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第2日目 9月22日(金) 韓国:晴れ

水原(スーウォン)へ

今日は水原というソウルから地下鉄で1時間くらい離れた郊外に行く日だ。
当初の予定では今日はソウル市内を観光して、明日水原に行こうとしていたが、ガイドの金さんにそのことを話したら「明日は土曜日なので混雑が予想されるから今日のほうがいいのではないか」と言われ予定を変更した。
母と姉は朝7時には起きていたようだが、私はうだうだと寝ていて7時20分ごろ起床。
女のくせに支度にはあんまり時間がかからないので、8時過ぎにはホテルを出発!地下鉄の最寄り駅まで歩き、駅構内にあるパン屋さんでパンや牛乳など3人分(5,500ウォン)を買い、水原までの切符(1,300ウォン/1人)を買って電車に乗り込む。日本ではまだまだラッシュの時間帯なのにそれほど混んでなく、すぐに座れ、しかもしばらくするとどんどん人が降りていった。乗った電車は水原までではなく途中までだったので1度乗り換え9時ごろ水原に到着した。

韓国民族村へ

水原で行きたいと思っているところは民族村と世界遺産に登録されている「水原の華城」の城壁巡りだ。
民族村は韓国の伝統文化や固有の生活様式が見られるテーマパークで、どう回ったらいいかよくわからなかったので、駅前にある観光案内所に行って聞いてみることにした。そこの観光案内所は親切にも「日本人の方はお入りください」と書いてあったので遠慮なく入り、何人かいるうちの1人で日本語がとっても上手で陽気なアジュマに行き方や行く順番を教わった。
まずは37番バスに乗って民族村に行くのが一番効率的だということがわかり、お礼を行ってバス停まで向かった。バス停といっても通りにいろいろな番号のバスが次から次へとやってくるので、自分の乗りたい番号のバスが来たら駆け寄って素早く乗り込むのだ。15分もしないうちに37番のバスがやってきたのでバス代(800ウォン/1人)を前払いして乗り込んだ。乗り物に乗るとあっという間に眠くなる私は景色もそこそこに見てあとはずっと寝てしまっていた。30分くらいで民族村に到着。

子供たちの集まる民族村

バスを降りると遠足と思われる学生や幼稚園児がたくさんいた。幼稚園児はみんなお揃いの園服のような色とりどりの運動着を着ていてとてもかわいらしかった。入場料(8,500/1人)を払い中に入ってみることに。
場内に入ってすぐにチョゴリを着て写真を撮ってもらうところがあったので、姉と2人で着て写真を撮ってもらうことにした。2人で2枚写真を撮ってくれて20,000ウォンと相場より安かった。チョゴリも簡易チョゴリのような服の上から簡単に着られるもので、好きな色を選ばせてくれた。

12時からの農楽の公演の前にいろいろと場内を見てみることに。地方ごとの昔の民家の様子やお寺を見てまわる。
公演時間の少し前に円形の野外公演場に行くとほぼ満席でみんな座ってお弁当を食べていた。ほとんどが幼稚園児で埋め尽くされ、お弁当をのぞくと9割がたのり巻をタッパに入れて持ってきていた。かわいい子供たちを見ているだけで楽しかった。農楽という伝統芸能はとても素晴らしく、15人くらいの男性が太鼓などをたたきながら輪になり踊ったり、もう1つは3人の女性がかわりばんこにシーソーのような木の板に立ちその上で交互に飛んだり跳ねたりと芸を披露してくれた。とても素晴らしく圧倒されてしまった。約1時間のショーだったがあっという間に終わり、今度は伝統結婚式を見に行った。韓国語の説明があまりわからなかったので少しだけ見てから他のところも適当に眺め、奥にある市場へ行きパジョンとキムチのお好み焼き(10,500ウォン)を食べた。あまり遅くなるといけないのでお土産を見がてら写真をピックアップして民族村を出た。平日のおかげで週末に比べたらそれほど観光客はいないのだろうが、すごい数の遠足の団体がいて最初は本当にかわいいと思っていた子供たちも、だんだん時間が経つにつれやかましくてうざく感じてしまった。

