4月13日(水) 授業 生物体の機能とタンパク質 |
1年ぶりの「理数生物」再開です。2年で学習した「理数物理」「理数化学」は,どうでしたか?生物選択14人と,少し寂しいですが,そのぶん中身の濃い授業をしていきましょう。 細胞は水,タンパク質,脂質,核酸,炭水化物,無機物を含みます。そのうちタンパク質は,構造を作り,酵素として働き,物質を運搬し,情報を伝え,運動し,栄養を蓄えるなど,さまざまな働きを担っています。どんなタンパク質が存在するかで,どんな生物が,どんな性質を持って,どう生きているかが決まるのです。 「なぜか懐かしい思いのする一時間でした。」(B) |
4月15日(金) 授業 生物体のタンパク質 |
タンパク質は,20種類のアミノ酸がペプチド結合によって連なってポリペプチドによって構成されています。アミノ酸は,炭素に,水素,アミノ基,カルボキシル基が結合した主鎖に,20のバリエーションがある側鎖がくっついています。 タンパク質は,どんなアミノ酸がどんな順でならんでいるかが1次構造,アミノ酸の部分的ならせんや折り返し構造といった2次構造,それらが立体的にどう配置されているかという3次構造,ポリペプチドのサブユニットが,立体的に配置された4次構造で,その性質が決定されます。 「天気が良いので,青空の下で授業という案は,却下」(B) |
4月18日(月) 授業 生物体のタンパク質 |
生物ではその体内でたくさんの化学反応が起き,それを代謝といいます。代謝は同化と異化にわけることができ,同化は無機物(低分子)を有機物(高分子)に変化させ,異化はその逆の反応です。同化にはエネルギーが必要で,異化ではエネルギーが放出されます。代謝に伴ってエネルギーが出入りすることをエネルギー代謝といいます。同化は,エネルギーを使ってからだを構成する物質を作る営み,異化は物質を分解して生きるためのエネルギーを得る営みと言い換えることができます。生きるためのエネルギーは,ATPという物質に化学エネルギーとして貯えられた後,これがさまざまな場面で使われるので,ATPはエネルギーの通貨と呼ばれています。 「ATPは元気の源ですが,食べてもそのままは吸収されません。」 |
4月20日(水) 授業 生体内の化学反応と酵素 |
生体触媒である酵素はタンパク質で,その立体構造によって形成される活性中心で,特異的に基質と結合します。ぴったりと結合できる基質だけがそこで反応し,生成物が離れていきます。そしてまた新たな基質が結合し反応・・・。とにかく特定の基質とだけ結合し反応を起こさせる。これを基質特異性と言います。もし基質とよくにた物質があると,間違って活性中心に結合したまま,反応もせず離れももしません。その結果,活性を持った酵素分子ははどんどん減っていくのです。このような酵素反応の阻害を競争的阻害と言います。 「授業の前に,スギナ(つくし)の胞子を見ました。息をかけると縮みすぐに広がりました。カワユイ!!」 |
4月22日(金) 授業 生体内の化学反応と酵素 |
酵素には,その活性が最も高くなる最適温度,最適pHがあります。普通化学反応は温度が高いほど激しく起きますが,酵素はタンパク質なので,温度が高いと変性してしまいます。そこで,ヒトの体温と同じぐらいの最もよく働く温度があります。おっと,ヒトの体温が,酵素活性の最適温度にあわせて一定に保たれているのでした。 「肌寒い一日でした。授業中あられも降りました。集中していた生徒達は気がつかなかったようですが」 |
4月25日(月) 授業 異化 |
酸素を必要としない腱気呼吸では,有機物が無機物にまで完全に分解されないので,取りだせるエネルギーはわずかです。しかし,酵母菌や乳酸菌はからだの造りが簡単なため,少しのエネルギーでも生きていけます。 「風邪ぎみで,聞き取りにくい声でごめんなさい。」 |