

 JASRACのページには『非商用配信とは、インターネットや携帯電話で、誰でも見られるように、情報料や広告料等収入を得ずに音楽著作物のデータを掲載することをいいます』とあります。非商用配信は個人利用を含みますから、JASRACの定義とは概ね合っています。
 JASRACは今まで非商用での利用で徴収していた料金をネットワークに単純に拡大したのみです。いままでもDATやMDには補償金が含まれていますし、アマチュアがライブハウスでコピーを演奏するにも料金がかかっています。

> 著作権の考え方の基本には、元の著作物によって得た利益の一部は、権利者に還元することだと思っていました。

 「利益がある」→「還元する」は著作権の考え方の一部ですが、これは「利益がない」→「還元しない」を必ずしも含みません(単純に論理学的に)。

> 「文化的な生活」を享受する権利が、著作権料が払えないために、制限されることに為りかねません。

 レコード会社は「CDを買う」以外の方法での音楽の享受方法をどんどん制限する傾向にあるように感じられます。「CDを買う」余裕のない人は音楽を聴くという文化的権利を剥奪されているのではないかと疑問に思ってから2年ほど経ちますが、まだ自分自身結論は出ていません。
 そんなわけで『「CDを買う」以外の方法』はなんであれ検討に値すると思っています。
 昔はNHK-FMでLPをまるごと放送してたりしたなと。

 生活保護受給者の子供は高校進学も許されない、というような判断をする役人がいる国の「健康で文化的な最低限度の生活」のレベルはかなり低いです。
 もっとも憲法第二十五条と生活保護はちょっと直接はリンクしないですね。

> 果たして、ナップスターの利用に始まった、日本での、さらには、世界の一般の方たちの、「生活」権は、一部著作権者の既得権擁護によって、制限されるべき事でしょうか。

 考え方の方向は良いのですが、論拠が生活権では弱いです。著作権の意味を根底から変えるとか、言論・表現の自由とか、著作隣接権の不当な拡大の制限とか、女・子供相手の商売における著作権の制限とかから攻めた方がまだ展望がありそうです。

2000.09.24

To: Satoshi Ikeda
Subject: Re: 質問
Date: Wed, 27 Sep 2000 23:04:51 +0900

> SCSIのCD-Rを買う場合は、SCSIボードを買わなきゃならんのでしょうが、何を買えば
> よいんでしょう?
> ULTRA SCSIとか何ちゃらSCSIとかイロイロ種類があるみたいなんですが、
> 要は一番イイ奴買えば全部繋がるんですか?
> CD-Rを繋ぐだけならば、そもそもそんなにイイ奴じゃなくてもイイとかってのもあり
> ます?

 そもそもFireWireでなくSCSIである必然性は?
 イケダのG3ってFireWireあるよね? FireWireないポリタンクってないよな。
 イケダがG3を買った頃の状況とはだいぶ変わって、もう一般的にFireWireの
CD-R/RWドライブが売っている。
 ま、SCSIボードを買えばウチから持っていったZipを接続できるという
メリットはある。それだけ。
 あと、SCSIのCD-R/RW+SCSIボードの方がFireWireのCD-R/RWより安いことも
考えられる。迷うね。
 SCSIボードは、ま、たいがいなんでもいい。B'sCrewが付いてくる程度の製品
なら。

> 後ですね、内蔵HDを増設する場合、なんかそれだけ買ってくればどっかにポンと刺さ
> るんですか?
> で、(容量にもよるでしょうけど)HDって高いもんなんでしょうか?
> ビックカメラで見たんですが、よく分らんかったです。

 IDEのドライブ、デフォルトで2台つながるケーブルだったかどうか、ちょっと
不明。現内蔵ドライブと同じメーカならばたぶん純正のフォーマッタが使える。
 日経マック2000年5月号の「ハードディスク10倍増計画」の特集で詳しい。
あげるんで取りに来なさい。
 HDDは現在嘘みたいに安い(容量比で)。一番安い15000円〜20000円クラスでも
20GByteはあるんでないか。HDR向けは7200回転の速いやつにしよう。

> え〜、僕の新作「Don't Trust Under Thirty」は製作順調。
> でも完成はまだまだですね(来週までは20代だし)。
> ワープロも壊れてるし、プリンタもないので
> 「自由電子」のようにブラウザで見る歌詞カードをつける予定。
> 何にせよ、このままいくと「おばあちゃんのポタポタ焼き」式で
> 一枚一枚等倍速でCD焼くことになるんだろな……。
> とほほほほほ。

 「自由電子Plus」は2倍速でしかないんで、かなりちんたらであったことは
事実。
 先日おもちゃのタンバリンや鈴なんかをサンプリングした。

OSTRA / Takeshi Yoneki

Subject: Re: DQ7
Date: Tue, 03 Oct 2000 17:29:11 +0900

 まいちゃんが「風邪が完全に治るまで保育園にくるんじゃない」といわれちゃっ
たんで、明日から祝日あけまで遅い夏休みのワタシ。
 そんなわけで、外出もままならないことになるので、この冬の予定だった
DQ7を早々と導入。発売から1ヶ月で、しかも新品でドラクエを買うなんて、
初めて。あ、ドラモンは当日に買ったのか。

 テクノ子守唄「ネムネム(仮題)」の録音は順調にすすみ、あとはエスニッ
クな音色のガラガラをサンプリングしてあてはめるのみ。

 一応DQ7は尾野さんを追いこすことを目標にしておこう。
 DK64はやっと20%くらいかな? ボスは3匹倒した。

 メセサンオーで「ゲットバス」はなぜか1000円に値を戻していた。

OSTRA / Takeshi Yoneki

To: Satoru Asari
Subject: Re: Pro Tools FREE
Date: Fri, 06 Oct 2000 01:53:37 +0900

>  古くからハードディスクレコーディングの定番ソフトだった
> Pro Toolsの無料バージョンが出るようです。
>
> http://www.zdnet.co.jp/macwire/0010/05/n_protools.html
>
>  昔はこのソフト、まさにプロ用って感じでとても高かった
> のに…

 もちろん、公開されたら試してみたいと思う。
 ただ、オーディオ8CHは少ないねぇ。「ネムネム」程度でも20CH使ってる。
打楽器全部パラで録ってるし、あんまり考えずにCH増やせるからなんだけど。
 ま、本来8CHあったらやりたいことは大抵できるな。そういう環境に戻れるか
どうかは問題。