タクシーの運ちゃんとの城壁巡り

15時過ぎに再び水原駅に戻り朝行った観光案内所に行く。
今朝のアジュマがタクシーの運転手に交渉して30,000ウォンで城壁を周ってくれることになった。水原は長さ5.5kmの城壁に囲まれていてその城郭はユネスコの世界遺産にも登録されている。まずは西将台へ行き観光案内所にいる日本語がしゃべれる男の子に案内してもらう。
高台から眺める景色は住宅街が密集していた。男の子は短大を卒業してアルバイトでこの観光案内をしていると言った。とても日本語が上手なのでどこで習ったのかと聞くと、短大時代の2年間で勉強したと言う。中学から英語を勉強していて短大でも英文を専攻しておきながら英会話もままならない私はとても恥ずかしく感じてしまった。
タクシーに戻り、韓国ウォンが残り少ないので両替をしに銀行に寄ってくれないかと言いたかったが、タクシーの運ちゃんは日本語が全然しゃべれず、いちいち先ほどの観光案内所のアジュマに電話をして通訳してもらった。観光地にいて日本語を話す機会が充分あるだろう運転手が全然しゃべれないというのは問題があると思う。そもそも話そうとする努力すら少しも感じられずかなり驚きだった。さっきの男の子は興味があったからと言って2年間で日本語をマスターしたのに比べると、本当にいろんな人がいるものだと思った。銀行は16時までだったのでけっこうギリギリだった。
パスポートを所持していなかったので番号を伝え、なんとか両替してもらうことに。
次は華西門というところで降ろしてもらい城壁を歩き、続いて華紅門と呼ばれる北側の水門へと連れて行ってもらった。銀行に寄って手間をかけたりいろいろなことをしてもらっていたので、運ちゃんは30,000ウォンでは不服になってきたのか、アジュマに電話をかけやはりメーターの金額にしてほしいと怒り口調で言っている。私たちもそれでいいと思っていたのでそうしてもらうことに。

その後はかなりご機嫌になり写真を撮ってくれたりしたのは言うまでもない。けど、そういった不平不満はアジュマにはストレートに言うのに私たちにはニコニコして何も言ってくれない。電話の会話で単語を拾ったり、しゃべり口調を聞けば、大体この人が何を言っているのかわかってしまうのがわからないのだろうか?地元なのにぜんぜん道がわからなかったり、同じことを何回も何回も確認したり、言葉が通じない寂しさよりも、運ちゃん自身の頭の回転のトロさにかなりイライラしてしまった。城壁は一通り観光したので夕飯を食べようと思っている農協カルビへと連れて行ってもらい運ちゃんとはお別れした。

敢えて書かないが最後の最後まで運ちゃんには閉口させられた。城壁巡りの思い出よりこの運ちゃんに対する思い出のほうが数十倍である。結局お会計は35,000ウォンで大した差はなかった。

農協カルビ

水原は水原カルビ祭りというお祭りがあるくらいカルビが有名なところなので、迷わず今日の夕飯は焼肉に決定!カルビを食べる前に農協内にあるスーパーへ。
海外のスーパーはどこへ行っても魅力的でおもしろく、重いけどビールと珍しそうなお菓子などをお土産に買ってみた。焼き肉店は何軒かあったのでそのうちの流行っていそうなところにした。考えてみれば今日初めてとるまともな食事のような気がする。
生カルビ、味付カルビ、トックカルビ(ハンバーグのようなもの)を頼んでビールといっしょにサンチュに巻いてもりもり食べた。お肉以外にもキムチをはじめサラダや他の付け合せ的な食べ物もたくさんでてきた。
最後に冷麺を頼んで食べているとまたデザートとしてきのう飲んだニッキ味のジュースがでてきた。お会計(43,500ウォン/3人)をしてもらっているあいだにタクシーを呼んでもらった。帰りのタクシーは道が混んでいて少し時間がかかって水原駅に到着。(Taxi:5,400ウォン)
帰りは地下鉄だと1時間かかるので列車でソウル駅まで行こうと列車に乗りあっという間に30分でソウル駅に着いてしまった。切符を渡すと列車のチケットがないと言われる。それもそうだ地下鉄の代金しか払っていないのだ。言われた通りの金額(7,200ウォン/1人)を払う。 英語が通じたので特に問題もなく切り抜けられて助かった。やっぱり言葉が通じるって素晴らしい!それからタクシーに乗ってホテルへと帰った。(Taxi:2,200ウォン)22時前にホテルに着き、今日は早めに23時半には就寝した。

第2日目 9月23日(土) 韓国:晴れ

ソウル市内観光!

