【バンコク観光】

夜中にまたしてもドバイで乗り換え。相変わらず蒸し暑いところだ。ドバイから約6時間を経て現地時間14:00にバンコクに到着した。
バンコクでは深夜1:55に出発するまでの半日のトランジットだ。
会社の荒岡さんから借りた「るるぶタイ」で行くところは大体決めていたが、主要な観光スポットは夕方までに閉まってしまうので、急いで市内まで出なければならない。
早速出国手続きをして、タクシーを探した。市内にはバスで行くのが一番経済的なのだが、バンコクは渋滞もひどいし、時によっては2時間もかかってしまうこともあるらしいので、今日のような時間のない日はタクシーが最適だ。
一番最初に目についたのがリムジンタクシーのカウンターだった。しかもベンツ。
最初の目的地「王宮・エメラルド寺院」は15:30で閉まってしまう。早く行きたい。
「乗っちゃおうか?」 「乗っちゃえ!」 生まれてはじめてベンツに乗ってしまった。
料金は650バーツ(2400円)と割高だが、シートも広いし、しかも速い。運ちゃんに「時間がないから急いでくれ」といったせいもあってか、パブリックタクシーもどんどん抜いて行く。さすがベンツだ。
観光の後は旅の疲れをいやすためタイ式マッサージに行こうと思っていたので、車の中で運ちゃんに「どこかいいマッサージ屋を知らないか?」と聞くと、運ちゃんはニヤニヤしながら「いいとこあるよ」とパンフレットを差し出し、「別の意味の」マッサージ店を紹介してくれた。確かにそれもよさそうなんだけど...いやいやそうじゃない。いくら言っても次々に「別の意味の」店しか教えてくれないのであきらめて話題を変える。
そうこうしている間に、通常1時間はかかる道のりを45分で到着。時刻は15:00。充分に観光の時間がとれた。

王宮の入り口を入ると、係員が「ズボンを貸すから、はけ」とショートパンツをはいていた僕らにいった。デポジットとしてクレジットカードを渡し、ベージュの軍パンのようなズボンを借りる。タイの人々にとって王室は神聖な場所なので、肌を露出した格好では中に入れないのだ。(女性の場合は腰布をつけていた)
チケットを買い(125B=460円)、王宮への門をくぐる。
「デュシットホール」「エメラルド寺院」など、各建物は装飾がきらびやかで美しく、まさしく王の権威を象徴している。
「すっげえ金かかってるよ、これ」などといいながら豪華絢爛な建物を見学。
木村は「柱や壁に宝石がちりばめられており、私利私欲の限りをつくした王様だ。そんな王様に俺もなりたい。」とたいへんバチあたりなことをいっていた。

ズボンを返し、次に「ワットポー」に移動。ここは全長49m、高さ12mの横たわった巨大な仏像が有名な寺院だ。

中に入って実物を見てみると、その大きさに圧倒。しかもすべてが金箔で覆われている。「うーん、これも金かかってそう」とひとりつぶやく。
でも「何で寝てるんだろう。なまけものの大仏だ。」とちょっと気になったが、リクライニングブッダといってタイにはこんな昼寝をしているような大仏が多いそうだ。(涅槃=ねはん の境地に達したことを表しているそうで、涅槃仏とも呼ばれる)

ワットポー見学が終わるともう17:00近くになったので、「ワットアルン」の見学はあきらめることにした。(ワットアルンは17時閉館)
「でもせめて対岸からの写真だけでも撮ろうよ」ということになって、チャオプラヤ川の船着き場まで行き、対岸から見えるワットアルンを撮る。
船着き場にいると、チャイニーズアーミーと名乗るオヤジが「ムエタイを見に行かないか?」と誘ってきたが、うっとおしくてインチキくさかったので断り、再びワットポーへ。
実はワットポーはタイ式マッサージを開発した場所で、ここでマッサージも受けられるのだ。慢性肩こり症の僕はマッサージが大好きで「タイに行ったら絶対タイ式マッサージに行くぞ!」と心に決めていた。
40分ほど待って120B(440円)を払い、30分コースのマッサージを受ける。(残念ながら担当はおばちゃん)
日本でよくある15分マッサージなんかと違い、全身の筋肉をほぐしてくれるので、本当に疲れがとれる。「うーん最高。このままずっとこうしていたいよ。」
身体をおもいっきり曲げられて、あちこちがポキポキなるのが心地よく、いつのまにかうとうとしてしまうくらいだった。
木村も「気持ちよかった。これもきっと自らの側近にやってもらうために王様が考え出したものに違いない。俺も彼女にマスターさせて王様気分を味わおう。ムフフ。
できれば若い女の子にやってほしかった。」と満足そうだったが、彼の王様像はどうやらこの世の楽園的なイメージらしい。

すっかり血液の循環も良くなり、長旅の疲れをいやした僕らは、タイ雑貨を購入するためタクシーでサイアムスクエア近くの「プラトゥーナムマーケット」へ。
マーケットで僕は木の箸(20B×5本=370円)、お椀(45B=170円)、スリッパ(90B=330円)を購入。
木村はブランケット(600B=2200円)、籐のスリッパ(僕も自由が丘の雑貨屋で購入して以来愛用中の一品。夏は超オススメです)、木の箸などを買って満足。
その後ワールドトレードセンター(WTC)を見学したが、お店も閉まりはじめていて特にみどころもなかったので、WTC前のドラッグストア「WATSONS」(マツキヨみたいな店)まで行き、おみやげのおかしやピーチの香りのボディシャンプー(→すごい安かった。約180円。)などを購入し、ひととおり買い物を終えた。

