6日目 −フュッセン−
今日のミュンヘンは快晴。どうやら、完全に雨雲とはおさらば出来たようである。
今日はフュッセンへ日帰りで“ノイシュバンシュタイン城(白鳥城)”を見に行く予定。
本来ならば、フュッセンの街に泊まって、ゆっくり城だけじゃなく街も散策したいところなのだが、日程の都合上しょうがない。ミュンヘンからフュッセンまでは電車で約2時間(直通もしくは乗り換え1回)。向こうでの滞在時間を出来る限り多くするために、7:30過ぎにホテルを出て、8:00の電車に乗る。到着予定は10:00ぐらい。
ミュンヘン中央駅からの行き方としては、まず、Buchloe(ブーフローエ)行きの電車に乗り、Buchloe駅ですぐ目の前のホームのフュッセン行きの電車に乗り換える。これまでが1時間、この後1時間ぐらいで到着となる。ミュンヘンからフュッセンまでの道中はひたすら田舎の景色が続く。ただこれがなかなかいい感じ。牛や馬が当たり前のように見え、とってものどかだ。
しかし、山間部を走っているからだろうか?めちゃめちゃ寒い。ミュンヘンでの天気の良さから、トレーナー一枚でも大丈夫だろうとタカをくくってたのだが、どうやらこれが失敗だったらしい。フュッセンはスイスとの国境に近い山合の街。スイスと言えばアルプス。ホントにこの格好で大丈夫なのだろうか?本気で心配になってきた。。。ミュンヘンからちょうど2時間後フュッセンに到着。途中、もやがかかって外が全く見えなかったり、ポツポツと雨が降ったりしていたのだが、ここでは完全にやんでいるし、もやもかかっていない。外の気温は?というと、、、やはりかなり寒い。。。
駅からはバスで“ノイシュバンシュタイン城”に向かう。バス停は駅のすぐ目の前。他にも同じ目的の観光客が並んでいるのですぐに分かる。また、バスの本数自体も結構あるのでそれほど焦って乗る必要もない。
田舎道を走ること約15分で目的地に到着。もしこれが夏なら、駅前で自転車を借りるのがいいかもしれない。ただ、歩いて行くことはあまりお勧めしない。ガイドブックでは歩きも可などと書いてあるが、結構遠い。バスから降りると、近くの山のてっぺんに“ノイシュバンシュタイン城”ポツンと見える。ここからだと、かなり小さい。もっとデカイものだと思っていたのだが。。。
ここフュッセンには“ノイシュバンシュタイン城”だけではなく、“ホーエンシュヴァンガウ城”という2つの大きな城がある。
どちらも中に入れるようになっており、まずはチケット売り場でチケットを買わなければ行けない。もちろん、外から見る場合はチケットなど要らないのだが、ここまで来たからには中に入っておくのがよかろう(とこの時は思った)。
チケットは1つの城で大人1人14DM(約1,000円)。2つで28DM(約2,000円)。結構いい値がする。しかも、入場できる時間が決まっている。これは、城内ではガイドに従って見学しなければならないシステムになっているからである(いくつかある部屋毎に音声ガイドアナウンスが流れる。ガイドは案内だけ)。
もちろん、このアナウンスはいくつかのバージョンがあり、日本語もそのうちの一つだ。今回は、“ノイシュバンシュタイン城”だけのチケット(14DM)を購入。入場時間は12:00。この時点で10:30だったのだが、ここにいてもしょうがないので、城へ向かうことにした。
城への交通手段は2通り。1つはもちろん歩き。2つ目は馬車。お金のない人は歩きに限るが、そうでない人は行きは馬車、帰りは歩きというのがいいかもしれない。俺らは、行きも帰りも歩いたのだが、城までは距離があるし(20分程度)、山の上に立っているので、勾配のキツイ坂道が続き、結構つらかった。まあ、俺は寒かったので、歩いて暖かくなりちょうどいいぐらいだったのだが。20分坂道を登り、ようやく城の真下に辿り着く。バス停からはちっぽけに見えたのだが、さすがに目の前にしてみると、デカイ。。。
事前の情報収集の段階では、「別に行かなくてもいい」とか「大したことない」という言葉をよく目にしたのだが、やはりこれは見ておくべきだと思った。本来ならフュッセンの街に滞在しゆっくり見るのがベストだが、この際、何かの日帰りツアーでもなんでもいいから、ドイツに来たからには見ておいたほうがいいと俺は思う12:00になるまでは、またまたホットドッグとビールを買って飲み食いしたり、写真を撮ったりして暇を潰す。
ようやく時間になり入場。場内の見学はいくつかのグループに分けられ一緒に行動しなければならない。今回は何人かの日本人観光客(年寄り団体のツアー客)と同じグループ。正直、好き勝手に廻れないのは痛い。それに団体はうるさい。。。
中はいくつかの部屋に分かれており、その部屋毎に説明のアナウンスが入る。聞き終わると次、次と移動。じっくり見れないので、普段ならストレスが溜まるところなのだが、今回は中身が大したことないので、別にどうでもいい。
40分ぐらいで城内の見学は終了。感想としては、ただ昔の大金持ちの生活の一部を見ただけ。という感じ。ハッキリ言って、別に中など見なくてもいいのだが、まあ、記念程度に見ておくのもいいかもしれない。城の外に出た後は、周りをウロウロと散歩。すると、城の裏手に続く道があるので、そちらへと向かうことにする。
強烈に急な坂を登ると、その途中で“ホーエンシュヴァンガウ城”とその隣にある“アルプ湖”を見渡せる、素晴らしい場所を発見。さらに上に登ると、“マリエン橋”という橋に着く。