OSTRA / Takeshi Yoneki

To: Satoshi Ikeda
Subject: Re: まぁいちゃぁん ネェムネムゥ〜
Date: Sat, 07 Oct 2000 03:18:17 +0900

> 同時に米木さんはこれ以上音楽に「駆り立てられる」こともないだろなぁ、
> っていう面もあるわけですね。

 昔、名古屋の山縣って青年が主催してたカセット同人誌があって、
お互いに作品をカバーしあったりしたんだけど、大阪芸大の学生になって
しばらくしてから作った作品でどうやら「癒えちゃってる(C)TRAUMA」
状態になってしまって、音楽に対するモチベーションを無くしたと
言っていた、というか書いていた。「モチベーション」という言葉は
使ってなかったけど。オーケイ、ベイベー。

 ので、イケダの言うのはわかる。
 たいした作品ではなかったような記憶だが。15年ほど昔のハナシ。

> もうどこを聞いても「OSTRA」印。文句あっかっつぅぐらいの完成形。

 やりたいこととできることがたぶん初めて一致したのかもしれない。
そういう意味では完成形なんだろうがね。
 で、やりたいこととできることが一致してしまったら、実験は終了。
その後応用をするかどうかはその人しだい。私は、まあ、ボチボチってとこ。
 平沢進は「いくらでも作曲できます、なんならいまここで作りましょうか?」
と豪語してる。彼の音楽活動にもはやモチベーションは必要ない。

> 先にあるのは「ネムネム」か(笑)。

 シンセサイザ3音しか使ってなくて、まともな楽器とはいえないものを
多用したせいか、なんか気分は一番最初のテープを作ったときの雰囲気。
 でもこれは実験ではなく、やはり応用なんだよね。どんなのが出来上がる
かはだいたい読めるわけだから(最初の想定からはだいぶ変わった気もする
けど)。
 あ、これは作詞と作曲が同時という珍しい作品だった。単なる鼻歌ともいう。

> 三連休最終日(月曜日)の15:00位にでも
> 日経MACを取りにいきます。
> よろしく〜。

 了解。

OSTRA / Takeshi Yoneki

 aRtsというオープンソースのソフトウエアシンセサイザがある(http://www.arts-project.org/)。モジュール型のアナログシンセサイザをシミュレートしたものだ。
 元の名前がKSynthで、KDEの一部をなすような名前だが、関連はよくわからない。動作にはKDE環境が最適とある。

 自作PCをパッチ式のアナログシンセサイザにしようかと唐突に思い立った。CQ出版社のインターフェース誌に紹介されていて興味をそそられたというのが真相。
 開発環境はSuSEとある。やはりシンセといえばドイツ。ドイツで最も普及しているLinuxディストリビューションだ。
 必要な環境として以下が挙げられている。

Linux 2.0.30
Qt 1.32
KDE 1.0
mico 2.2.3, 2.2.7 or 2.3.0

 このうちmicoが聞き慣れないが、CORBAのオープンソースでの実装だそうだ。なんでシンセがCORBAなの? ってのはあるが、シンセのモジュールをCORBAのオブジェクトにでもしてるんだろうか?

 自作PCにはVineLinux 2.0が入れてあり、とりあえずaRtsのコンパイルだけでもできるかなと作業を始めたが、そもそもconfigureがエラー終了してしまった。config.guessがなんの文字列も返していないのが変だ。
 config.guess(シェルスクリプト)を調べると、これがマシン環境を得るためのプログラムとわかる。その中でCのソースをテンポラリに出力してコンパイルをかけて動作させて調べる部分があり、その際にfeatures.hをインクルードしているのだが、なぜか自作PCのVineLinux 2.0にはそんなヘッダはないのであった。サーバ機のSlackware 3.5.0にはあるし、config.guessは正しい出力をする。

 そもそも変に日本語に特化してしまってるVineLinuxに嫌気がさしていたので、これを機会にSlackware 7.0を入れることにした。もちろんKDEにするし、手を入れるのが前提の(Slackwareは構成がBSD系に近く、System V系に近いRedHatやDebianに比べ単純)ディストリビューションなので、aRtsを動かしやすいだろうと考えている。いや、まだそこに到っていないが。
 Slackware 7.0のインストールの覚え書き。
 /dev/mouseは相変わらずシリアルにつながっているので、/dev/psauxにつなげる。
 XF86ConfigにてマウスはProtocol "PS/2"にして、ChordMiddleは無効にしておく。真ん中ボタンは勝手に有効に解釈される。Protocol "PS/2"にしないとマウスが正しく動作できなかった。
 README.NVIDIAによると、24 bppモードはないので、32 bppモードを使うのだろうが、まだ8 bppしか試してない。
 SoundBlaster AWE64のHowToが翻訳されていると知る。
 昨日見つけたはずのIwaiさんのページ(AWE Sound Driver Extension)が見つからない。他の文献からのリンクは全部切れている。これだからガクセイは。
 見つけた見つけた、http://opensource.creative.com/links.htmlからたどれる。現在のIwaiさんのサイトはhttp://members.tripod.de/iwai/にある(これもドイツだ)。u-tokyo.ac.jpではない。それにしてもCREATIVEのオモテ玄関からはopensourceというカテゴリには全くリンクがない。「Open Source」で検索しても出してくれない。また嫌い度が上がった。

 続く。

2000.10.13

To: Satomi Yoneki
Subject: Re: ナンバー
Date: Fri, 13 Oct 2000 13:48:37 +0900

> ところで、リルガミン買っておく?
> 「狂王の〜〜」とか3つステージがあるやつで、
> PSか何かで持ってるはずだけど。

 Windows版のリルサガはマウスの使用を前提とする、Wizardryにあるまじき
仕様で、ようはUIがなってない製品。
 リルサガってのは初期の3作を最近のマシンに移植したもので、PS、SS、
Windowsの3種類あり、ウチにはPS版がある。これはCVGSでも動作する。
 そういう意味で初期3作はPS、FC、SFCで遊んでおり、今年中にはGBでもでる。
とりあえず良い移植ならまだしもダメな移植は買わないように(^^)。

