「理数生物」授業日誌 4月

9日(水)授業
イントロダクション
「科学における3つの疑問」

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科学は「何が」(What),「いかに」(How)と「なぜ」(Why)の3つの疑問を明らかにしようとする営みです。しかし3つめの「なぜ」という疑問は生物学に特有の疑問です。・・・」(マイア,1998より)つまりダイアモンドが美しいと思うのは人の勝手で「なぜ美しいのか」は科学の対象ではありません。しかし,花はなぜきれいなのかと言う理由は生物学の対象になります。

「授業ではいくつもの?を持つこと。そうすればたくさんの!に出会えます。」(B)

10日(木)授業
生物って何?
「生物学の守備範囲」

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生物とは「自己複製機械」といわれます。自分の体を維持するために「代謝」と呼ばれる化学反応でエネルギーを生み出し消費します。そして,命はいつしか尽きても「生殖」によって自分のコピーを世の中に残します。


「生物とは?」(B) 「生きているもの」(生徒たち)

11日(金)実習
「レーウェンフックの顕微鏡を作ろう」

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顕微鏡の発見とその改良は生物学の発展を支えてきました。ビーズ玉とペットボトルを使って,最初の顕微鏡を再現しました。中学校の時に使った顕微鏡とどっちがよく見えるかな?タマネギの細胞がはっきり見えました。

「KIRIN」のRのまん中にガラスビーズが埋め込まれています。サンプルはキャップの内側にセロテープでついてます。


この写真はこの顕微鏡でオオカナダモの細胞を観察したものです。


「生茶が良いみたい,ク−はだめ」(S教諭)

15日(火)授業
細胞の大きさ
「マイクロメートルってどのくらい?」

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細胞の大きさは大体10分の1ミリメートル以下です。ほとんど人の目では見ることの出来ない大きさです。便利な単位はマイクロメートルです。


「私の身長は1740000マイクロメートル」(B)

16日(水)観察


「顕微鏡に慣れよう」

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高校の顕微鏡にはピントをあわせるネジが二つもついています。これでピントはばっちり。もちろん生徒一人に一台,完璧に整備された顕微鏡が与えられます。中には照明装置,メカニカルステージ付きの当たりの人も。絞りを操作すると,染色液を使わなくても透明な核がタマネギの細胞の中にも見ることができました。


「ペットボトル顕微鏡よりよく見える」(生徒達)

左はスタンダード右は最新型

17日(木)授業
単細胞生物から多細胞生物へ
「単細胞はすばらしい」

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単細胞生物はたった一個の細胞の中に生きるためのすべての装置が備わっています。それに比べて我々多細胞生物は何と多くのよけいな装置が必要でしょう。

「単細胞をバカにしてはいけない」(B)

18日(金)観察


「単細胞生物を観察しよう」

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アメーバ,ゾウリムシ,ミドリゾウリムシ,ミドリムシを観察しました。アメーバが仮足をのばしえさを食べてました。ゾウリムシは動きが早いので秘密の薬品で足留め,ミドリムシには目の原点である眼点が見えました。
「このアメーバすごく整った形してます!」(K君)
「これは『ワムシ』」(B)

ミドリムシ(小)とミドリゾウリムシ(大)

ゾウリムシ

アメーバ

22日(火)授業
核のはたらき
「原核生物から真核生物へ」

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細胞には核があります。核には遺伝子の本体であるDNAがしまわれています。でも,核のない細胞しか持たない生物もいます。原核生物です。マーギュリースは原核細胞どうしが共生し,真核生物が誕生したという仮説を唱えました。多くの生物学者は,相手にもしなかったのですが・・・・。


「一つの学問に打ち込んだ人には,時として正しい仮説が天からふってくることがある。」(B)

23日(水)授業
細胞小器官
「ミトコンドリアはすばらしい」

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細胞の中では,核の他に様々な細胞小器官がそれぞれのはたらきをになっています。


「僕の手に葉緑体があれば,ひなたぼっこしていればお腹がいっぱいになるのに。」(B)

24日(木)観察
「髪の毛の太さはみんな違うか?」

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ミクロメーターの使い方を実習しました。さっそく自分の髪の毛の太さを計ってみました。


「オレ,どうやって髪の毛抜こう?」(野球部M君)

25日(金)観察


「オオカナダモの原形質流動速度をはかろう」

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前日に引き続きミクロメーターを使いました。原形質流動を観察し,その速度を測定。時速になおすとどれぐらい?流動している細胞がなかなか見つかりませんでした。

メトロノームで時間を計りました。

葉緑体がゆっくり動きます
「ユンケル入れといたからもっと動いても良いはずなのに」(実習教諭F先生)


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