この橋から見渡す景色は圧巻だ。
断崖絶壁にかけられた“マリエン橋”から見える景色は、絵葉書や本にそのまま載っている“ノイシュバンシュタイン城”である。
下を見ると足元が凍り付くような谷底なのだが、ここからの景色はホントに素晴らしい。ここからの写真を撮れただけ、いや、この景色を見れただけでフュッセンに来た意味があったと俺は心底思った。
ちなみに“マリエン”とは“ノイシュバンシュタイン城”を作ろうとしたバイエルン国王ルードヴィッヒ世の妻の名前なのだそうである。とりあえず、見るもんは見たので下へと降り、次は“ホーエンシュヴァンガウ城”を見に行く。下へ降りると、朝の寒さともやはどこへやら?の快晴で、腕まくりをしたくなるような暑さである。
“ホーエンシュヴァンガウ城”は黄色い建物で、“ノイシュバンシュタイン城”に比べるとかなり小さい城である。ここへも結構急な坂を登らなければいけない。まあ、距離にしてみれば全然大したことないのだが、山登りをした後だけに、かなりこたえる。。。
10分ほどで城の真下に到着。ここからも“ノイシュバンシュタイン城”が良く見え、なかなかキレイだ。
この城自体はやはりスケールという面からいくと、“ノイシュバンシュタイン城”には到底かなわない。が、この城の方が好きだという人も結構いることからも、それなりに魅かれる部分はある。
城内については入っていないのでなんとも言えないのだが、この規模からいくと大したものはないと思われる。チケットの値段も結構するので、“ノイシュバンシュタイン城”だけで十分ではなかろうか?まあ、両方入らないっていうのも一つの考えだと思うが。。。“ホーエンシュヴァンガウ城”でゆっくりした後は“アルプ湖”の湖畔に行き、さらにボーっと日向ぼっこ。2つの城と湖を見ながらボケーっとするのはホントに気持ち良い。
十分堪能し、ゆっくり休憩した後は早めにミュンヘンに帰ることにする。この時点で時間は14:30近く。
たった5時間程度の滞在だったがそれなりに楽しかった。やはり、最大の観光名所の1つ“ノイシュバンシュタイン城” なんだかんだ言ってもドイツに来たら見ておくべきだと思う。それと、帰りのバスから見えたフュッセンの街並。これもなかなか素朴で良さそうな街だったので、日帰りなんて慌しいことしないで、ゆっくり泊まってみるのもいいかもしれない。行きと同じ帰り方で、16:30過ぎにミュンヘンに到着。とりあえずはホテルに戻り休憩。
一休み後、まだ夕飯までは時間があるので俺は外に出ようと思ったのだが、さすがに親父は山登りで疲れたらしく、当分動けない様子。ということで、夕飯まで別行動にし、後で合流することにした。早速俺はホテルを出て、“ノイハウザー通り”へと向かう。夕飯までの時間は買い物へあてることにした。
ドイツに来て思ったのだが、男も女もホントに皮のコートやジャケットを着ている人が多い。別に影響された訳ではないのだが、俺も自分への土産として皮のコートを買うことにした。
ドイツは皮製品が有名らしい。安くていいものが買えるのでは?という期待を持ちながら、デパートやお店に入る。
店に入ると必ず皮製品の売り場がある。確かに品揃えは豊富だ。それに値段も安い。日本では5万ぐらいするであろうコートが、こっちでは4万前後。安いところでは3万ぐらいのもある。
でも、デザイン的には今一つ。どっちかというと、メンズはおっさん用が多い。さらに誤算だったのがサイズ。せっかく見つけたお気に入りも試着してみるとダブダブ。店のおばちゃんにも「あなたには大き過ぎるわね」とさらっと言われてしまった。
結局、自分にぴったりのお気に入りを見付けることができず、タイムアップ。後々よーく考えてみると、レディースを探せばサイズもデザインもいいものがあったかも?と後悔。もっと早く気付けば良かったのに。。。親父とは飯を食うために昨日入ったラーツケラーハウスの前で19:00に待ち合わせ。そういえば、今日は昼飯を食ってない。。。
さすがに同じ店じゃもったいないので、そこから別の店に移動する。
いろいろ探した結果入ったお店は市庁舎の近くにある「Donisl(ドニスル)」という、300年も前から営業している由緒正しきお店。別に由緒正しいと言っても店の雰囲気はいたって庶民的で、料理の値段も高い訳ではない。
かなり店内は混んでいて満席状態だったのだが、運良くちょうど一組と入れ替わりでそれほど待たされることなく、席に通される。
早速、毎度のことながら、ビールを注文。飯は俺が魚料理、親父が肉料理を頼む。
かれこれ、ドイツ料理を食い続けて6日目となるが、不思議と飽きはまだ来ない。スペインに行ったときは、味付けの濃い料理に3日目ぐらいから嫌気が差しつつあったのだが、今回はまだ全然大丈夫である。白いご飯が食いたいという衝動にも駆られていない。まあ、味も印象もほとんどビールで流されてしまっているだけなのだろうが。。。
この店の料理も今までの店と変わらず、普通に美味しい。値段も普通。まあ、ミュンヘンぐらい大きな都市になればこれぐらいの店はゴロゴロあるのだろう。一通り食い終わり、店を出たのが昨日と大体同じ時間。これまたいつものとおり、真っ直ぐホテルに戻る。
考えてみると今日でドイツは終わりである。正直、十分堪能出来たかどうか?は怪しく、まだまだ見たいところがたくさんあったのだが、まあ、それは次回に取っておくことにしよう。
明日はオーストリア、ザルツブルグへ移動だ。
NEXT
HOME