2日目はシュノーケリングとビーチでのんびり、象乗りにも挑戦
「おーっ、すげー、魚が一杯!」

2日目(99年12月11日土曜日)

6:15にモーニングコールで起床。社会人になって以来、大分、朝に強くなってきたのだが、昨日の疲れが残ってる今日は起きるのが辛かった。案の定、さかもはモーニングコールにピクリともせずに爆睡しているので、力いっぱい奴の上にダイブをかましてやった。
顔を洗って、朝食が用意してあるプールサイドのレストランへと向かう。席に座り、まずコーヒー。メニューはまあ、どこでもおなじみのバイキングである。眠い目をこすりながら、行ったはいいものの、食べる気にならない。取りあえず、サラダとフルーツだけを食べて部屋に戻ることにした。(さかもはこれでもかって言うぐらい、食っていた)

今日は、昨日の約束どおり、ナトゥと一緒にコーラル島へ(プーケットの南東、シャロン湾からロングテイルボートで約30分、スピードボートで10分と、プーケットから一番近い珊瑚礁に囲まれた島)。
さかもが2度寝したために、10分ほど遅れてホテルのロビーへ。すまん、ナトゥ
まあ、遅刻のことは素直に謝っておいて、まずは、船に乗るために島の南の港へと車で移動する。9:00現在で、天気は曇り。日焼けをするには、日差しが弱すぎる。
「これから晴れるの?」
とナトゥに聞くと、
「大丈夫。11:00を過ぎれば、太陽が出てくる。いつもそうだから。」
と言う。
昨日もそうだったのだが、それほど暑さは感じない。どちらかと言うと、過ごしやすい温かさだ。日本ではこの時期、プーケットはオフシーズン扱いなのだが、こっちではハイシーズンなのだそうである。確かに蒸し暑くなく、いい気候だ(プーケットの乾季は11月中旬〜2月下旬まで。この時期は晴天が続き、サラリとした過ごしやすい気候が続く。雨季は5月から11月中旬位までで、スコールが繰り返すが、台風の直撃はほとんどない。暑さは3月から始まり、ピークは4月のソンクラン/タイの正月前後)。

途中、腹が痛くなって、心配していた食当たり?水当たり?が早くも来たか?とトイレに寄ってもらったのだが、くだしてる訳でもなく、ちょっと一安心。
余談なのだが、プーケットの人達は、紙で拭くという習慣がなく、全部水で洗い流すらしい。しかも、トイレの管が紙を流すとつまってしまうぐらい細いので、使い終わった紙は置いてあるごみ箱に捨てねばならないのだ。(俺は先に聞いていたので、特に困ることもなかった)
ちょっとしたタイムロスがあったが、時間どおりに港に到着。すぐ、ライフジャケットを着て、パワーボートみたいな船(スピードボート)に乗り込み出発。ナトゥが「1番前は気持ちいいよ!」と言うので、1番前に陣取る。
水しぶきと風がすごく気持ちいい。気分は若大将!(ちょっと違う気もするが)ってな感じではしゃいでいたのだが、沖に出て波が高くなると、気持ちがいいなんて言ってられない状態に。波の高さに比例して、船が飛ぶ飛ぶ!その辺の下手なジェットコースターよりよっぽど怖くて、手すりにつかまってないと、海へ弾き飛ばされてしまいそうである(だから、ライフジャケットを着たのかと納得)。
船が島に着く頃には2人ともふらふら。「ナトゥめ、だましやがって!いつかこの借りを返してやる!」とリベンジを誓うのであった。

コーラル島のビーチはパラソルとデッキチェアーがずらーっと並べられてあり、おまけにビーチの端の方には象までいて、いかにもアジアのリゾートといった感じである。また肝心の海はというと、バスクリンまではいかないが、きれいなグリーンだ。少し沖には珊瑚も見える。取りあえずは、荷物を降ろし、デッキチェアーでくつろぐことにした。
座るとすぐに、ビーチボーイ(?)が
「バナナボート乗らないか?」
「パラセイリングやらないか?」
と寄ってきが、そんなものは日本の海でも出来ると頑なに拒否し、午前中はゆっくりと日焼けをすることにした。
まだ10:00前にもかかわらず、カクテルをもらってきて、それを飲みながら、早速、日焼け開始。