今日は昼食もとらずに行動していたので、さすがに二人とも腹が減ってきた。
近くの屋台村のようなところに行ったのだが、ここがとにかく安い!二人でトムヤムクン(30B=110円)、焼き飯(25B=90円)、太麺ヤキソバ(30B=110円)、チキンヌードル(50B=180円)、シーフードヌードル(50B=180円)を頼み、約700円(1人あたり350円!)でおなかいっぱい。バーツ安とはいえ、この値段は驚異的だ。
木村も「安さとうまさに感激!」(タイの人々の外食率は意外に高いため、安くてうまい店でなければ生き残っていけないらしい。キッチンがない家も少なくないのだそうだ。)
「こんなに安くていいの?」と日本の物価の高さを再認識した僕らは、記念にバンコク屋台の写真を撮りタクシーでエアポートに戻った。(ちょっと渋滞し、1,5時間かかる。200B=740円)

全日空カウンターにて23:00頃チェックイン。お互いバーツがまだ余っていたので、空港内のタイレストランに行き「食べおさめだ!」といいながら再びタイ風ヌードル、水、コーヒー、紅茶の食事。(ちょっと食いすぎ)
僕らは「もう食えないよ」と腹をおさえながら店を出て、DUTY FREE内の雑貨屋で扇子を二つ購入(85B×2)し、残ったバーツのほとんどを使い切った。
深夜1:30、NH926便に37番ゲートより搭乗。約7時間のフライトに向け、定刻通り1:55に飛び立った。微笑みの国タイへの短い滞在も終わり。この国にももう1度ゆっくり来てみたいものだ。次にタイに行くときはチェンマイ・アユタヤなどにも足をのばしてみよう。
ユナイテッドのマイレージプラスでのアジア航空券ゲットまであと1000マイルなので(クレジットの「UAカード」を作り、お買い物でせこせこ残りのマイルをためてます)、マイルがたまったら絶対行こうと思う。


1998年8月22日(土) 9日目

【帰国】

飛行機はガラガラだったので、シートも広く使えてよく眠れた。
到着2時間前に出た朝食のパン、オムレツ、そばという組み合わせはあいかわらず変だが、久しぶりの日本メニューにちょっと落ち着く。
機内で読んだ新聞で、夏の甲子園が準決勝まですすんだことを知り、「日本を離れていたんだなあ」ということを実感する。
飛行機は日本時間10:15に成田到着。ツアーの皆に別れを告げ、手荷物検査にひっかかることもなく(昔、香港帰りに荷物を開けられてとっても不快だった)、翌日の飛行機で高知に帰る木村とともに帰路に着いた。

田中さん(このホームページ管理者)もそうらしいが、僕も帰ると必ずラーメンを食べたくなる。木村とともに、武蔵小杉のマルセンという有名なラーメン屋でラーメンを食べ、ホッとする。こんな時、「日本はいいなあ」と思うのだが、旅はそれでも止められない。そこには新たな感動が待ち受けているからだ。ラーメンを食べながら「次はどこに行こうかな」と早くも思いをめぐらす僕なのであった。

※ 余談ですが、ラーメンを食べている途中僕だけいまだかつてない猛烈な腹痛に見舞われて動けなくなり、その後2日間苦しみました。おそらくバンコクで食べたものの何かがあたったのでしょう。つけあわせの生野菜やミネラルウォーターの中の氷も危ないらしいので皆さん注意しましょう。


【あとがき】

まずは木村君の感想から。
「今回は移動が多く、体力的には相当疲れたものになってしまったが、それを完全に上回るエーゲ海の青い海と空。それに白い建物。そしてそれらが織り成す眺めとサンセット。さらに金髪。白・青・オレンジ・ゴールド(?)の配色に彩られた9日間だった。この汚れた地球にもまだこんなに美しい楽園、まさしく}スーパーパラダイス~が存在するのか。」
なお彼の今後の目標は@金髪とのコミュニケーション Aめざせ王様
だそうです。

全体としての感想は前述の木村にゆずるが、予想以上に素晴らしい場所だった。
昔はロンドン、パリ、LAなど「世界の大都会を見てみたい」という気持ちが強く、そういう所ばかり行っていたが、最近は「きれいな景色が見れるところ」とか「心が落ち着けるところ」など旅をする目的が少し変わってきたような気がする。
要は「非日常」を求めているのだ。そう思うと「歳をとったのかなあ」という気もしてくる。
次はスコットランドや湖水地方など、イギリスの田園地帯を見てみたい。イギリスは昔、ロンドン・リバプール・マンチェスターとUKロックの聖地巡礼ツアーをやったが、いまは広大な田園地帯に羊がたくさんいるようなのどかな風景に惹かれている。
今回のツアーも、当初は「のんびりしよう」と思っていたのだが、貧乏性からか、相変わらずあちこち動き回って忙しい旅になってしまった。次にこういう場所に行った時は、自分の辞書に「ゆとり」という言葉をいれておきたいものだ。

「日記に残すことにより、時の経過とともに忘れかけていく記憶が読み返すたびによみがえるんだよ。」と旅日記の良さを教えてくれ、「松原がエーゲ海日記を執筆中!!」とメールで会社の皆に言いふらすことにより応援してくれた田中さん、どうもありがとうございました。稚拙な文章ではありますが、なんとか完成をみることができました。田中さんの言う通り何事にも代え難い、貴重な財産です。
また最後に、今回の旅に同行してくれた木村君。本当にありがとう。
君ほど僕のわがままに文句もいわず付き合ってくれる人もいないよ。今回の素晴らしい旅の記憶を君と共有できたことを嬉しく思い、記憶がうすれていくことのなきよう、この日記を贈ります。


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