きのうと同じ7時20分ころ起き、1時間後にはホテルを出発。その前に明日行こうと思っている韓国エステの汗蒸幕/ハンジュクマク(石と黄土を積み上げたドーム/幕の中で松の木を燃やし、ドーム内を熱し遠赤外線効果により、体の内部まで温め血液循環と新陳代謝を良くする600年の歴史を誇る女性の全身機能を高める美容健康法)をホテルの人に予約してもらうことに。
私たちの行こうとしていたところはとても遠いから、明洞(ミョンドン)の汗蒸幕はどうかと言われそこにしてもらった。
今日はソウル市内を観光ということで、まずは地下鉄で昌徳宮(チャンドックン)へ向かった。入場料(2,200ウォン/1人)を払い中に入ろうとすると日本語のガイドは10時半からだと言われ断られる。ガイドなしでもいいから見せてくれないかと言ってもダメなので、隣にあるこれも世界遺産に登録されている昌慶宮(チャンギョングン)に向かった。

隣といっても20分くらい歩いて到着。
入場料(700ウォン/1人)を払い中へ。第4代国王世宗が引退した父王太宗のために1419年に建てたものらしいが、何がなんだかさっぱりわからなかったので日本人観光客の団体に混じって少し説明を聞きざっと見回して出てきてしまった。10時くらいには昌徳宮に戻りアイスを食べながら見学ツアーが開始されるまで待っていた。10時半になり正門に行ってみると5、60人は集まっている。いろんなツアーの団体さんも一緒にまわるようだ。こんなに大人数がいて説明が聞けるのかと思ったら、ちゃんと拡声器を用意して話している。ガイドのお姉さんは原沙知絵似のとても美人なお姉さん。最初はふむふむと説明を聞いていたのだが途中から暑くて飽きてきたので、なぜか「ドレミの歌」の英語バージョンを唄いたくなり母から教えてもらい♪ Doe a deer a female deer・・・ ♪ と軽く20回以上唄っていた。たっぷり1時間20分の見学ツアーで私が学んだのはこの建物の歴史ではなく「ドレミの歌」英語バージョンである。完璧にマスターして気分よくお昼を食べに行った。

サムゲタン

鍾路(チョンロ)にある土俗村(トソクチョン)というお店のサムゲタンを食べにタクシーで向かった。(Taxi:1,700ウォン)ここはおいしいサムゲタンを食べさせると有名なお店でサムゲタンを2つとパジョンを1つ頼んだ。周りを見回すと1人1つサムゲタンを頼んでいた。
サムゲタン/参鶏湯にはキムチはもちろんカクテキ、ニンニク、辛みそ、人参酒もいっしょについてきた。ぐちゃぐちゃに混ぜて食べてみると中にはニンニク、高麗人参、栗、なつめ、ギンナン、松の実・・・などいろいろなものが入っていた。身体に良さそうな味でとてもおいしかったけど、時々感じる高麗人参の味がどうしても気になってしょうがなかった。近くの席に座っていた韓国人女性は高麗人参をまるごとバリバリ食べていてかなり驚いた。とてもおいしく何より店の雰囲気が良かったので居心地が抜群だった。お会計(35,000ウォン/3人)をすませ店を後にする。

イテウォン

イテウォンまではタクシーで向かった。距離的には近かったが上のランプが黄色い「模範タクシー」という初乗り3,000ウォンからのタクシーに乗ったので3,000かかった。(普通のタクシーの初乗りは1,300ウォン)韓国ではタクシーに相乗りするのは日常茶飯事なことでガイドブックにも書いてあったし、韓国に行ったことのあるトモダチに聞いていたので知っていたが、例えば一人の人が乗る場合日本では後部座席に乗るのが当たり前なのに韓国ではみんな助手席に乗るのだということは知らなかった。とても奇妙な光景だし、まるでデートみたいだ。

