4日目−バンベルク−


今日は午前中にもう1回ローテンブルグの街をゆっくり廻り、午後にバンベルクへ移動する予定である。
比較的時間のある今朝は、遅めに起床し、シャワーを浴び、朝飯を食い、ゆっくり時間を使って外に出る準備をする。
いつもはもっとせわしなく、朝飯も食わず出て行くので、何だか非常にすがすがしい気分だ。

今日はもう既に1度廻った街なので、親父とはお互い別行動をとることにして、先に部屋を出る。
外は昨日の朝とはうってかわって快晴だ。

このローテンブルグという街は前にも書いたとおり、周りを高い城壁に囲まれている小さな街である。
実はこの城壁、通路になっており、ぐるっと一周周ることが出来るようになっている。昨日は全くこの城壁には登らなかったので、今日は一周してみよう!とのことで、早速向かう。
城壁の高さは家の屋根と同じぐらい。見下ろす景色がなかなかキレイだ。しかも、月曜の朝ということもあり、人もほとんどいない。

ぐるっと城壁をゆっくり周って、またお気に入りの“ブルグ公園”へと行く。観光客は誰一人おらず、また、天気がいいため昨日より一段ときれいな景色が見える。ホントここは心落ち着くいい所だ。
一通りブラブラした後はチェックアウトの時間が近づいてきたので、ふらふらとホテルへと戻る。

このホテルの前には一年中営業しているクリスマスショップがある。ローテンブルグでは有名な店らしく、クリスマスシーズンにはまだ全然早いのだが、シーズン関係なくいつも大勢の観光客で混んでいるらしい。
それほど有名ならばということで、全く興味がないにも関わらず、一応、俺も少し物色してみる。
確かにカワイイものがあるが、買う気などサラサラないので当然見るだけ。まあ、クリスマスシーズンに近いのであれば、お土産としては使えるかもしれない。

部屋へ戻り、仕度をしてチェックアウト。また、キャリーバッグを引きずって駅へと向かう。
少ししか滞在期間がなかったが、ローテンブルグの感想は?というと、小さくてカワイイ街。やはりここも、ハイデルベルク同様1日で十分周りきることは可能である。
実際、日本からのパックツアーも、バスで日帰りというパターンが多いらしい。が、やはりゆっくり1泊ぐらいするのがいいと思う。
ここもドイツに来るなら予定に入れておいて損はしないだろう。というか、入れておくべき街だと思う。

ローテンブルグからバンベルクまでは約2時間半。経路としては、
【ローテンブルグ→シュタイナッハ→ビュルツブルグ→ニュルンベルク→バンベルク】
である。
バンベルクという街は街自体が世界遺産に指定されており、“小ベニス”と呼ばれる川沿いのキレイな街が見所なのだそうだ。
密かに俺の中では今回の旅行の中で1番期待をしている街なのだが。。。

2時間半後、約14:30にバンベルクの街に到着。ワクワクしながら駅を出ると。。。 と、都会だ。。。
駅を出た瞬間、中世そのままの街並が広がり、川が流れているのかと思いきや、実際はデパートやら銀行やらが立ち並び、ガンガン車が走っている。
これには正直がっかりした。ただ、その中世そのままの地域(旧市街と呼ばれている)は、駅から離れているらしいので、意気消沈するにはまだ早い。

駅から歩いて約15分。地図上、旧市街と呼ばれる地域まで来た。しかし、景色はそれほど変わらない。ホントにこれが世界遺産に指定された、1度も破壊されることなく中世そのままの景観を残している街なのだろうか?
一体、ガイドブックで見て一発で惚れた“小ベニス地区”はどこにあるのだろうか?
かなり強行日程を組んでまで訪れた街なのだが、無駄足に終わってしまうのか?とかなり不安になったのだが、、、まあ、まだ、まだ結論を出すのは早い。
全てはいろいろ周ってみてからである。って大丈夫だろうか。。。

その前にホテルにチェックイン。今日泊まるホテルは旧市街の外れに位置する「Bamberger Hof Bellevue(バンベルガー ホフ ベルビュー)」という4つ星ホテル。
4つ星の高級ホテルなのでそれなりに期待をしていたのだが、それほど「凄い!」と思うような部屋ではない。唯一印象に残っているのは、“天井が高い”ただそれだけである。。。

早速、荷物を整理して市街へ出ることにした。ただ、もうすでに15:00近くであり、あれだけ晴れていた天気も雨が降りそうなぐらい曇っているので、今日はさらっと廻り、気に入ったところだけ明日もう1度ゆっくり来ることにした。
バンベルクの街の見所ははなにも“小ベニス地区”だけな訳ではない。新、旧の宮殿、“聖ミヒャエル教会”など中世の面影を残す(らしい)建物がたくさんある。
とはいいつつ、まず最初は“小ベニス地区”へ。

