佐治君の「南ドイツ・オーストリア日記」

ドイツに行ったら、日帰りでもいいから見て欲しいノイシュバンシュタイン城


はじめに

ほとんど恒例となった年に1度のヨーロッパ旅行。今回は昨年、スペインと天秤にかけて見送ったドイツ・オーストリアに早々と決定。
時期的には寒くなる前がいいだろうと考えてはいたが、8月?9月?いや、最悪でも10月一杯がギリギリだろう?程度にしか考えてなかった。

まだ暑くなる前の6月。ちょっと、いや、かなり早いかもしれないが、どうしても海外に行きたい!という衝動が抑え切れなくなったきたので、鎮静剤代わりにちょいちょいと計画を立て始める。となると、毎回ぶち当たるのは相棒探しという問題。昨年もそうだったように、今回もおそらく簡単には見つからないだろうな〜、もしかしたら初の1人旅か?などと覚悟しつつ、ほんの数人にそれとなく当ってみることにした。
結果は予想どおり0。
時間がない、金がないというのはいつものことだが、その「金がない」の原因がゴルフというのには正直まいった。
なんだか急に自分も歳を取ったような気がする。。。

まあ、ある程度は予想していたことなので、一人旅の計画を立て始める。まずは日程から。
今回は目一杯長く滞在期間を取りたかったので、9月、10月の3連休に候補を絞る。さらに、会社の有給休暇を連続5日間所得できる制度+有休1日で合計11連休。これがすんなり取れてしまうところが驚きである。素晴らしい会社だ。
当然のことながら友達からは羨望の眼差しと疑惑の目。「お前、ホントに社会人か?」「ちゃんと仕事してんのか?」と非難の嵐なのだが、これが結構気持ちいい。

結局、9月末と10月頭の3連休で迷った末に、10月頭を選択。最終的な日程は2001年10/5(金)〜10/15(月)までの9泊10日となった。

行き先と日程が決まったので、一応、親に報告。が、ここで思わぬ展開になる。
おふくろの「お父さんも連れて行ってあげたら?」というそれとない一言。俺の「別にいいんじゃん」という気のない返事。そして親父の「じゃあ、行くか」という安易な発言。。。
なんと、ほんの数分の間に親父と二人旅という思ってもみなかった事態へと発展してしまったのである。よくよく考えるとすごい事だ。。。
でもまあ、二人旅は歓迎だ。飯は1人よりも2人がいいし、ホテルもシングルよりはツインの方が安い。それに、1度ぐらい親子2人で旅行というのも悪くない。おまけに気兼ねしないばかりか、金銭的には非常に魅力的だ。俺にとってメリットはあれど、デメリットは微塵もない。かなりおいしい展開である。
ということで、一人旅から二人旅へ変更して計画を立てる。もちろん、計画や向こうでの行動は全て俺任せで親父はただついてくるのみ。俺が手配&案内をし、親父が金を払う。世の中なんでもギブ&テイクである。

相棒、日程も決まったので早速具体的な手配に入る。今回は代理店を挟まず、直接手配も考えたのだが、やはり親父を連れてのトラブルは避けたかったので、今回もスペイン旅行の時と同様にビッグツアーのお世話になることにした。
この時点でまだ7月前。出発まで2ヶ月以上も先の話しなので、当然のことながらチケットの手配などはスムーズに行くと思っていたのだが、これがなかなか苦しい戦いになる。
その元凶はエアーチケットとミュンヘンでのホテル。思いのほか手間取ってしまい、いらん労力を費やす羽目になってしまった。

まずはエアーチケット。JAL、ANA、ルフトハンザが候補に上がったのだが、最終的にはANAのGET35(118、000円)に決定。
決め手となったのは、スターアライアンス加盟航空会社(今回はANAとルフトハンザ)がフランクフルトin、ウィーンoutでも追加料金なしであったことと、ANAがルフトハンザより安いこと。それとただ単に日系の航空会社に乗ってみたいという安易な希望だった。ただこれは、キャンセル待ち。まあ、結局はそれほど待つことなく入手することはできた。