イテウォンは東大門の皮革店で売られている皮革製品が卸されている店が多くあるのだが、比較するとやはり数倍は高くなっていた。
ハミルトンホテルの中に入っている皮革店に行きたいと姉が言うのでそこに向かった。デパートに入ってエスカレーターに上るところにネイルアートがあったのでいくらかと聞くと15,000ウォンという。とりあえず上に行ってみたけど高い皮製品を気に入ってほしくなっても困るので1人でネイルアートをやろうと思い下に戻った。アジュマに12,000でやってくれないかとお願いすると、渋々だけどうなずいてくれたのでやってもらうことにした。フレンチスタイルのネイルアートだと言って見本となるポスターを見せてくれたけど、そこには思いっきり「ニューヨークスタイル」と書いてあった。まぁ何スタイルでもいいやと思い始めてもらった。
アジュマの言うフレンチスタイルというのは女性にはわかると思うが、先っぽが白くなっているやつで、爪をきれいに整えてくれて、甘皮もきれいにし、ハンドマッサージをして......と安いわりに本格的にやってくれた。
ベースコートを塗ってからピンク色のマニキュアを塗り先っぽを白くして、スパンコールを散りばめてトップコートで仕上がった。とってもかわいらしい!15,000ウォンでも高くないなと思うくらいだった。終わったころ母と姉が戻って来たのでアジュマと一緒に写真を撮ってもらって店を後にした。
姉は気に入った皮のコートがあったらしく丈を詰めてもらっているから1時間後にまた取りに行くと言っていた。それまで時間があったのでマクドナルドで休憩をすることに。
日本では今はないサンデー(1,100ウォン、安い!)を食べながら一息ついた。なんでおいしいのになくなったのだろう。台湾にもあったぞ。時間になり先ほどのデパートに戻ってイテウォンでの買い物は終了。

南山公園

次は私の希望で南山公園に行くことにした。
南山公園は小高い丘にありそこまではケーブルカーで行くことになっている。タクシーをつかまえケーブルカー乗り場まで連れて行ってもらう。(Taxi:2,800ウォン)
ケーブルカー(往復4,500/1人)の所要は3分20秒とあっという間に上まで運んでくれた。南山公園から見るソウルの街は光化学スモッグの影響かしらないが、霞んで見えてあまりよく見えなかった。さらにソウルタワーでもっと上に行けるがあまり景色がよくないのでやめることにした。
南山公園の近くには安重根の記念館があるのでそこに行ってみたかったが閉館時間の17時になろうとしたので諦めた。安重根は伊藤博文を暗殺した義士で韓国では英雄として扱われている。なぜこの記念館に行きたかったかというと、高校時代の試験で常に一夜漬けしかしてなかった私は日本史まで手がつけられなくなって山に山をかけて安重根だけを丸暗記した思い出があったからだ。
山をかけただけあって試験問題の安重根の問いにはパーフェクトだったけど実際その問題の占める割合はほんの少し。赤だけはまぬがれたけどかなりギリギリだった。そういうのは毎度のことだったので特に苦い思い出でもなければなんでもなかった。屋台でスルメみたいなのを買って食べながら再びケーブルカーに乗り戻って来た。

明洞(ミョンドン)の街へ

夜はトモダチから勧められていた「明洞餃子」でマンドゥ(饅頭)を食べる予定だったので明洞へとタクシーで行った。
韓国のタクシーはとにかく安い!どこへ行くにもタクシーに乗ってしまう。日本もこのくらい安ければなぁ。
夕飯まではちょっと時間があったので明洞聖堂まで連れて行ってもらった。(Taxi:4,000ウォン)夕方にはミサがあるらしく、ちょうど始まろうとしているのか人々が集まり始めたのでいっしょになって座って休んでいた。
ウトウトして気づいたらミサが始まりうたを唄ったり、神父さんの言葉を聞いたりしていたがさっぱりわからず飽きてきたので出てきてしまった。よく眠れたしいい休憩場所になった。明洞の街に足を踏み入れるとたくさんの人々がいて日本の新宿のような印象を受けた。
韓国人の女の子同士は本当にべたべたと手をつなぎあって仲良さそうに歩いている。一目で日本人か韓国人かの見分けがつけられる。男の子同士はそこまでではないが妙にぴったりくっついて歩いている気がするのだが気のせいなのだろうか?

