上等さ!OKINAWA
(上等さ=うちなーぐち/沖縄弁で「いい」「素晴らしい」という意味です。左の画像は「万座毛/まんざもう」)


このレポートは始めて沖縄に行って好きになった管理人/私が、沖縄初心者向けに書いた沖縄レポートです。
国内旅行なので日記形式ではありませんが、視点は海外日記を書くときと同じです。今回はリゾートとしてどうなのか、海外旅行並の高いツアー料金を払って行く価値があるのかについてレポートしてみました。

初心者が書いたレポートですので、うちなんちゅう(沖縄の方)は「ないちゃーのてーげーなレポート」(ないちゃー=内地/本土の人のてーげー=いい加減なレポート)だと思って読み飛ばして下さいね^_^;
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沖縄情報のリンク集:
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問題のチケット代

羽田から那覇までは2時間20分(関空からは2時間)、距離は984マイル(約1,584キロ)。
成田-ソウルが740マイルなのでソウルよりも遠く、さらに那覇-札幌は1,398マイル(約2,250キロ)もあって、これは成田-北京の1,313マイルより遠いのです。
国内線として最も遠いからなのか、福岡や札幌のように競争原理が働いていないからなのか、チケット代は高く、羽田-那覇の片道は34,500円もします(往復割引で往復58,800円。関空-那覇は49,000円)。安い時期ならアメリカ西海岸に行ける料金です。羽田-那覇の料金だったらヨーロッパやニューヨークだって夢じゃないのです。
「沖縄には行ってみたいけど、同じお金でグアムやサイパンに行けるし、どうせ行くならもうちょっとお金を足してハワイやもっと遠くに行く」という人が私の周囲には結構います。事実私も沖縄は高いので行く気がしなかったのです。
しかし、航空各社が様々な割引料金を設定していました。

例えばJALやANAの特定便割引なら、羽田朝一番の便で18,000円〜22,000円、帰りは那覇最終便指定で20,000円〜22,000円。さらに事前購入(ANAなら「早割21」)ならば17,750円で乗れます(GW等の繁忙期は無い)。詳しくは国内線各社の航空運賃の比較ができる
「一発比較 国内線航空運賃・時刻表」で調べてみて下さい。
私は朝3時半に起きて、羽田朝5:55発の便指定で19,000円で行きました。沖縄イコール高いというイメージは割引運賃や安いツアーを活用すればある程度払拭できるのです。

ところで、羽田から那覇までは2時間20分(関空からは2時間)ですが、国際線だと機内食もあるし映画もありますがANAの機内サービスは飲み物だけ。映画もあるにはありますが、沖縄が舞台の日本映画の短編のみでした。

那覇空港

那覇空港ターミナルは1999年8月にリニューアルオープンしたばかりで立派。飛行機から降りるとボーディングブリッジに蘭の花の鉢植えが並んでいて到着早々気分を盛り上げてくれます。空港内も木製の椅子が並び天井も高くて気持ちがいいです。しかしこの空港の最大の特徴は設備よりも土産物屋の多さと市内までの近さです。
土産物屋さんの数は40店舗。これは国内最大の新千歳空港の56店舗に匹敵する規模です。搭乗手続をするチケットロビー(3階)と出発ロビー(2階)が分かれているのは、お土産屋さん用の敷地を確保するためとしか思えない程多いです。ここには鮮魚以外何でもあるので、帰る時は出発の2時間位前に来てぶらぶらするのをお薦めします。
さらに、搭乗ゲート(手荷物品チェックゲート)の内側には沖縄県外行きの便の利用者だけが利用できる
「沖縄特定免税品店/OKINAWA REGIONAL DUTY FREE SHOP」があって、大型のコンビニ程度の規模ですが、プラダ、フェンディ、フェラガモ、レスポ等のブランド品(バッグが多い)が免税価格で買えます(葉巻は見ましたが、紙巻きタバコは見なかった)。

那覇空港は那覇市街地の西、南シナ海に面していますが那覇市の中心地までたったの3km。これは空港が近くて私がいつも感心している福岡空港より近く、日本の空港では市街地に最も近く、沖縄のタクシーは初乗りが450円なので中心地からタクシーで行っても10〜15分位で1,000円位なのです(2003年8月に空港と首里を27分で結ぶモノレール「ゆいレール」も開通)。