 初期3作のアレンジされたGB版は今年中に発売の予定。

Takeshi Yoneki

To: Satomi Yoneki
Subject: Re: ナンバー
Date: Fri, 13 Oct 2000 14:24:51 +0900

> パッケージには、マウス対応だけどキーボード操作もできるよんって
> 書いてあったと思うけど...。

 いらないってば(^^)。
 P3 450MHz + バンジーでも重くて重くてという書き込みもある。

Takeshi Yoneki

 PCをアナログシンセサイザシミュレータにしようの続き。

 Freeでアナログシンセサイザのシミュレートをするソフトが配布されている。名前はaRts。ただしまだまだ開発途上なので自力でmakeする必要がある。
 前提として、カーネルを最適化するので、RedHat系ではなくSlackware 7.0(LinuxJaapan 2000年2月号)をベースにする。使わないsendmailやTeXはインストールしない。KDEは必須なのでインストールする。カーネルやソフトをコンパイルするのでデベロップ環境も必須。

 最初はまず、サウンドカードをきちんとLinuxで設定する必要がある。
 SoundBlaster AWE64はPlug and PlayのISAカードだ。普通にカーネル構築時に設定しても、ちょっと環境が変動するともうIRQ番号やDMAチャンネルが変わってしまって音が出なくなる。これを解決するのがisapnpというコマンドで、以下のドキュメントに詳しい。
「Linux と SoundBlaster AWE64 PnP (mini HOWTO)」http://www.linux.or.jp/JF/JFdocs/SoundBlaster-AWE64.html
「Sound Blaster AWE 32/64 HOWTO」http://www.linux.or.jp/JF/JFdocs/Soundblaster-AWE.html
 SoundBlasterのドライバをモジュールとしてmakeし、isapnpでボードの設定をした後にドライバをロードするという手順がアイディアの概要。
 あと、AWE64のEMU-8000シンセサイザの機能を有効にする方法が述べられているが、Slackware 7.0にはIwaiさんのawe_wave.c 0.4.3が入っている。カーネル構築時にAWEもモジュールとして指定すると良い。わけあって自動ロードをしない場合は modprobe awe_wave をrc.modulesに書く。SoundBlasterドライバのロード直後で良いだろう。
 私はAWE64のドライバインストールで手間取ったが、isapnp.confに記載すべき情報が足りなかったのが原因。IwaiさんのページのFAQにその問題が取り上げられている。
「SB AWE32/64 Sound Driver for Linux / FreeBSD」http://members.tripod.de/iwai/awedrv.html
 もっとも、EMU-8000機能とアナログシンセサイザシミュレータは無関係なのだが。
 ドライバがインストールされたかどうかは /dev/sndstat をcatすれば確認できる。
 あと、なぜか/dev/dspのパーミッションが「rootしか音を出せない」状態だったので、これはchmodする必要がある。Slackwareの問題?

 すでにボードの設定とX-Window(Diamond Viper V550は32 bppモードで無事動作)、KDEの設定が終わっているとして、次はソフトウエア。
 http://www.arts-project.org/ からソースを持ってきて /usr/local/src/ に展開する。ドキュメントを読むとmicoが必要とわかるので、http://www.mico.org/ から持ってくる。
 CORBAのOpenSourceな実装であるmicoの ./configure はパラメタに --disable-mini-stl を忘れないように。かなり大きいのであまり何度もmakeはしたくない。makeしてmake installである。
 これでaRtsの ./configure がエラー終了しなくなる。もちろんSlackware 7.0ではconfig.guessが不可解な動作をすることもない。Pentium IIはi686と解釈される。
 aRtsをmake、make installしたら、次はシーケンサのBrahms(http://lienhard.desy.de/mackag/homepages/jan/Brahms/)のインストールだ。http://arts.linuxave.net/download/ から持ってくるのがスジ?
 Brahmsは最初KooBaseという非常にパチくさい名前だったそうだが、ようはCUBASEが目標なのであろう。GIMPとPhotoshopのような関係か?
 Brahmsもmake、make installして、KDEの再起動をすると、aRtsとBrahmsを動作させることができる。これでシーケンサ付きアナログシンセサイザを手に入れたことになる。発音することは確認。
 次は運用のハナシかな。KORG MS2000やRoland JP-8000を使った方が楽だし音が良いし安定してるし、なによりPCより安いってのはのはおいとくとして、設計思想から自由度だけは高そう(実際は音を作ってみないとなんともいえないが)。

 続く。

2000.10.16

 PCをアナログシンセサイザシミュレータにしようの続きの続き。

 PCのSoundBlasterのジョイスティックポートに専用のMIDIアダプタを接続して気がついた。端子の先がオスなのである。これではMIDIケーブルを接続できない。普通、MIDI機器側はメスだろうが、まったく電子楽器の常識がないんだからサCREATIVEのやつらは。
 しょうがないのでHDRマシンであるPM8500のMIDI OUTにSoundBlasterのMIDI INを直接つなげた。本来ならMIDIケーブルを介したいところだ。
 PCでaRtsとBrahmsを起動。BrahmsでaRtsの音を演奏できるところまでは良かった。PM8500のCUBASEで送信するMIDIデータをaRtsが受けとっている気配がない。デフォルトでは外部からのMIDI情報は受けとらないようだ。しかし、aRtsにもBrahmsにも設定が見つからない。マックOMSみたいな仕組みがあるのだろうか?
 cat /dev/midi | od とするとPM8500のCUBASEからのMIDIデータが/dev/midiまでやってきていることがわかる。なんというか、UNIXなんだね、MIDIまで標準的なデバイスとして扱おうとしている。

 aRtsのマニュアルに記載されている「The MidiBus standard」がどうやらマックのOMSみたいな仕組みだった。midisendというコマンドを常駐させると、デフォルトで/dev/midiの入力をソフト的なMIDIのBusであるMidiBusに乗せてくれるとある。お、鳴った、あれぇ1音だけぇ?
 なぜか1音しか鳴らない。midisend -v とすると最初にノートオンが表示されるが以降ノートオフしか表示されない。何かがおかしい。
 midisend.ccに手を入れて、ノートオンとノートオフ以外のデータも表示するようにしたところ、大量に0xF?が出力された。0xF?ってなんだっけ?
 夜中に物置と化した書庫部屋にて大昔に買った「MIDI Book」を探す。0xF?はシステムエクスクルーシブなのだが、量から考えてタイミングクロックではないかと思う。
 CUBASE側でMIDIクロックと一応MIDIタイムコードを出力しないように設定を変えると(通常PM8500はHDRのマスター機として使っているのでタイミングデータを出力するように設定してある)、やっとノートオンも正常なタイミングと数が確認できた。もちろんaRtsからも音がでるようになった。