「明洞餃子」はすぐに見つかり、席に案内された。メニューは5品くらいしかなかったのでマンドゥ/饅頭とタンメンみたいなのとキムチ風味の冷麺を頼んだ。前払いで先にお金を払い(15,000ウォン)しばらく待っているとまずキムチが3皿きた。どこのお店に入っても必ずキムチがついてくる。ファミレスでお冷やとお絞りが出てくる感覚と同じくらいに当たり前に出てくる。
噂のマンドゥはとってもおいしく、ここのもう一つの名物「カルグクス」(ワンタン入りの煮込んだキシめんみたいな麺だった。画像左下)もキムチ冷麺もとってもおいしかった。特に期待していなかった冷麺は
辛いけどうまい!
辛いんだけどやめられない!
といったふうに後をひくおいしさで感激だった。ごはんのサービスもありそれを「カルグクス」の中に入れて食べたりしてどれもおいしかった。冷麺が辛かったのでせっかく持ってきてくれたキムチは誰も手をつけられず、もしかして捨てちゃうのかなぁと思ったら案の定皿を積み重ねて片づけられてとてももったいないと思った。
言葉が通じたら手をつけてないからと言えたのに。たくさんのキムチが作られていてもこうやって捨てる量も多いかと思うと気持ちが苛まされた。飽食の国韓国と食料が不足している朝鮮が統一したらどうなるのだろうか。店を出てホテルに向かうべく地下鉄に乗った。駅からホテルへの帰り道、飲み屋のテレビでオリンピックの日本vsアメリカのサッカーの試合をやっていた。2−1で日本が勝っている!しかも後半残り15分くらいなのでかなり期待が持てそうだ。ホテルへと急いだ。

明洞汗薪火の汗蒸幕/ハンジュンマク

今日の夜行こうとしている東大門市場の皮革店がオープンする22時まではまだ時間があったので、次の日に予約をしていた「明洞汗蒸幕」に今日行ってしまおう!と急遽予定を変更してダメモトでホテルの人に電話をしてもらった。
お店のほうもちょっと混んでいるけどまぁいいでしょうということで20時に迎えに来てもらうことにした。部屋に戻って急いでテレビをつけるとなんと残り5分くらいのところでPKを取られて同点に追いつかれたではないか。
あーもーというやきもきした気持ちで見ていたら、あっという間にお迎えがやってきてしまったので後ろ髪をひかれる思いでホテルを後にした。
母はやらないと言っていたが、お店まで一緒に行ってどこかで待ってもらうことにする。
お店に着くとパジャマ地のガウンのようなものに着替えさせられ最初にシャワーを浴びた。それから薪火の汗蒸幕に入るように促され熱くなったら出てくるように言われた。小さな入口に腰をかがめながら入っていくと本当に石釜のような小狭いところだった。
変なマットが敷いてあるのだが熱くて熱くてたぶん10分もしないで出てきてしまった。ちょっと水を飲んで熱を冷ましてから、今度は黄土の汗蒸幕に入るよう言われる。ここでは横になるようだ。さっきよりは熱くなかったので目をつぶって寝ている。しばらくして出て、休憩してまた薪火のほうに入る。何度か繰り返してそろそろアカすりかな?と思っていたのだがアカスリ要員が足りないのか待ちに入ってしまって身体が冷えてくるとまた汗蒸幕に入らされたりした。
だんだん人がひいてきてやっとお風呂場へ。よもぎ湯に入ってここでも待たされる。アカスリの様子を見てみると4,5人のオンニ(お姉さん)たちが流れ作業的にガシガシ洗ってパンパン叩いてと下着姿でがんばっている。しばらくしてようやく番に。
アカスリは軽くやってもらったので案外気持ち良かったけど終わってからまたよもぎ湯待ち。次に呼ばれて今度は全身マッサージと顔に牛乳パックときゅうりパックをやってもらって終了。ちょうど忙しい時に来てしまったからしょうがないけど待つことが長くてうんざりしてしまった。たっぷり2時間かかりお会計(75,000ウォン)をすませ店を後にした。24時間営業なので22時を過ぎてからも日本人のお客さんが入れ替わりに入ってきた。内容のわりにはちょっと高かったかな。