那覇市の印象

那覇は普通の大きな街です(人口は30万人ですが、人口の割に賑わっています。沖縄県全体の人口は130万。沖縄県の地図はこちら)。
私は少しは「南国沖縄らしさ」(沖縄独特の赤瓦の家が並んでいるとか、パームツリーの並木があるとか、ハイビスカスやブーゲンビリアの植え込みがあるとか)を期待していたのですが、表通りはビルが建ち並んでいて、黄色い看板のプロミスや紳士服の青山や三越もマックもあって、他の都市と何も変わらなく、拍子抜けする程でした。
しかし、那覇で最も賑わっている国際通りでも1本裏通りに入ると沖縄らしさが残っています。国際通りやマチグワー(市場)からも近い壺屋通りには、通り沿いに赤瓦の平屋の木造建築の沖縄独特の家が一杯残っていました。
沖縄は赤瓦の家の他に、格子模様のベランダがついた古いコンクリート作りのビルが多いのも特徴的で、2〜3階建てで一階が店舗、2階以上が住居になっているケースが多く、台風の強風を避ける為に窓に格子が付いているビルもありました。街並みを遠くから見ると白っぽく見えるのはコンクリート造りの建物が多いためで、高さが2〜3階建てで高さが揃っている点も特徴的です。街を歩く人達の服装は内地と変わらず、流行に敏感な年頃の女の子の服装も東京と変わりませんでした。
NHKの朝ドラ「ちゅらさん」の那覇市内のロケ地を紹介したHPがありました:「
ちゅらんさんロケ地めぐり」

沖縄の食

沖縄は全国一の長寿県。沖縄本島北部の大宜味村(おおぎみそん)では人口3,500人に8人の割合で100歳以上の長寿の人が住んでいるそうです(全国平均は10万人に8人)。これは食に何か特徴があるに違いありません。タクシーの運転手さんも「うちなんちゅう(沖縄の人)は体に良いものが好きなんです。私は毎日納豆をたべてますが、体に良いと言われているので食べているだけで、うまいとは思ったことはないんです、はっはっは!」と言ってました。
沖縄料理の特徴を簡単に書くと、「豚・こんぶ・苦い・ちゃんぷる」(ちゃんぷる=混ぜる)ではないかと思います。それぞれについてあまり詳しく書くと長くなるのでやめますが、まず豚から簡単にまとめると。

沖縄では豚は「鳴き声と足の爪以外は全て食べる」食材。ソーキ(骨付き豚あばら肉を泡盛、醤油、砂糖で煮込んだもの)、テビチ(豚足を泡盛、醤油、砂糖で煮込んだもの)、ミミガー(ゆでた豚の耳の酢の物)、ラフテー(豚の三枚肉を泡盛、醤油、砂糖で煮込んだもの)が代表的な料理で、ミミガーはこりこりとしておいしく、煮込みはとろけるように柔らくておいしいしかったです。油身がゼラチン状になるまで煮込んだ豚肉はコラーゲンとビタミンBが豊富なので、健康に良さそうです。

クーブ(こんぶ)は沖縄では採れませんが、全国で最も消費量が多いそうです。豚肉と炒めたり、炒め煮(クーブイリチー)にしたりと家庭でも良く食べるようです。沖縄の人は「もずく」も大好きで、コンビニでも数種類売ってます。内地のもずくは「糸もづく」と言われる細かいもずくですが、沖縄のもずくはちょっと太めでおいしいです。海草と酢醤油ですからこれも体に良さそうですよね。

苦いものの代表選手はゴーヤ(にがうり)。イボイボ付きの瓜で、豆腐、豚バラ肉と一緒に炒めて最後に溶き卵であえて醤油と塩で味を付けた「ゴーヤちゃんぷる」が代表的料理です。薄く輪切りにして炒めると苦さはほろ苦い程度ですが、タクシーの運転手さん2人から聞いた証言によると、昔のゴーヤはもっと苦かったそうで、最近のゴーヤは若い人の味覚に合わせて品種改良されたものだそうです。苦いもの、すっぱいものは体に良いのでこれも長寿の秘訣でしょうか。

最後にちゃんぷるですが、使う野菜によってゴーヤちゃんぷる、マーミヤー(もやし)ちゃんぷるといろいろありますが、沖縄には食文化のちゃんぷるとでも言えるような食べ物があります。
代表選手は「タコライス」。私は最終日に空港で食べましたが一口食べて笑ってしまいました。御飯の上に挽き肉、チーズ、レタス、トマトが乗っていて、チリソースをかけて食べるのです。タコスの代わりにご飯を使っているだけなのですが、タコスの具と御飯の味が、口の中ではっきりと分離されて認識されるのが妙で笑ってしまいました。南米から引き揚げた移民の影響で定着したものだそうです。

沖縄では「沖縄そば」も独特です。そば(うちなーぐちでは「すば」)のスープは、豚骨を煮込んだスープに醤油とかつおと昆布のだしを加えた独特のスープで(九州の豚骨スープのように濁ってはない)、麺は小麦粉を灰汁(木炭を水に入れてできた上澄み)で練って作るそうで、うどんの乾麺をゆでて透明感を無くしたような感じです。トッピングはラフティ(豚の皮付き三枚肉)、ネギ、紅ショウガ、沖縄かまぼこです。
紅ショウガを入れすぎるとスープの味が変わってしまうので要注意ですが、沖縄そばはあっさりしておいしかったです(毎日食べてました)。うちなんちゅうは調味料として唐辛子を泡盛につけて瓶に入れたコーレーグースを入れたりして食べていました。