 ということはだ、Linuxのデバイスドライバがタコで、MIDIクロックがあると処理が間に合わなくてノートオンが捨てられるのか、そもそもSoundBlasterのMPU401互換機能が腐っているかのどちらかだ。WindowsやBeOSでどう動くか調べて結論をだそう。

 音そのものは予想よりかなり良い。同時に起動しているソフトが画面の更新等負荷の高い処理をすると「ブツッ」っと変な音が入るのはご愛敬。

 続く。

2000.10.17

 PCをアナログシンセサイザシミュレータにしようの続きの続きの続き。

 さて、Windows95においてMIDI入力で楽器を演奏する方法は、デフォルトでは存在しない。コンパネのマルチメディアのMIDIに「MIDI出力」はあるが「MIDI入力」はない。どうもWindowsにはマックのOMSのようなソフト的なMIDIパッチベイの共通基盤が存在しないようだ。
 そこで、ふみぃさんのCherry1.4.3をインストール。これはFreeのMIDIシーケンサだ。ここでMIDI入力を設定すれば、少なくともこのソフト上ではMIDI入力ができ、それを内蔵音源に割り振ることができる。
 そして、PM8500のCUBASEからMIDIクロックとMIDIタイムコード付きでデータを送信したところ、なにげなく音がでてきた。全然問題ない。
 というわけで、問題はLinuxにおけるMIDIの実装にあるとの結論を得ることができた。MIDI実装のどのあたりのレイヤで処理が重くなってしまうのかわからないが、そもそもLinuxはリアルタイム処理には向かないOSであるとはいえる。

 SoundBlaster AWE64のEMU-8000シンセサイザの音を、そうと知って初めて聴いてみたが、非常にまじめな良い音色だった。GMはデファクト標準であるRolandのSC-55/88系の音色の雰囲気にかなり近づけてある。きちんと音作りをすればかなり面白そうだ。
 ただし、所詮PCのサウンドボードなので、ノイズは多い。AWE64 Goldでどの程度改善されるのか不明だが、最終的にPCをきちんと楽器として使うなら、S/PDIF出力を持ったものを用意しなくてはいけない。NOVACのボードが44KHzをサポートしててかつLinuxやBeOSのドライバがあって魅力的だが、EMU-8000はあきらめなくてはいけない。いや、まぁ、たぶん私がバリバリEMU-8000を使うってのは想像できないが。
 そういえば、EMU-8000の出力だけS/PDIF出力にする改造ができるという情報があったな。

 続く。かな?

2000.10.18

 PCをアナログシンセサイザシミュレータにしようの続きの続きの続きの続き。

 試験的にとはいえ、HDRでの録音にノイズだらけのSoundBlasterの出力を使いたくないのは人情。無音状態でアンプのボリュームを上げると、悲しいくらいマシンのノイズが載っている。
 「今日の必ずトクする一言」(http://www.bekkoame.ne.jp/~jh6bha/higawari.html)にISAのSoundBlasterのノイズを軽減する方法が述べられてはいるが、自分でコンデンサ買って改造なんてことする義理もない。腕もない。
 気になってたNOVACのReMix2000の正体を知るべくいろいろ調査すると、「ワイドネットワーク」(http://www.tk1.speed.co.jp/widenet/Menu.htm)というページにぶちあたった。ReMix2000はC-MediaのCMI8738というチップを搭載したサウンドカードなのだが、同じチップを搭載したサウンドカードがずらりと評価されていた。
 CMI8738搭載カードは、たいがい2000円程度で販売されており、通常は同軸(COAX)のS/PDIF出力が付いている。ReMix2000も基本は同じだが、光(OPT)のS/PDIF出力だという点のみが特徴。ReMix2000は実売5000円程度。私は同軸の出力が欲しいのだから迷うことなく安物のCMI8738搭載カードを選ぶべきなのであった。同軸が光になっただけで2.5倍の値段ってとこが変な商売。
 お店ではYAMAHA YMF754を搭載したカードがデジタルI/O付きの高級品として賑わっているが、YMF7?4シリーズはサンプリングレートコンバータを使うので44KHzでのI/Oは音質が劣化するという欠点があるともわかった。

 秋葉原メッセサンオー(OverTop)で買ってきたのはZoltrix社のNightingaleという怪しいカード。CMI8738搭載との店員さんの書きなぐりがなければ手に取らないだろなぁ。もちろん同軸のS/PDIF出力が付いている。この製品はOptical Upgrade Kit(ボード上のS/PDIFピンにIN/OUTの光端子を追加するブラケット)と組みで3800円だった。ReMix2000にIN/OUTの光端子を追加したセットは7000円くらいである。2倍近い。IN/OUTの光端子が必要なければAUDIOEXCEL AV511がDOD/Vパラダイスで2000円。T-ZONEと潰れかけたTwoTopにCMI8738搭載ボードは置いてない。
 本当は同軸のブラケットがあれば最高だったのだが、そんなものを探している暇はない。当面は使わないが今後S/PDIF機器は光端子が増えるという前提で考えている。いや、まぁ、楽器関係は同軸が主流だから、どうしても欲しくなったら光・同軸コンバータを買えば良い。サウンドカードより高いけど。
 半年以上前かな、いろんなお店で「MD MATE」という「MDにデジタル出力」を売りにした製品を見掛けたが、CMI8738搭載カード+光端子のS/PDIFブラケットというのが正体だった。10000円位だったと思う。

 こうなると、マック(KORG 1212I/O)の役割をある程度PCに持ってくることができるわけで、モニタリングやら遅延の問題やらいろいろあるのだろうが、なんとも複雑な心境。光端子でのINを使うとなるとDATをA/Dコンバータとして使うか、別にA/Dコンバータを用意するかしなくてはいけないが。
 ちゃんとした録音環境をPCに構築するとなると、最近各社からでてきた安価なUSBデジタルミキサーを導入するのが一番楽なんだろうけどね(安価といっても5〜10万円)。
 PCにKORG 1212I/Oを入れればいいって? そりゃそうだが、1212I/OってばLinuxやBeOSでは動かないのであった。「ちゃんとした録音環境」はLinuxやBeOSではそもそも構築できないけど。