しつこく東大門市場へ

長いことお待たせした母と3人でその足で東大門市場へ。
地下鉄で向かい、皮革店に直行。ずんずん進んでいくとおとといのような賑わいが感じられない。建物につくとなんとお店が閉まっているではないか。「うっそー超ショックー!」とまるで女子高生みたいに若ぶって嘆いてみる。おととい皮のコートを買った時に休みはあるのかと聞いたけど伝わったのか伝わらなかったのか開店時間と閉店時間しか言わなかったので、年中無休なんだなとたかをくくっていたらこの始末。いくら嘆いてみても始まらないのでキッパリ諦めることにする。おととい目をつけていたコートがあったけど、縁がなかったんだなと自分に言い聞かせ、せっかくだから市場の中心にあるミリオレ(左の画像)というヤングな建物に向かった。

ここも若者の洋品店なのだが、なんていうか人、人、人。
とにかく人が多すぎてもしかして今日は何かのお祭りがあるの?と思われるくらいの騒ぎ。
朝から歩いたり、お風呂に入ったりいろんなことしてぐったり疲れていたのでぐるっとまわってホテルへ帰ることにした。通りでタクシーをつかまえようとしたら皆同じ考えでちっともつかまらずやっとつかまったタクシーに乗ったら10,000ウォンだと思いっきり足元をみられたのでおとなしく地下鉄で帰路につく。
サッカーの結果も見ないでばたんきゅー状態でベッドに倒れ込んで曝睡。

最終日 9月24日(日) 韓国:晴れ

ホテルでお留守番

7時過ぎに母と姉が起き始めたのでそろそろ起きなきゃなぁと思いながら身体がまったく起きたがらないことに気づいた。どうやら熱があるみたいだ。熱なんて1年に1回でるかでないかでほとんど風邪もひかないのにどうしてだろう。連日の歩き疲れがたたったのだろうか。でもイタリアではこの数倍は歩き旅行期間も倍以上長かったのにずっと元気だったぞ。
言葉が通じない苛立ちや読めないハングル語、地下鉄での階段の多さ、交通整備の充分されていない街、市場での人々のパワー、食生活の違い。そんなに気にならなかったことがちょっとずつちょっとずつ積み重なって身体が悲鳴をあげたのかもしれない。タイやベトナム、台湾といった同じアジアではあまり感じなかったが韓国は私にとってとても遠い存在の国で異国に迷い込んだ感じがしたのは確かだった。
最終日ということもあったが無理して街に出てもしょうがないと思い、母と姉には先に出かけてもらいチェックアウトの12時までホテルで寝ていることにした。
お金も最終日なのに妙にあまっていたので姉に適当に使ってきてもらうことにした。とにかく熱を外にだしてしまおうと水やジュースなどたっぷり飲んでしばらく寝ていた。9時半に電話が鳴ったので出るときのう予約した明洞汗蒸幕が迎えに来たという。きのう予約取り消したじゃーんと思いながらも丁寧に説明したがいまいち日本語が理解してもらえず結局その後も3回くらい電話がかかってきた。12時前には起きて支度をしていると母と姉が帰って来てチェックアウトをしてお昼を食べに行くことにした。

最後の韓国料理

今日のお昼は明洞にある、石焼きビビンパ発祥の地「全州中央会館/全州屋」でビビンパプを食べようと決めていたので、そこまでタクシーで向かった。
昼間の明洞は比較的空いていてお天気もよく気持ち良かった。お店に入るときのうの昌徳宮見学ツアーで一緒だったハタチ前くらいの男の子3人と、いずれかの両親と思われる5人が座っていた。その隣の席をすすめられ、ビビンパプとぷるこぎを注文して待っていた。隣の席の男の子たちが帰ろうとしていたのできのうからずっと気になっていたサッカーの結果を聞くと「PKで負けました」という返答がかえってきた。がっくし。あーテレビの生放送見たかったよ〜とちょっと悔やまれたけどまぁしょうがないか。健闘をたたえなくちゃね。
ここのお店はガイドブックにも大きく載っているだけあって(
「ウチくる!?」の10/1放送分でも紹介されていた!)次から次へと日本人観光客が訪れていた。ビビンパプはとてもおいしく、あんまり期待していなかった「ぷるこぎ」はもっとおいしく、食べなきゃよくならないしと思い一生懸命食べた。お会計(31,500ウォン)をすませ、次はロッテ百貨店へと向かった。