沖縄料理は、琉球王朝の宮廷料理(中華・日本料理の影響を受けている)、アメリカ料理(ステーキハウスが多い)、南米料理、昔からの庶民の料理のちゃんぷるなのです。

沖縄料理については、私の沖縄関連のアドバイザーさとこさんに「さとこの沖縄料理紹介」を書いてもらいましたので、ぜひ読んでみて下さいネ!

沖縄のビーチ

さあ、これからが本題です。
沖縄のイメージとして多くの人が思い浮かべる「青い海・白い砂」というイメージは正しいのでしょうか?答えはイメージ通りでした。
那覇市最大の繁華街「国際通り」から1km位しか離れていない「波の上ビーチ」からして私には驚きの透明度でした。引き潮の時は水深が浅くなるのであまり美しさを実感しませんが、満潮の時間はかなり美しいです。白い砂(どこかの島から運んで来ていると思われる)には小さな貝や赤やオレンジ色の珊瑚のかけらが混じっていて、綺麗な石や貝拾いが好きな私にとっては嬉しいビーチでした。
白い砂、エメラルドグリーンの海が市街地に隣接しているのですから那覇市民は幸せ者です。
しかし、タクシーの運転手さんが言うには「沖縄で一番汚い海」。その運転手さんは「宮古島が一番綺麗で、海の透明度が抜群だし砂が全然違う。沖縄本島では伊計島付近が綺麗」と言ってました。
私はこの運転手さんと話す前日に伊計島に行ってましたが、確かに伊計島、特に宮城島と伊計島を結ぶ伊計大橋付近は綺麗でした。下が波に浸食された隆起珊瑚の岩と珊瑚礁が透けて見えるエメラルドグリーンの海は内地では見れない風景でした、この風景こそ沖縄の海の最大の特徴で、この風景は沖縄本島でも万座にある「万座毛」で見ることができます。

ビーチは透明度の違いはありますが、どこでも白い砂で、しかも人気(ひとけ)の無いビーチも一杯あります。私が言ったビーチでは沖縄本島北部名護市の東海岸にある大浦湾の北側(カヌチャリゾートの手前)のビーチは2km位続くビーチなのに休日でも数人しかいませんでした(駐車場もビーチハウスもありませんけどね)。誰もいない真っ白なビーチでぼーっとできるなんて贅沢な環境です。

リゾートとしての沖縄

リゾートとしての沖縄は、思った以上のものではなかったです。
確かに一部のリゾートホテルは素晴らしく綺麗で内地には無い雰囲気を持ってますが、リゾートホテル以外の有名なビーチは趣味の悪い看板や売店が並んでいて興ざめでした。もちろん趣味の悪い看板の数は内地のビーチに比べれば格段に少ないし、海の家も無いのでそこは救いでしたが、ビーチでFM放送を流すのだけはやめてもらいたかったです(「波の上ビーチ」の事です)。

リゾートはビーチだけでなく周辺の地域も含めてリゾートらしい雰囲気作りが重要なのに、せっかく綺麗なビーチがあるのに、リゾートらしさを演出する努力が足りないと思いました。
リゾートホテルは3軒見て回りましたが、万座ビーチホテルはロケーションが抜群でビーチも綺麗ですが吹き抜けになっている内部は思った程高級リゾートホテルらしい演出は少なく、ちょっと残念でした。
東海岸の大浦湾に面した
「カヌチャベイホテル&ヴィラス」と西海岸の部瀬名岬にある「ザ・ブセナテラス・ビーチリゾート」は素晴らしいホテルでした。
特に九州・沖縄サミットの首脳会議の会場になったブセナリゾートは、品の良い色調のロビーフロアーや他のフロアーも開放感があって素晴らしい内装でした。しかしツインで3.5万円からですから高いです。まあ、リゾートホテルに泊まればマリンスポーツがいろいろ楽しめますから良いのではないでしょうか。

どのホテルでもアクアバイク、マリンジェット、ローボート、プレジャーボート、ペダルボート、シーバス遊覧飛行、体験ダイビング、水上スキー体験、シーカヤック、ドラゴンボート、スキービスケット、マリンジェット、スノーケル、ウエークボード等々、だいたい揃ってます。
ショッピングもマリンスポーツもビーチでのんびりもしたいという人にはハワイとかグアムがいいですが、マリンスポーツを楽しんでのんびり過ごしたいという人には、沖縄は時差も無いし海が綺麗なので向いています。