このもらってきたカクテル、プーケットでは最もポピュラーなカクテルだそうで、まあ、日本で言う単なる“ウィスキーコーク”である。でも、ウィスキーが違うのか、コーラが違うのか分からないが、すごく飲みやすくて、めちゃめちゃおいしい。まだ昼前だというのに、このままだと酔っ払いになってしまうので、おかわりは昼飯まで無理矢理、我慢することに決めた。
しかし、日焼けをするために裸になったのはいいが、肝心の太陽がなかなか出てこない。南の島だっていうのに、少し肌寒いぐらいだ。ナトゥいわく、11:00ぐらいには晴れるはずらしいのだが、そんな感じは微塵もない。そうこうしているうちに、朝が早かったせいもあり、うとうとと寝てしまった。

1時間ほどで起きると、多少だが、太陽が顔を出している。でも、日焼けをするにはまだまだ、全然足りない。全身真っ黒になるためには、もっと日が照ってくれなければ困るのだが....
少し寝たおかげで、元気が出てきたのだが、海に入るのは午後からにして、午前中は昼飯までの間、ビーチを散歩することにした。
ここ、コーラル島はもちろん日本人も多いが、白人も同じぐらい多い。それにリゾートに来ると、気持ちが開放的になるのだろうか?あっちこっちに、かなりきわどい水着を着たねーちゃんがいて、ついつい目線がそっちにいってしまった....
12:00ぐらいになって、昼食。メニューはパイナップルチャーハンにスープ。魚介類のフリッター、フライドチキンに白身魚のから揚げにあんかけをかけたもの、と2人前にしては、かなりの量である。
「こんなに食ったら、腹が出てしまう」
と言いながらも、目一杯食って、その上、ビールまで飲んで「あーあ、やってもうた....」状態。まあ、動けばすぐへっこむだろうということで、午後からはシュノーケリングをすることにした。
体を動かせる状態まで、休んでから、シュノーケルとフィンをつけて早速、海へ。
とても水が温かく、すごく気持ちがいい。潜ってみると、かなりの数の魚が泳いでいる。しかも、これが結構でかい。また、ここの魚はパンを食べるらしく、えさ用のパンを投げると、みるみるうちにでかい魚が集まってきて、ばしゃばしゃと海面をジャンプする。
自分の手から直接食べてくれないかなと思い、パンを手に持ったまま潜ってみると、ここの魚は人間に馴れているのか、あっという間に集まってきて、パンを食べ尽くしてしまった。さかもと2人で
「おーっ、すげー」
と素直に感動し、水中カメラで写真を取りまくり(写真左)えさ用のパンをあげまくる。日本でも伊豆七島の神津島や式根島の海に潜ったことはあるが、海のきれいさはともかく、魚の数はこんなにいなかった。
また、ここの海はかなり遠浅で、ビーチから結構長い距離を、足がついたまま移動できる。魚がいるのは足がつくぐらいの距離までで、それ以降は水も冷たく、魚も見当たらなくなる。もっと沖まで行けば、もっとたくさんのいろいろな魚がいるのかと思うと、体験ダイビングをやってもよかったかな?と少しだけ後悔した。
それほど長く海に入っていたつもりではなかったのだが、フィルムがなくなるのとほぼ同時に、タイムアップ。いつの間にか帰る時間になっていた。それだけ楽しかったということだろう。
自分のデッキチェアーをきれいにして、行きと同じくボートの1番前に乗り込む。そう言えば、ナトゥは日本人の若い女の子がたくさんいると言ってたのだが、よくよく思い出してみると、ほとんどいなかった。ナトゥめ、まただましやがって!と怒りたいところだが、今回はこのきれいな海に免じて許してやることにしよう。
帰りはそれほど波も高くなく、静かに港に到着。行きのボートは怖かった反面に、意外と面白かったので、帰りも少し期待をしていたのだが
船から下り、そのまますぐ、車に乗り込む。次は今回の旅の目的の1つである、象乗り/Elephant-safariに出発。
単に象乗りといっても、山や森を半日ぐらいかけて廻る、ネイチャーツアーみたいなコースがあれば、象を飼っている施設の周りをぐるっと一回りするだけのコースもあり、様々である。
今回、俺達はちょっとした公園の中を、30〜40分かけて一回りするコースを選ぶことにした。15分ほどでその場所に到着。それから先に1人400バーツ(約1,200円)払って、順番を待つ。
象に乗っている時間は大体30分。長い時は1時間ぐらいの時もあるそうだ。これは、象の気分次第で一回りする時間が決まるためである。象は馬のようにお腹を蹴ったり、鞭をうったりすれば動く訳ではなく、もちろん道具を使って命令はするが、動かない時は何をしても動かないのだそうだ。ほんと、象の気分に任せるしかないのである。
10分ほどで順番が廻ってきた。高い台の上から象の背中に付けられた椅子の上に乗り移るのだが、これが結構高くて怖い。それにいざ椅子に座ると乗り心地も悪いし、ちゃんとつかまってないと、落とされそうになる。大丈夫なのか?と心配していると、さらに不安を募らせることが。
よ〜く他の象を見ると、それらしい年配の象使いが黙々と象を操っている。しかし、俺達が乗った象の象使いはどうみても、10才にも満たないガキである。しかもこのガキがまたうるさい。歌を歌ったり、変な掛け声を出したりして、絶え間なくしゃべり続けている。また、俺達のリアクションがガキを調子に乗らせてしまったのか、わざと急ながけを登ったり、深い沼に入って行ったり、挙げ句の果てには、コースを外れて野良犬を追いかけまわす始末。無事に戻ってきた時には、ふんばりすぎたせいで、腹筋が痛くなってしまった。さかもは「まあ、楽しかったし。結構おいしかったんじゃない?」と言っていたが、はたして、ほんとにおいしいと言えたのだろうか?確かに、他の象に乗るよりはスリルを味わえたのだが....