ロッテ百貨店&南大門市場

ロッテ百貨店はさすがに高級デパートだけあってお洋服もとってもかわいいかったけど、その分お値段も日本とそんなに変わらないくらい高かった。これ以上何か買いたくなって荷物が増えても困るので地下の食料品街に行った。
日本語をしゃべれるお姉さんが何人も立っていて、ひたすらキムチや海苔をすすめていてなんだか可笑しかった。母は残りわずかなお金で最後までキムチ(この時はキムチの塩辛)を買っていて私はソフトクリーム(1,100ウォン)を食べながらうろうろしていた。日本のデパ地下もおもしろいけど韓国もまたおもしろかった!まだホテルへ帰るには早かったので午前中母と姉が行った
南大門市場/ナムデムンシジャンへと行くことにした。南大門を見てから市場のほうへ行った。最後にキムパプを食べたいという母の要望にこたえしばらくしてから適当な屋台で腰をおろしキムパプを食べた。さすがにお腹いっぱいで食べられなかったが母はおいしそうに食べていた。市場を見てまわっても物、人、物、人......で溢れかえっていてだんだんその光景に酔ってすこぶる具合が悪くなったので早めにホテルへ引き返した。

帰国の途へ

15時40分の迎えにはまだ1時間近くあったのでホテルのロビーの椅子に座り眠っていた。途中で姉の所持品が見つからなくてずっと捜していたけれど、あまりに体調が悪くて気遣う余裕もなくとにかくぐったりしていた。
ガイドさんが時間通りに迎えに来てホテルを出発。空港までの車内でもずっと寝ていた。空港に着いたころにはいくぶんよくなりチェックインをして空港使用料(9,000ウォン)を払いガイドさんとはお別れをして出国手続きをすませた。搭乗時間までもまだ1時間以上あったのでその時も椅子に座ってひたすら寝ていた。ずいぶん寝たおかげで搭乗するころにはだいぶよくなっていて無事帰国の途についた。ほぼ定刻通りに成田空港に到着し、荷物を受け取り我が家へと向かった。家に帰ると高橋尚子がマラソンで金メダルを獲ったニュースがやっていてとても嬉しかった。

あとがき

自分に対する新たな発見。
それはとても「値切る」ことがうまいということ。
母や姉はいまいち値切ることがへたくそなのに私はどういうわけかとっても値切るのが上手です。自分でもなぜそんなにうまくいくのかわからず(特にアジュシ=おじさんに強い)、隠された何か特別な才能があるのかもしれません。というのは少しおおげさですが、ただ単にこの子にはかなわねぇなって思わせるものがあるのでしょうか。母や姉のお買い物も自分が買うかのごとくガンガン値切り倒してさしあげました。「1旅行にわたくし」をつければお得なお買い物ができること請け合い。ここで売り込んでおきます。私とよく旅行する方はご安心を。私に全てをまかせましょう。

閑話休題。
今回の韓国旅行は4日間という短い旅行でしたが、たくさんの「刺激」に出合いました。刺激が強すぎて発熱したくらいです。人々の刺激、ハングルの刺激、食べ物の刺激(これは辛かったから)短い期間にいろいろな刺激を受け『感電』してしまいました。彼らの持つエネルギーやパワーは一体どこからくるのでしょう。帰国後もぼんやりとそんなことを考えてしまいます。近いのに本当に遠い国だと感じた韓国へ新たな刺激を求めて再び訪れてみようと強く思いました。今度はたくさんのウリマル(韓国語)を覚えていこう!
読んでいただいた皆さまありがとうございました。



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