 そんなわけで、さようならSoundBlaster AWE64、さようならEMU-8000。
 ともかく、LinuxやBeOS向けのドライバがあるってのがCMI8738の強み。

2000.10.19

 PCをアナログシンセサイザシミュレータにしようの続きの続きの続きの続きの続き。

 セットアップに手間取った。
 謎のボードNightingale(http://www.zoltrix.com/はなぜかつながらない)のOptical Upgrade Kilのディップスイッチの形状がそもそもマニュアルと違っていた。ONとOFFの方向が逆なのだ。しかもマニュアルに記載されているディップスイッチ(の写真)は装着後に外からでもアクセスできる位置にあるが実際はボード上に上向きに実装されており、PCのケースを開けてしかもネジをハズしてボードを取り出さないとアクセスできない。困ったもんだ。
 SoundBlaster AWE64と交換して再起動するとWindows95がPlug & Play機能でボードを見つけ、ドライバを要求したので、素直にCDを入れてインストールした。設定用のアプリが必要なので再度ドライバも含めてインストールしたところ、マルチメディアコンパネでドライバが2重に見えている。あらららら。しかも案の定音が出ない。
 ドライバを一度削除して、再起同時に要求されるままCDを入れたものの、2重にあるのは解消しない。
 一度ドライバ削除後にセーフモードで起動、再び起動すると2重問題は解消した。
 でも音がでない。

 こういうときはシステムを単純化するのが先決。手始めに光端子のブラケットを取り外すといきなり音が出た。どうやらあのディップスイッチが怪しい。
 光入力を持つDATデッキと光出力を持つCDプレーヤーをPCの近くに引っ張り出し、接続を変えつつディップスイッチをいろいろ変え、ブラケットが付いた状態で音が出る設定を見つけ出す。信号を反転する設定になるのだが、説明書と実装が合っている保証はない。なんせ「信号の反転」がOFFであることと本体から音が出ないこととの関連はなんの説明もない。
 ともかく音が出た。Windowsで使う限り光I/Oも問題ない。非常に素直な音がやり取りされる。あんな安物デバイスでPCがマトモなオーディオ装置になってしまった。
 次はBeOSである。BeOSではドライバをインストールしたら素直に音が出た。現状のBeOSではS/PDIF出力などは期待しないのでこれでOK。問題はLinuxだ。

 CMI8738のLinux向けドライバの説明にはS/PDIFのI/Oに関する説明は何もなかった。当然のようにS/PDIFからは何も出力されなかった。困ったな、こんなはずでは。
 Infoseekにて「CMI8738 Linux」で検索をかけると、あったあった。公開されているドライバにたりない機能を追加するための情報があった(長野さん http://member.nifty.ne.jp/Breeze/)。情報は日記形式で書かれている。ドライバ初期化時に必要なポートへの出力をドライバソースに加え、再構築するとS/PDIFから出力された。ラッキー。
 さらに長野さんの日記を検索すると、自分でドライバソースに手を加えなくてもON/OFFを設定できるツールを公開しているとあった。cmictlである。これが欲しかったのだ。S/PDIF入力もできるようになるはずだが、まだ確認はしていない。

2000.10.20

 長野さんの日記にもあったが、サウンドボードのオマケMIDI I/F経由のMIDI I/Oの具合が悪い。そこでシリアルのMIDI I/Fを導入することにした。
 MIDI I/Fは、以前買って内容に失望して放置してあったAKAI SG01kである。こいつはいわゆるGM音源なので、MIDI I/Fとしても使える。
 Windows95向けはネットでRoland、YAMAHA、KAWAIの3種類のドライバが見つかった。この中で最も機能が低いであろうKAWAIのドライバをインストール(ドライバとINFファイルしか入ってないのが気に入った)。音がでなかった。
 夕食をとりながらSG01kのマニュアルを読んでいると、シリアルのケーブルがいわゆるリバースである必要があった気づいた。リバースしていないケーブルでつなげて音が出るわけない。ところがケーブルをリバースにしても音がでなかった。
 そういえばシリアルポート2つのうち1つBIOSで無効にしてたような...
 BIOSの設定で2つめのシリアルポートを有効にすると音が出た。

2000.10.21

To: Tomonokai
Subject: MacOS X PB Jp
Date: Mon, 23 Oct 2000 20:33:33 +0900

 先日の日曜日、家族総出で高島屋へ行ってきました。もちろん目当てはMac
OS X日本語版です。
 会社のG4マシンに入れて、自作Carbonアプリを起動してみましたが、どうに
もClassicとしてしか動作しない。
 そういうときは他のアプリを見るべし。ところがAppleのプロダクトはこと
ごとく.appのフォルダがアプリとされている。
 StuffIt ExpanderがどうやらCarbonアプリで、ResEditで開けました。

 'carb'というリソースがあって、それを張りつけたらGripGropのCarbon版が
Aquaで動きました。この'carb'ってのは聞いてないぞ。日本語のポーティング
ガイドには載ってない。

 まさかと本国のPorting Guideを見たら'carb'リソースの説明がありました。
最近、日本のアップルはドキュメント環境の改善に努力していると思ってたけ
ど、中途半端な状態でストップしてたのね。

 HUNDOSHI-EDITはコケました(^^;)。

OSTRA / Takeshi Yoneki

To: Kenji Hori
Subject: Re: 大爆笑
Date: Thu, 26 Oct 2000 11:53:05 +0900

> マイチャンネムネムゥ (^o^)

 2.5MByteもあるのに...会社でダウンロードすればOKか。
 ドラクエ7がなかなか進まない。TR4は無事終了。Dの食卓は中断中。
 アーマードコア2はまだ買ってない。評判良くて値が下がらない。

Takeshi Yoneki

 今年生まれた娘の顔を見て欲しかったのですが、久しぶりの連絡がこのような形となり残念です。和昭さんのご逝去を悼み、心よりお悔やみ申しあげます。

2000.10.27

 PCをアナログシンセサイザシミュレータにしようの続きの続きの続きの続きの続きの続き。

 ふと気がつくとaRtsから音がでていなかった。
 CMI8738のLinux向けドライバのcmpci-2.41、cmpci-3.21、cmpci-3.28のどのバージョンでも同じだった。cmpci-4.03ではそもそも音を出そうとするとフリーズした(取り替えるのに何度もカーネルの再構築をするのはかなりしんどい)。
 フリーズしないどのバージョンでもKDEのサウンド(Windowを最大化したらなんの音というアレ)は出力される。しかしaRtsでは出力されない。また、シーケンサのBrahms(Brahms-0.97.1.tar.gz)もマトモに動作しなくなっている。
 なんとか音を出そうといろいろ考えられることを実行してみたが、どうにもならなかった。