一通り、今日の目的は全て終えたのだが、まだ時間があったので、プーケットタウンに連れてってもらうことにした。プーケットタウンは島の内陸部にある中心街であり、パトンビーチと同じぐらい賑やかな場所らしい。ただ、パトンビーチと違うところは、でっかいデパート等があって、幾分きれいな感じがするところである。日本で言うなら、歌舞伎町(パトンビーチ)と渋谷センター街(プーケットタウン)といった感じだろうか?(ちょっと違うかな....)
取りあえず、ちょっと一休みと言うことで、デパート内の喫茶店で休憩。するとナトゥの友達(以後、ロト)にばったり会った。
このロト、今は日本に住んでいて、渋谷109の上のタイレストランで働いているそうだ。しかし、こっちの男性はみんなそうなのであろうか?この男もほんとによくしゃべる。しかも女のことばかり。口を開けば、女、女、女だ。そう、ナトゥもロトも言ってたのだが、プーケットに来てる日本人の女の子は簡単に落とせるらしい。
「街でお酒を飲んで、送って行けば、ほとんど百発百中ね。」
ってな具合だ。落とした日本人の女の数は両手両足をたしても足りないらしい。どこまで本当だか分からないが、ここまで言われると同じ日本人として、ちょっとムカッとくる。しかし、このロトという男、女遊びにかけてはかなりの大物みたいだ。この時ばかりは、ナトゥが小物に見えた
何分間か適当に休憩した後、ロトと別れてプーケットタウンをぶらぶらすることに。別れ際に
「今度お店に遊びに来てね。サービスするから。」
とロトが言ってくれたので、嘘かほんとか分からないけど、「今度行くよ。男だけで行くけどサービスしろよな!」と約束をして、ロトとはここでバイバイした。ナトゥと同じく、どうしようもない女好きだったけど、基本的にはいい奴だったと思う。
日が暮れるくらいまで、プーケットタウンを歩いてみるが、さすがに夜の街なだけあって、まだ人もあまり多くない。きっと夜になれば、パトンビーチと同じぐらい、盛り上がるのだろうなどと考えながらも、ここはそれほど時間もかけずにさっさとホテルに戻ることにした。

15分ほどでホテルに到着。
「明日はどうするの?」
とナトゥが聞くので、
「シーカヌーツアーに行きたい。」
と言うと、1人12,000円だと言う。それは高いということで、ひとまず保留。後で連絡するために、ナトゥの携帯の番号を聞いて、取りあえずナトゥとはバイバイ。1日おつかれでした(って奴は酒飲んで、ナンパしてるだけだったけど)。