“小ベニス地区”は旧市街で1番大きな“ドーム広場”のすぐ側を流れる“レグニッツ川”の川岸一帯にある地区を言う。
しかし、これが見てみてビックリ。かなり短い。。。 確かにベネツィアのように玄関が水面に面しており、舟がすぐ横につけられているが、そのような家はほんの数十メートルあるかないか。確実に百メートルはない。
確かにキレイはキレイなのだが、これには少々がっくり。。。 やはり、所詮“小”は“小”でしかなかったか。。。

気を取り直して、次は新旧の宮殿へと向かう。
少し急な坂を登ると、いきなり開けたところに出る。そして目の前に新旧の宮殿が現れるのだが、これがものすごくでかく、スケールの大きさに圧倒される。
また、新宮殿の中には、赤や黄色の花が咲いている庭園があり、すごくキレイだ。天気が曇っているのと、やはり季節的に冬に近づいていることから、見栄えは落ちているのだろうが、春や夏ならば相当キレイな絵が見れるだろうというのは想像できる。

この宮殿をさらに上に登って行くと、“聖ミヒャエル教会”に辿り着く。これまた、ものすごい大きさの教会であり、写真に撮るのも一苦労。相当引いて撮らないと、全部収まり切らない。
また、この教会の裏手に回ると、バンベルクの街を見渡せる広い庭に出る。ここからの眺めがまた素晴らしい。


“小ベニス地区”には少々がっかりさせられたが、その他が期待を上回る素晴らしさで、相殺という感じだろうか?

おそらく、この辺一帯の地域が中世の面影をそのまま残す地域なのだろう。なるほど、言われてみればそんな感じがするし、実際に宮殿や教会などの建物には古い歴史を感じる。
まあ、世界遺産に指定されているというのは、いまいち理解に苦しむが、来て損をしたとは思わない。むしろその逆だろう。
ただ、ドイツに来たら必ず来るべきか?と問われると、返事に困る。まあ、一日バスツアーという形でもいい気はする。

大分空が暗くなってきたので、行きに登ってきた道とは違う道を使って街へと降りる。パラパラと降っていた雨もいつの間にかあがっている。
もう1度“小ベニス地区”に行き、写真を撮ってから、1度ホテルへと戻る。途中であまりにも腹が減ったので、またホットドッグを買って食ってしまった。一体、ここへ来ていくつ目だろうか。。。

ホテルに戻り、少し休憩してから夕飯を食いに行くことにした。ホテルのフロントで「どこかいいレストランはないか?」と聞くと、ホテルの前の「Messerschmitt(メッサーシュミット)」というホテルのレストランがいいというので、早速そこへ向かう。
レストランに着き、前においてあるメニューを見る。しかし、高い。。。 ホテル自体は3つ星のくせに、レストランだけは5つ星並のようだ。ただ、もうあまり歩き回りたくなかったので、英語のメニューがあるかだけ確認し、もしあれば入ってしまおうということにしたのだが、店員いわく「独語しかない」とのこと。やはり、もう少し見て周ることにした。
バンベルクという街はどうやらそれほど外国人観光客がこない街のようである。英語のメニューがおいてある店などほとんどない。しかも、レストラン自体も少ない(見つけられてないだけかもしれないが)。

結局歩き回った上、最初に教えてもらったホテルのレストランに入った。独語オンリーだけど、もうしょうがない。それに大体なんとかなるものである。
席に座り、まずは飲みものを注文。バンベルクと言えば“ラオホビール” 非常に珍しい燻製ビールである。当然ながら、これを注文。
それから料理。独語オンリーのメニューとにらめっこをしていると、店員が英語で説明をしてくれた。まあ、やっぱり何とかなるもんである。
結局、迷った挙句、俺はアヒルの肉のソテーとスープ、親父は川魚料理を注文した。

料理を頼み終えるとタイミング良く“ラオホビール”が運ばれてきた。早速一口飲む。味は???う〜ん、、、カツオ節の味がする。。。
正直、最初の一口は「げっ、なんだこれ?ダシの味がする」とどちらかと言うとマズイという感じだったのだが、これが飲み続けると不思議なことに段々とはまっていく。最後の方になると美味しいとさえ感じたのだが、まあ、2杯目を頼もうとまでは思わない。。。
料理の方はというと、なるほど上品な味。さすがに高いだけある。しかし、19:00という1番の夕飯時に客が俺らを含め2組しかいないというのは気になる。。。
料理を食べ終えると、トレーにのってデザートのケーキが運ばれてきた。サービスかと思い好きなものを1つ取って食べたのだが、しっかり別料金を取られていた。サギだ。。。(っていうかこれは当たり前?)
チェックをし、外に出る。2人で8,000円強。かなり高い。。。 親父と一緒じゃなければ絶対に入らなかっただろう。

ホテルは目の前なので、すぐキーをもらい部屋へと戻る。特別、することもないのでテレビを見ながらすぐに寝た。
明日はミュンヘンへ移動である。



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