 結局想像するに、aRtsとBrahmsはOSSに強く依存しており、また、ソースの公開されているCMI8738のLinux向けドライバはOSSとの互換性がないのであろう。少なくともカーネル構築のメニューではC-MediaはOSSとは独立に記載されている。

 OSSとは商用のLinux向けサウンドドライバおよびその仕様で、Open Sound Systemの略。

 振り出しに戻ってしまった。当面CMI8738はWindowsでのS/PDIFの入出力に使うとして、LinuxではSoundBlaster AWE64を使うことになる。サウンドボードの2枚差しだ。ISAのSoundBlaster系とPCIのCMI8738系は2枚差しの定番とされており、比較的手軽にPCにデジタル音声の入出力を加える手段として知られている。

 こんにちはアゲインSoundBlaster AWE64。
 LinuxのサウンドドライバをSoundBlasterに戻すとaRtsもBrahmsも再び元気に動き出した。
 SoundBlasterのLine出力を直接KORG 1212I/Oのアナログ入力に突っ込んで音を聴く。マシンノイズはあるが、まあ、面白ければオーケィ。ヘッドホンで真面目に聴くとaRtsの音はなんともデジタルくさい変な部分があると気づく。まあ、面白ければオーケィ。

 LinuxでのシリアルMIDIだが、uart16550_midiというOSS向けドライバを入れたが、どう設定すれば正しくMIDIデータを受信できるか今のところわかっていない。変なデータは受け取れたんだが、シリアルスピードでも合ってないんだろうか。

 OSSのサイトを見るとCMI8738も対応しているように記載されている。期間限定おためし版ってのがあるようだ。Slackwareで動くのかどうか知らないが、試してみよう。

2000.10.28

 PCをアナログシンセサイザシミュレータにしようの続きの続きの続きの続きの続きの続きの続き。

 結論からいえば、OSSは動かなかった。正確にいえばOSSはSlackwareにインストールさせて貰えなかった。そもそもSystem Vベースのディレクトリ構成を要求する。SlackwareはBSD系なのである。
 商用OSSはソースがあるわけでもないし、インストーラでさえバイナリの実行モジュールのみである。これ以上の追及は不可能。OSSのどこがどうオープンなのか不明。

2000.10.29

To: Yusuke Yamanaka
Subject: Re: めたりっく
Date: Mon, 30 Oct 2000 17:30:10 +0900

> 条件としては、めたりっく通信が最も要望にあってるんですが
> 電話として使わないにも係わらず、NTTに回線使用料を別途
> 2,600円も払わなきゃならないなんて腑に落ちません(怒!)
>
> ケーブルテレビはISPとしての機能が貧弱過ぎて×かも。
>
> 結局、面倒になってきたので案1になりそうな気配なんですが・・・
> 米木さんちってISDNでしたっけ?その後、調子はどうですか?

 調べあげてるね、選択肢が多いってのはいいことだ。
 xDSL云々で最近公正取引委員会がNTTに踏み込んだのは、皆が思ってた「やっ
ぱりね」を裏づけた格好。NTTは日本の通信環境の牽引役として自他ともに認
められてきたはずなんだが、こんなに具体的に邪魔だてしてたのは結局、お役
所だからか?

 とはいえ我が家ではケーブルとxDSLは対象外。ISDN以外に選択肢はない。
フレッツISDNがよく止まるのは報道の通り。郵政省が立ち入り検査するそうな。
邪魔したあげく自分で満足にサービスを提供できないとは、マジに腐ってるね。

 とはいえ、あまり気にせずにブラウジングできるってのは精神衛生上良いよ。

Takeshi Yoneki

To: Satomi Yoneki
Subject: Re: Navigation Service
Date: Tue, 07 Nov 2000 16:05:06 +0900

> 褌の保存ダイアログで、デフォルトのファイル名を消して(ここで保存ボタン
> がディムになる)から日本語IMでファイル名を入力すると、それだけでは保存
> ボタンが有効にならないです。EGBridgeでもことえりでも。
>
> Navigationの問題? あたちのはMac OS 8.6Jだぴょん。
> それともおうちバージョンだと解決する? 会社で使ってるのは2.5.3。

 MacOS 9.0.4だと日本語を1文字入れたらEnableになるから、Navigationの問
題だろうな、褌はそんなとこまで制御してない/できない。

Takeshi Yoneki

 PCをアナログシンセサイザ云々。

 以前、VineLinux 2.0でaRtsがMakeできなかったわけだが、どう考えてもおかしいので、「普通に」VineLinuxをインストールしてみようと考えた。SoundBrasterは抜いてCMI8738オンリーにする。
 案の定mico、aRts、Brahmsのどれも問題なくconfigureもmakeも通る。まさしく入れ方の問題だったわけだ。
 OSSのインストールも、conf.modulesにalias sound offを書く必要があるなど多少手間取ったが、できた。音も鳴る。
 ところがである、OSSのCMI8738向けドライバにとんでもない問題があった。MIDI入力をすると「IRQ18に割込みがあったのでコンフリクトを解消しなさい」と英語でメッセージを出してマシンをHLTするのである。馬鹿ドライバ。IRQ18はCMI8738のIRQだ。MIDI INに信号があったら割込みが発生するに決まってる。
 OSSはソースが公開されているわけではないのでこれ以上の追求はできない。
 再度SoundBrasterを差し、OSSで両方のドライバを有効にしてSoundBraster側のMIDI入力を使おうと思ったものの、どうもデバイスを2つ使うとCMI8738向けドライバ側のMIDIしか有効にならない。釈然としない仕様だが、あきらめるしかなかった。
 時間の無駄であった。商用OSSの使えなさ加減がわかっただけでも意義はあろうが。