さて、明日はどうしよう?と、考えてはみるがシーカヌーツアー以外は思い浮かばない。そこで、出発前にインターネットで調べておいた、日本人在住のダイビングショップに電話をして聞いてみると、営業時間が終わっているため、もう受付けは出来ないと言う。どうしようかと迷った挙げ句、ここまで来てケチるのはもったいないという結論に達し、ナトゥに電話。12,000円のシーカヌーツアーを申し込むことにした。取りあえず、明日8:00にロビーで待ち合わせの約束。何とか、予定を組むことが出来て、ほっと一安心。よかった、よかった。しかし、またナトゥと行動を共にするとは....まあ、いいか。
明日の心配事がなくなったので、飯を食いに行こうということになり、さっさとシャワーを浴びてパトンビーチに出発。昨日は歩いてパトンビーチまで行ったのだが、今日はトゥクトゥクで移動することにした。値段は交渉制。ホテルからは40〜50バーツだと言うので、40バーツで交渉。1発OKで、すぐに車に乗り込む。風呂上がりの火照った体に、風が当たってすごく気持ちがいい。昨日は約20分かかったところを、3分ほどで着いてしまった。
お金をうんちゃんに払って、いざ食い物屋探し。店探しはいいのだが、実際に食うとなると2人ともそれほど腹が減ってないことに気付いた。じゃあ、今日は軽くということで屋台に行くことに。あらかじめナトゥに教えてもらっていた、屋台村のようなところに行くと、店員が俺らを見るなり、毎度おなじみの「安いよ、安いよ」の掛け声を連発して近寄ってくる。「日本人が安いだけで店を決めると思ったら大間違いだっつーの!」と、ちょっとうざったかったが、まあ、取りあえず店を決めて、席に着いた。
取りあえず、ビールを注文。それから、チャーハンとやきそばを2人で1皿ずつ頼んだ。このような屋台では不衛生なのが当たり前で、どんぶりの底から虫が出てきたなんて言うのも、結構よくある話だと言う。食べ終わった後に、ふやけた虫が浮かんできてしまったらしょうがないけど、極力、作ってるところは見ないようにして、待つこと数分。結構、大きめの皿で、見た目大盛りのやきそばとチャーハンが出てきた。味の方はと言うと、かなりいける。きしめんのような麺のやきそばもうまいのだが、それ以上にチャーハンがうまい。「やっぱ、チャーハンはタイ米の方がうまいんだな〜」と改めて思った。
腹が減ってないと言いつつも、結局、2品では足りず、タイ風おかゆを追加注文。おかゆというよりは雑炊なのだが、日本っぽい味がして、これもおいしかった。かなりお腹一杯で満足、満足。会計は?と言うと、チャーハン、やきそば、おかゆ、ビール2本ずつで、280バーツ。1人140バーツ、円で約400円である。う〜ん、安い!「これなら「安いよ、安いよ」を連発しても許せるよな」と2人して納得してしまった。
今日は昨日と違い、飯を食った後も比較的時間に余裕があったので、軽く飲めるようなところを探しつつ、辺りをぶらぶらすることにした。パトンビーチでは洋服の店とアクセサリーの店が目に付く。そこで、物は試しにで、指輪を買うことにした。
値段は交渉制なので、ナトゥに教えてもらったとおり、最初に言われた金額の3分の1の値段から交渉スタート。物によって違うが、大体、指輪1つ800バーツから始まる。そこから500バーツまでは簡単に値切れるのだが、それ以下にはなかなか落ちない。何軒か試してみたが、ほとんど同じである。1個1500円なら日本でもあるので、取りあえずパス。ひとまず休憩することにした。
ちょっと休憩した後、再度、チャレンジ。やはり、500バーツまでは簡単だが、その先に進まない。そこで、値切り方を変えて、俺とさかもの分をたして、2つで600バーツでどうだ?というと、悩んだ末にOK。1つ300バーツ(900円)ならまずまずということで、買うことにした。指輪はともかく、値下げ交渉をするのが面白くて、思っていた以上に楽しんでしまった。
意外と時間を食ってしまったので、外では飲まずに部屋で少し飲むことにして、そのためのビールとつまみをコンビニで購入。海外に行ってもセブンイレブンやマクドナルドがあると、何となくほっとする。こんな時に、「俺って、やっぱ、日本人なんだな〜」と思ってしまうのは、俺だけだろうか?

トゥクトゥクを拾って、ホテルへ。昨日は寝てしまったが、今日こそはデラックスルームの雰囲気を味わいながら飲もうということで、シャワーを浴びて、テラスのテーブルにさっき買ってきたビールとつまみをセッティング。部屋に用意してあったバスローブを着て、海を見ながら(ほんとは暗くて何も見えなかった、写真左の通り^_^)乾杯!
「冷たいビールと涼しい風。う〜ん、ゴージャス....」
「ただでこんな幸せな気分に浸れるなんて、なんて俺はついているんだろ〜....よぉーし、飲むぞ!今日はがんがん飲んでやる!!」と意気込むのだが、2人共どうにもこうにも昼の疲れが残っていて、なかなかグラスが空かない。何とか、飲み干したが、2人して早々にダウン。不本意ながらも、おとなしく明日に備えて寝ることにした。それでも時間は2時をまわっていた。





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