沖縄らしさ

・沖縄は沖縄本島の面積の20%が米軍基地で占められているので、沖縄本島中部から北はアメリカ人が多く道にも軍用トラックが結構一杯走っています。高速道路の入り口の自動高速券発行機のアナウンスは、沖縄自動車道の場合「プリーズ テイク ア ティケット!」と英語でしか言いませんでした。高速を走っていても表示板は「速度落とせ」と「SLOW DOWN」が交互に表示されてました。

・沖縄は糸満市の「FMたまん」、コザ(沖縄市)の「FMちゃんぷら」の2つの「コミュニティーFM局」と呼ばれるローカルFM局があって、まったく理解できないうちなーぐちの番組もあります。ニュースでは「きょうは5月2日、旧暦の3月28日です」となぜか旧暦を言っていて、なぜだろうと思っていたら、うちなんちゅうは願い事を満潮の日にするそうで、月齢に基づいた旧暦が生活に浸透しているようです。レンタカーに乗ったらぜひFM局を聞いてみて下さい。チューナーで自動サーチをすると英語(AFRTS/米軍放送。テレビ放送もあった)、北京語(台湾)や韓国語のFM局まで入ってきて、FMまでちゃんぷる状態でした。これも沖縄らしいです。

那覇の国際通りの第一牧志公設市場(まちぐわー)に行って鮮魚売場を見ると、沖縄の海が熱帯の海だと実感します。特に原色の魚、青い魚(いらぶちゃー)や赤い魚(みーばい)には驚かされます。果物売場にはモンキーバナナのような「島バナナ」や「マンゴー」、「タンカン」等の南国のフルーツも一杯あって、沖縄らしい食材を見るのに最も向いた場所です。市場には肝臓に効くと一躍有名になった「うっちん」(うこん=しょうがの一種)も安くて一杯売ってます。

首里城(2000年12月に「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の一つとして世界遺産へ登録)にも行きましたが、1992年に再建してから、観光客が一杯来るようになったとタクシーの運転手さんが喜んでいました。行ってみると明らかに内地の城郭建築とは違い、真っ赤な朱色の柱と壁、オレンジ色の瓦は中国に近く、石垣も内地の積み方とは違っていました。これも沖縄らしさを感じさせてくれます。

・沖縄の地名は読めない地名が多いのです。東風平(こちんだ)、南風原(はえばる)、中城(なかぐすく)、金城(きん)、読谷(よみたん)、平良(ひらら)と独特です。

・沖縄の家の門柱には「シーサー」という魔除けの獅子の焼き物が左右対になって取り付けられています。必ずあるという訳ではないのですが、門柱以外にも屋根の勾配の中央部分にも取り付けられています。お土産の定番でもあります。

・沖縄らしさと言えば、伝統的料理の他にも沖縄でないと食べれないものや飲めないものがあります。
まず
オリオンビール。アサヒのスーパードライに似た味でさっぱりしたおいしいビールです。今は沖縄サミット記念缶になってます。さらにアメリカから来て定着したファーストフードチェーンのA&Wのルートビア(ビールではないです、単なるジュースです。内地でも手に入りますが私は薬臭くて大嫌いです)、BLUE SEAL(ブルーシール)アイスクリームも沖縄では誰でも知っている定番アイスクリームですね。
他にも内地ではまったく見ない「さんぴん茶」(飲んでみたらジャスミン茶でした)、すだちに似た「シークァーサー」という独特の味の柑橘類のジュース、「海ぶどう」というプチプチした海藻、沖縄オリジナルの衣装を着た「琉球リカちゃん」、お土産の定番お菓子「ちんすこう」(ボソボソしていて、管理人の感想は”いまいち”)、チョコジャムなどをつけて食べる「塩せんべい」も沖縄独特です。
こうやって書いていると、沖縄独特の食べ物、飲み物は多いですね、改めて感心しました。

レポートは以上です。
沖縄はのんびりしています。高速道路を走っている車も80〜100km位でのんびり走っていました。街には他の都市に比べて子供と老人が多く、元気な老人(うちなーぐちで「おばあ」と「おじい」)が市場でも一杯働いていました。暖かい気候と豊かな自然、体に良い食べ物、それにいつまでも働ける環境が長寿の秘訣なんだろうと思いました。
今回のレポートではひめゆりの塔や平和祈念公園のことは書きませんでしたが、うちなんちゅうは当時の人口の4人に1人(20万人)が地上戦の犠牲になった沖縄戦の戦跡にはぜひ行って欲しいと言ってました。

沖縄は美しい自然と独特の文化が魅力的でした。
あまりリゾートらしさを追い求めると期待外れかもしれませんが、割引料金を活用して安く行ければ充分魅力的で「上等」です。