 次のアイディアはSlackwareに戻して、SoundBraster向けOSS/Free(カーネルソースに付属)を有効にしてCMI8738ドライバも入れ、/dev/dspをすり替えるのである。
 Slackwareはデフォルトでは/dev/dspと/dev/dsp1がある。両方ともキャラクタデバイスであり、リンク(エイリアス)ではない。そこで/dev/dspを/dev/dsp0に名前を変えて、/dev/dsp1を/dev/dspにリンクした。これで/dev/dspへ出力された信号は/dev/dsp1に行く。
 KDEのサウンドは鳴るのだがなぜかaRtsの音はでない。実際にCMI8738ドライバの呼び出しがあるのかと、ソースにprintkを入れたのだが、呼び出しはされているようだ。とにかくなぜか音が出ない。
 CMI8738ドライバのバージョンを変えてみようと思い、3.28にするとKDEサウンド発音時にフリーズした。Linux全体を殺す最低のコケ方。以前4.03で遭遇したフリーズと同じだ。aRts以前の問題である。

 で、3.21を入れたところKDEサウンドでコケることはなくなった。それどころかaRtsで音がでるのである。長野さんのcmictl(gcmictl)でS/PDIFを有効にするときっちりデジタルに音が送られてきた。ラッキー。SoundBrasterのMIDI入力をmidisend(aRtsに付属のコマンド)するとaRtsがきっちり発音した。
 まさかなぁとSoundBraster、すなわちOSS/Freeドライバはなしにして、/dev/dspのすり替えなどという姑息なことはせずCMI8738ドライバだけで素直に動作させ、CMI8738へのMIDI入力をmidisendでaRtsに送ると音が出た。あれぇぇ? 前回は出なかったんじゃなかったか。
 前に試験した時はBrahmsが動けなくて、音を出す手段がなくなっていたのであきらめてしまっていたのだ。なぁんだ、3.21ならば音がでるんだ。もちろんOSS/Freeがないせいか、Brahmsはきちんと動作しない。aRtsはOSSに依存していないがBrahmsは依存しているのである。偉いぞaRts。

 CMI8738ドライバ3.21はC-Mediaのサイトには置いてなく、NOVACのサイトに置いてある。NOVACがCMI8738ドライバのバージョンを上げず3.21に止めたままなのは理由があったということなのだろうか? 偶然だとは思うがなんとも不明。ようはNOVACのサイトに置いてあるバージョンのドライバでなければきちんと動かないのである。「動かない」の主語はなんだろう。「Nightingale」だろうか、「CMI8738搭載サウンドカード」だろうか。CMI8738はマザーにオンボードのサウンドサポートに使われることも多い(S/PDIF端子なしというもったいないオバケが出そうな実装が多いと聞く)。

 次はCMI8738ドライバ3.21と3.28の違いを比較し音が出ないまたはフリーズする原因を追求しなくてはいけない。あとはシリアルMIDI I/Fがきちんと動作できるように仕立てる必要もある。まあもう録音に使うには十分なセッティングにはなったのではあるが。

 いつ音楽が始まる?

2000.11.16

 PCをアナログシンセ云々。

 そうこうするうちにKDE 2.0にはaRtsがデフォルトで入っているそうで、しかもmicoではないオブジェクトアーキテクチャを使ったそうで、実行効率が良いとの主張。
 ともかく実際に音を作ってみるべくチュートリアルをやってみた。
 困った。ひたすら落ちる。ちょっとパラメタを間違えただけで死ぬ。しかもドキュメントがイマイチ詳しくない。音がでないだけならまだしも死ぬのはキビしい。KDEサウンドを鳴らすなどしてサウンドチップを正常な状態にしてaRtsを起動し直すだけなんだが、試行錯誤の手間が大変。
 ワープのエネミーゼロはやったことないけど、こんな感じなんだろか。

 別プロダクトのアナログシンセエミュレータのSpiralSynth(http://www.blueammonite.f9.co.uk/SpiralSynth/index.html)も導入してみた。
 makeの前にconfigureでfltk云々と怒られるが、fltkはインストール済みだ。configureのエラー箇所を見ると -lfltk だけでなく -lGL もある。ドキュメントに「OpenGLが必要かも」とあった。なんでOpenGL?
 とりあえずconfigureとMakefileから -lGL を削除して./configureとmake。通った。
 SpiralSynthはすんなり動いた。波形がビヨビヨして楽しい。

 aRtsはいまだMIDI入力で死なない設定にできない。

2000.11.20

To: Tomonokai
Subject: Re: 友の会忘年会
Date: Wed, 22 Nov 2000 23:40:55 +0900

 毎度ご苦労さんです。
 忘年会1名参加します。

 リアル褌はおいといて、OS Xで128x128のアイコンを有効にする方法って
ID=-16455の'icns'リソースを用意して、カスタムアイコンビットを立てるって
ベタなやり方が正式なのかな?
 これだとドキュメントのアイコンが用意できないけど、変だなぁ。

 IconComposerの出力(.icns)をRez向けの.rファイルにコンバートするプログラム
書いちまったい。素直にリソースへの出力もしてほしいなぁ。

OSTRA / Takeshi Yoneki

 PCをアナログシンセ云々。

 aRtsだけの問題でなく、CMI8738ドライバのせいで死ぬことも多いし、そもそもaRtsをストップさせると次回動作時に音が出ないことが多いので、当面はSoundBraster AWE64を使うことにした。さすがに超メジャーボード、変な動きはグンと減った。音がでなくなる問題はなくなった。

 なんとかaRtsを動かせるようになってきたが、仕様を知るにつけあまりのタコさ加減にうんざりすることしばし。タコな仕様をあげる。
 MIDIノートを受けとるモジュールを含むストラクチャを実行させるとコケる。
 コケるのでMIDIルータとMIDIノートモジュールは別ストラクチャにしなくてはいけない。
 音色を一覧するモジュールに一覧させるにはinstrument_xxxなどのようにネーミングしなくてはならず、一覧にはxxxだけが表示される。xxxというネーミングでは一覧されない。
 音色を組み立てるストラクチャにはツマミなどのGUIモジュールを配置できない。
 そんなわけで現実に音を出すには「MIDIルータを含むストラクチャ」と「GUI操作するストラクチャ」と「MIDIノートを受けて音色を組み立てるストラクチャ」の3つを用意しなくてはいけない。しかもGUIストラクチャはinstrument_xxx_GUIというネーミングルールがある。

