3日目−ローテンブルグ−


ザーッという音がして目が覚めた。窓から外を見ると、かなりの勢いで雨が降っている。日本にいる時から、インターネットの天気予報では「今週の予定は雨!」と書いてあったのだが、とうとう3日目にして降ってきてしまった。。。

今日はローテンブルグへ電車で移動。時間的にはここから約5時間半。ルート的には、
【ハイデルベルグ→フランクフルト→ビュルツブルグ→シュタイナッハ→ローテンブルグ】
と計3回の乗り換え。今回の旅で最長の移動時間+最多の乗り換え回数である。
8:00の電車に乗るために、6:00過ぎに起き、シャワーを浴び、荷物を整理して、7:30過ぎにチェックアウト。雨がすごいので、仕方なくタクシーを呼んでもらう。
余裕を持ってハイデルベルグ駅へ到着。そして、マンハイム経由のフランクフルト行きに乗る。これでもうハイデルベルクとはお別れだ。
ハイデルベルグの印象は?というと、出発前から持っていたドイツのイメージにぴったりの街という感じだろうか?茶色で統一された街があり、城があり、川が流れている。
それほど大きな街ではないし、1日もあれば廻り切れてしまうのだが、ドイツに行くなら1度は訪れたい街だと思った。

1時間ほどでフランクフルトに着き、ビュルツブルグ行きの電車に乗る。今回、乗った電車は、ドイツに来て初めてとなるICE(日本でいう新幹線)という特急列車(画像右)。
キレイだし、静かだし、スペインで乗ったAVEと同じように快適な乗り心地である。
このICEは乗ると車掌がチケットの点検と一緒に飲みもののオーダーを取ってくれる。残念ながら飲みもの代は有料なのだが、なんだかリッチな気分になれる。
当然、注文するのはビール。

予定どおり1時間ほどしてビュルツブルグに到着。ここで2回目の乗り換えなので、荷物を持って降車口まで行く。しかし、ここで困った事態が発生。う〜ん、、、降り方が分からない。。。
自分で扉を空けなければけいけないのは解っているのだが、どうすれば扉が開くのかさっぱり解らない。壁にボタンがいくつかあるのだが、むやみに押して間違っていたら嫌なので、とりあえず近くに座っていた人に聞く。が、どうやらこの人も解らないらしい。
それでも最初のうちは余裕綽々で「どうしよう?」などとのん気に構えていたのだが、段々とマジで分からなくなり、「おいおいおい、マジでどうする?どうする?」とあたふたし始める。「これはマジでやばい!」と感じたその瞬間、目の前の視界が流れ始めているのを確認。あー、なんて間抜けなんだろう。。。とかなりショック。。。 この間約3分の出来事だった。
まあでも、発車してしまったものはしょうがないので、車掌にまず降り方を確認(赤と緑のボタンがあり緑のボタンを押せばいいだけだった)。それから、次の停車駅とそこからローテンブルグまでの行き方を聞く。
ここでさらにショックな事実が発覚。次の停車駅はニュルンベルクとなり、到着時間は1時間半後だそうだ。。。 これは痛い。。。

なが〜い1時間半の無駄な旅の後、ニュルンベルクに到着。今度はちゃんと緑のボタンを押して駅に降りる。
とりあえず、ここからの行き方を聞かなければならない。車内で聞いた時は来た道を戻るのがベストと言っていたが、何かそんなのは悔しい。なので、とりあえず駅員をつかまえて、1番早い経路を聞く。するとある機械のところまで連れて行ってくれた。この機械、現在地と目的地を入力すると無料で発着時間や乗り換え案内を紙にして出してくれるという優れもので、かなり便利なのだが、これで調べてくれということらしい。
しかしこの機械は非常に便利だ。ぜひ日本の駅にも置いて欲しいと思う。

検索した結果、来た道を戻るのではなく、別ルートで行く方が早いということが分かった。まあ、それでも次の電車まで30分近くある。しょうがないので、軽くなにか食うことにした。
結局、ローテンブルグまでは、
【ニュルンベルク→アンスバッハ→シュタイナッハ→ローテンブルグ】
となり、約1時間30分かかるらしい。
出口付近に行くと、食べ物のスタンドがあったので、そこでビールと“カレーウルスト”を注文。この“カレーウルスト”、ソーセージの上にケチャップとカレーパウダーがかかっているシンプルな食べ物なのだが、これが美味しい。しかも、ビールともよく合う。