次に滞在都市とそこでのホテル。まずは滞在都市。
オーストリアはザルツブルグとウィーンに簡単に決まったのだが、ドイツは時間がかかる。なんせモデルコースという物がない。いや、数多くの組合せがあると言うべきだろうか?
まあ、どっちにしてもガイドブックとにらめっこしなきゃいけないってことである。
候補はハイデルベルグ、フランクフルト(ライン川下り)、ローテンブルグ、バンベルク、ニュルンベルク、フュッセン(ノインシュバンシュタイン城)、ミュンヘンの7都市
それぞれ魅力があり、全部廻りたいのだが、それはとても無理である。日程的に5都市が限界。
結局、悩んだ末に決めたのは、ハイデルベルグ、ローテンブルグ、バンベルク、ミュンヘンの4都市。プラス、フュッセンへのミュンヘンからの日帰り旅行である。
最後まで迷ったのは、ライン川下りとニュルンベルクとバンベルク。最終的にバンベルクに決めたのは、ガイドブックに載っていた“小ベニス”と呼ばれる街並みの写真+その“小ベニス”という言葉自体、それとバンベルクの街そのものが世界遺産に指定されていることの3つ。そう、俺は“世界遺産”という言葉に弱いのである。。。

ホテルの方はというと、年寄りを連れていることからも、極力きれいなホテルを選ぶことにした。
3つ星以上のホテルを代理店にリストアップしてもらい、HPと掲示板を参考にしながら、希望を伝える。
結果、ほとんど希望のホテルを取ることが出来たのだが、ミュンヘンだけがちょうどなにかのメッセと重なったため、手配が難航。一時は別都市への移動も考えたのだが、なんとか不安を残しながらも、押さえることができた。
しかし、今回のホテルはすごく豪華だ。もちろん、親父がいたからだが(体調面の心配というマイナス面と金銭面での援助というプラス面から)、4つ星以上がほとんど、なかでも1都市は5つ星とかなりの贅沢である。

以上でほとんどの手配が終了。あとはジャーマンレイルパスの1等ツイン7日間(54,000円)とザルツブルグ−ウィーン間の電車のチケットを購入し、出発を待つだけとなった。
一人当りの総額はエアーチケット、ホテル、レイルパス、代理店手数料で約21万円。かなり贅沢な選択をしたはずなのだが、思ったほど高額ではなかった。

今回の準備は早めに始めたために、要らぬ労力と手間を使ったとはいえ、比較的余裕をもって進めることが出来た。日程の変更や、行き先の変更なども何度かしたのだが、時間的に余裕を持てたので全く焦ることもなかった。これほどスムーズにいったのも珍しい。
と、思ったのもつかの間。どうやら、世の中というのは、そうそう上手くいかないものらしい。
しかも、よりによってあんな大惨事を、このタイミングで。。。
そう、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロである。

事件についてはひとまず置いといて、今回の旅行への影響を考えると、計り知れないものがあるように思われる。
とはいえ、考えるに、空港でのチェックは当然厳しくなるだろうがキャンセルをしなければならないほど影響を受けるとは思えない。無論、今回の旅行については決行である。が、しかし、どうやら世間はそうではないらしい。
掲示板や代理店の人の話しを聞いていると、キャンセルをする人が続出だという。中東やアメリカに行くならまだしも、ヨーロッパに行くのになぜ?と思わずにはいられなかったのだが、まあ日本人らしいといえばそんな気がする。
肝心の親父はというと、俺と全く同じ考えで、キャンセルなどは全く考えていなかったのだが、やはりそこはサラリーマン。会社から自粛の命令がでて、立場上キャンセルせざるをえない状況になる。一時は旅行自体がご破算の危機に陥ることになったのだが。。。
ただ俺は前述のとおりキャンセルなど微塵も考えておらず、最悪一人旅行復活?と考え始めていたのだが、最終的には親父の自粛命令が海外“出張のみ”ということであり、予定どおり出発できることとなった。
最後の最後でとんでもない事態になってしまったが、とりあえず出発できる目処が立ち、今度こそ本当に出発を待つだけとなった。
正直、ホッと一安心である。。。


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