 これでまともな音がでるならまだしも、どうもホワイトにせよピンクにせよノイズを発生させる方法がない。ランダム数値モジュールがないのである。
 また、エンベロープを音量でなくフィルタの周波数に噛ませたが、まともに動作しない。エンベロープのスロープ(0〜1)に例えば8000を掛けて周波数のレンジに変換して(8000は8KHzを意味する)フィルタに与えてみたが、どうにも分解能が周波数向きではないようだ。
 いまのところ気づいたのはこの2点だが、これが何を意味するかというと、まずノイズがないと多くのパーカッションを表現できない。いわゆるジェット音やヘリ音も表現できない。実はフィルタの方がより致命的で、ブラスが表現できない。より一般的にいえばフォルマント表現ができないことになるので、ドラムもヒューマンボイスも表現できない。

 こうなるとむしろaRtsでは何が表現できるんだとなる。aRtsで表現できるのは単純減衰音のハープシーコードや音色変化のないオルガンや、アナログシンセのプリセットによくあるストリングスという音色程度だけなのである。aRtsの自由度は昔のKORG DELTA(ストリングシンセなどと言ってたな)程度であり、かなり低い。いや、エンベロープの分解能から考えるとKORG DELTA以下もいいところ。不自然な音色はあらゆる面での分解能の低さが原因であろう。

 SpiralSynthの方が多彩な音色を表現できる可能性が高い。aRtsの自由度はこけおどしであった。

2000.12.05

 PCをアナログシンセ云々。

 Linuxにこだわるつもりはないので、Windows向けのソフトシンセを物色。SOUNDFORUM SYNTHESIZER(http://www.nativeinstruments.com/english/2_products/7_soundforum/soundforum.html)をみつける。かなりクオリティが高い。レゾナンスもフィルターも効く効く。こうでなくっちゃ。Native InstrumentsはVST2プラグインのソフトシンセであるPRO-52を出荷しているメーカだ。どういった経緯でFreewareなのかわからないが(独KEYBOARDS誌のワークショップ向けとあるが意味不明)ありがたく使わせて貰おう。Macintosh版もあるのでイケダでもヤマナカでも安心。
 問題はちょっと無視できないくらい発音が遅れること。これは一度HDRに録音してから全体をずらすという情けない対応が必要。
 SpiralSynthをCMI8738で使ったところ、なんとも発音が変だ。また、プログラムがメチャクチャ重くなる。SoundBrasterに変更すると問題ないので、ドライバの動きが違うのだろう。SpiralSynthをCMI8738で動かせれば良かったのだが、しかたがない。結局のところドライバがネックとなり、LinuxでソフトシンセのS/PDIF出力は得られないことになった。他にLinux向けソフトシンセあるのかな。どのみちCMI8738ドライバが今のままでは解決しない問題なんだろうけど。

2000.12.07

To: Satomi Yoneki
Subject: カレンダー
Date: Tue, 19 Dec 2000 14:29:00 +0900

 モリサワのカレンダー、中村さんに取られちゃった。
 今年のは日本の文字で、結構格好良かったのに。

Takeshi Yoneki

To: Tomonokai
Subject: Re: 提案/EXPOにあわせ
Date: Tue, 19 Dec 2000 16:17:14 +0900

> インタビューのセッティングやら何やらの手間に対して、読者支持率が低い
> ということで担当編集者がかなりやる気をなくしており、最近、休みがちにな
> り、ともすればこのままフェードアウトという可能性も大きくなってきました。

 あ、やっぱり?
 最近ないねという話題は先日の忘年会で出たような記憶が(曖昧)。

 上野俊哉のアムステルダム左翼訪問記よりはマシだと思ってたんだが;-p

 いま歯が痛くてあんまり考えられません(本日歯医者予約)。歯が痛くなく
てもアイデアはでないだろうとは思いますですはい。

 MacPower読者が何を読みたがっているか、という飯森さんが憤怒しそうなマー
ケティング主体な発想が必要のようですね。私は飯森さんじゃないのでOKです。

 少なくとも「私はソフト作者に関してこういうのが読んでみたい」という発
想は可能かなぁ。「私はソフト作者KURUMIさんの家の食生活を読んでみたい
(あるいは壁谷君のやせた理由)」と書くと単なるチャチャ?

 歯が痛いとロクなこと書かない。痛くなくても書かないか。

OSTRA / Takeshi Yoneki

To: K-ON
Subject: Re: 例の件
Date: Fri, 29 Dec 2000 02:24:13 +0900

 年末、十数年前に治療した歯が痛い。去年は右の奥歯。今年は左の奥歯。
計ったように次々と傷んでく。明日の治療でとりあえず小康状態になることを
望む。歯医者も年末年始は休むからねぇ。

 この年末、今の勤務先で2度目のマシンリプレース。一緒にリプレースの中村
さんはショップブランドでAthlon 1GHzマシンを注文。私は念願のDual Pentium
IIIマシンを自作。P3 800MHzの値段ってAthlon 1GHzと同じようなもんなのね
(22000円程度)。まぁ、私はCPUを2個使うから倍の値段だけど。

 公式ゲームは宮本茂プロデュースの隠れた名作にしてN64初期の佳作、
「ウエーブレース64」。これが長いこと値段が下がらなくて、ってことは
隠れてない名作か? 近所の中古屋でやっと安いのを発見。値付けを間違え
たんじゃないかと思う。
 ゲーム性は「F-ZERO X」や「1080°」と一緒。海が綺麗。
 え? 宮本茂が誰かって? 宮本センセ知らなきゃモグリだべ。
 ドンキーコング、マリオ、ゼルダの生みの親。

 ちょっと前、バンディクーのマリオカートやらチョコボのマリオカートという
「お前ら恥ずかしくないんかい」というゲームが濫発してたけど、この業界に
恥はないらしく、今年はバンディクーのマリオパーティやソニックのマリオ
パーティやボンバーマンのマリオパーティが出た。
 一応超老舗のナムコとコナミがいないことが救いか?

 あ、あとドリキャス初期の佳作「ゲットバス」も公式ゲームね。

 この年末、セガのゲーム3本ほど買う予定。プレステ2のソフト買ってないなぁ。

OSTRA / Takeshi Yoneki

「ホーム」へ戻る
「読まなくてもいいよ29」
OSTRACISM CO.
OSTRA / Takeshi Yoneki