腹ごなしをし、満足したところでちょうど時間。やっとこさ電車に乗りローテンブルグへと向かう。
結局、ローテンブルグについたのは14:30近く。予定では12:00には着くはずだったのだが、かなりのタイムロスをしてしまった。
ただ1つ良かったことは、移動中に雨がすっかりあがったこと。まあ、あくまで結果オーライなのだが。。。

駅からローテンブルグの街へは徒歩で大体15分弱。
城壁に囲まれた街の中は、石畳となっておりキャスター付きのトランクだと苦労する。
とりあえず、荷物を置かなければ身動きが取れないのでまずはホテルへ。
今日泊まるホテルは今回の旅、いや、俺の今までの旅の中で1番豪華なホテルであるだろう「Eisenhut(アイゼンフット)」。市街の中心にある“マルクト広場”の前にあるヨーロピアンタイプの5つ星ホテル(夕食付き ツイン 16,000円)である。
このホテルは日本人観光客もよく利用するらしく(実際ツアー客が泊まっていた)、日本語のパンフレットやNHKが見れたりする。
早速、チェックインを済まし部屋へ移動。外観はそれほど大したことないのだが、内装はさすがにキレイだ。
部屋の中はというと、ちょっと珍しいつくり。2つの出入り口があり1人ずつの個室に分かれている。2つの部屋の真ん中にはトイレ・バスがあり、それぞれの部屋から通じている。


部屋の内装もカワイイ感じで、明らかにカップル仕様だ。とても男二人で泊まるようなホテルじゃない。。。

予定的にかなり狂ってしまったため、休憩をはさむことなく街へと出る。
ローテンブルグの街は中世そのままの姿をしており、御伽噺に出てくるようなカワイイ街だ。別にどこへ行くわけでもなく、ブラブラとゆっくり散歩をするのがすごくいい感じ。
赤や黄色の花に囲まれたホテルや、1番ローテンブルグらしい景観といわれている“プレートライン”をゆっくりと見て廻る。一つ一つがすごく趣があり、歩いているだけでもとても楽しい。それに、これらの建物やかわいらしい店の看板などは写真の被写体としてもGood。ファインダーを覗くのもすごく面白い。
中でも“マルクト広場”から西へ向かったところにある“ブルグ公園”は特に気に入った場所になった。


人が少なく、ローテンブルグの素晴らしい景色が見れる。さらに俺が行ったときは、ヴァイオリンを弾いてる人がいたりして雰囲気も◎
ベンチに座ってボーっとしてるだけでかなりリラックスできる良い場所である。

ローテンブルグの街はかなりこじんまりとした街である。半日もあれば、端から端まで見れてしまうだろう。
今日もかなり予定から遅れて観光し始めた割には、18:00ぐらいにはすっかり全部見終わってしまった。
夕飯は19:00に頼んでおいたので、それまではまだ時間があったのだが、休憩もせずにホテルを出ていたため、夕飯前に1度ホテルに戻り、休むことにした。

ホテルに戻る前に、歩いてる途中で何度も目にし、すごく気になっていた“スノーボール”というお菓子を購入。至るところで見かけるこのお菓子はどうやらローテンブルグの名物のようである。
このお菓子、見た目はシュークリームのような感じのお菓子なのだが、実際食べてみるとパンとクッキーの間のような、少しモサモサとした食感で、しかも強烈に甘く見た目ほど美味くはなかった。

部屋に戻り、一眠りした後、19:00になったので下のレストランへ。早速、予約席に案内される。しかしこの席、というかレストラン全体がちょっと薄暗くロウソクが1席1席灯してあったりしてかなりムーディー。やはり、ここはカップル向きのホテルだと改めて感じた。。。
まずは飲みものを注文。とりあえず、1杯目はビールにし、次からワインにすることにする(ちなみに飲み物代は別料金)。
肝心の料理はというと、ドイツ料理ではなくフランス料理のフルコース。スープ、前菜、そしてメインはウサギのロースト、最後にデザートである。
さすがに高級ホテルだけあってどれも美味しい。特にウサギのローストはすごく柔らかくて、めちゃめちゃ美味しかった。ただ、ドイツ料理と比べると量の少ないのが残念だったが。
デザートをたいらげ、ワインも飲み干して、ごちそうさまでした。調子に乗ってワインを飲みすぎたのでかなり酔っ払い気味。時間は21:00前だったのだが、早めに部屋に戻って、寝ることにした。

部屋に戻りテレビをつける。NHKのニュースではアメリカのアフガン空爆が始まったらしく、大々的に放送していたのだが、こっちでは全くどこ吹く風という感じ。家では家族が心配をしていたらしいのだが。。。

明日はローテンブルグを離れバンベルクへと移動である。



NEXT

HOME