WorkPad c3 J
全世界でPDAと言えば、Palmシリーズを指すことになります。ZAURUSやWindowsCEは、日本以外ではマイナーな存在なのが実情です。
製造/発売は、3comの100%子会社で携帯情報端末「Palm」シリーズのデザイン/開発を手がけている「Palm Computing」。日本語版日本IBMからのOEM販売。
日本での商品名には「Palm」の文字は付いておらず、「WorkPad」シリーズとなっていますが、個人的には「Palm」の名称が好きですので、この日記の中では「Palm」で名称統一しています。
私の愛機は、元々「Palm V」として発売されていた商品の日本語版ですが、この他に「Palm III」の日本語版も発売されています。

購入時に添付されている、予定表/アドレス/To Do/メモ等は、残念ながらあまり出来が良いとは言えない代物なのですが、PC(MAC/WIN)を母艦として様々なアプリ/データベースをインストールすることが可能です。これらは全世界のプログラマー達が作成し、インターネット上に公開しているものです。
ここで紹介するアプリは、こうして集めたものの中から私の手になじんだものたちです。


Datebk3

デフォルトで組み込まれている予定表を置き換えるアプリ。断然使い勝手が良くなります。
Pimlico Software作成の作品を冨永さんが日本語版にして公開しています。
この画像の例では、海外の時刻と日本の時刻が一目でわかります。ここでは、日本時間の14:55に日本を出発した飛行機は、日本時刻の0:30にLAXへ到着するのだが、現地時刻では7:30に相当。また、現地の9:30に出発するLAS行きの飛行機は日本時刻の2:30発という意味になります。時差の表示は、海外との電話会議予定を書き込んだりすると、それぞれの時刻がはっきり判って便利です。
また、ToDoとの連携/繰り越し予定の記録/アイコンの添付など、便利な機能が満載。
この辺りの使い方は、関谷さんの「Datebk3講座」に詳しく書かれてます。私も、この講座を受講して初めて奥の深さを実感しました。
ちなみに、In/Outはベガスの部屋に入室した時刻と出撃した時刻。4時間半の休憩で出撃したのが解ります。
.


Abroad!日本語版
金井さん作成。作成能率手帳の後ろに付いている、ちょっとした単位変換・時差計算・各国情報等を強力にしたものです。一言で書こうとすると面倒ですが、具備している機能を列記すると...
・通貨レート換算
・各種単位の変換(長さ、質量、面積、体積、温度、服/靴のサイズ)
・世界時計(現在地以外に、8カ国の時計を一覧表示)
・各国データベース(世界地図、首都、言語、通貨、現在地からの時差、国際電話の為の国番号、主要都市の市外局番、自作で追加できるノート)
もちろん各種データは自在に変更可能できますし、それぞれが連動しています。(例えば、通貨レートを変更すると各国データベースで表示される通貨レートも変更されるので、データベースにアクセスするだけでレートを把握できます。毎回通貨レートの換算を呼び出さなくてもOK)
それぞれの機能を特化させたアプリもありますが、これだけの機能を使いやすい形で一つにまとめたAbroad!は秀逸。
なお、このアプリはパーム航空の中でのみ公開されています。
.


HiMem
Hiro_Ishさん作成の学習アプリ。
上段に表示されているのが、設問。中段には正解、下段に備考が表示されます。最初は設問だけが表示されており、「解答」をクリックするとこのように正解と備考が表示されます。単語帳をPalmで実現したものです。
解答を間違えた時には「不正解」をクリックしておけば、後ほど間違いだけを再度学習することができるので、効率的な学習が可能となっています。さらに、ハードキーを使っての操作もできますので、いちいち画面をタップすることなく、サクサクと操作することもできます。
設問の編集は母艦(WIN)上で行いますが、この編集ソフトには、Palmと全く同じ動作で学習することのできるモードも用意されています。
今回の遠征前には、このアプリのおかげで事前の勉強がしっかりとでき、大変助かりました。



PEM-J
おこづかい帳は、デフォルトでも組み込まれているのですが、どうも使い勝手が悪くてかないません。その点、このPEM-Jは細かな収支管理が可能となっています。(福本さん作成)
私の場合、日本国内では完全な「ギャンブル収支帳」と特化させて使用していますが、今回の遠征では、ギャンブルだけでなく普通のお小遣い管理もさせています。こうした「カテゴリ分類」もお手の物。
今までは手帳に記録した結果を手動で計算し直していた結果が、おかげで一目で判るようになりました。
収支の計算でも、一ヶ月の集計を計算させたり、クレジットカードでの支払いを管理したりと、下手な家計簿よりも便利です。
普段から手放せないアプリの一つ。



POPJ
村上さん作成のメイルソフト。
デフォルトでは、メイルを書いたり読んだりするアプリが組み込まれているだけなので、ネットワークへ接続しての送受信にはこのようなアプリが別途必要となります。(このアプリの中ではメイルの読み書きをサポートしていません。)
このPOPJの最大の特徴は、多くのメイルアドレスを持っている場合や、大量のメイルを送受信する場合に力を発揮する強力なフィルタ機能であり、事細かな設定が可能。
今回の遠征では十分な力を発揮できなかったのが残念ですが、普段は外出先で力強い味方になってくれます。



JotMail
漆畑さん作成の通信アプリ。
POPJと同じくメイルソフトなのですが、こちらの特徴は文字だけでなく画像も送受信できることにあります。
DDI-PocketのPHS機能(PメールDX)にも対応していますので、私の場合は、普段はPOP-J/画像関係を送りたい時にはJotMailと使い分けています。作成した画像はbitmap形式ですので、PCでも閲覧することができます。
また、このアプリでも複数のサーバーを管理することができますし、メイルの作成・読み出しもこのアプリの中でサポートしていますから、メイルアプリはこれ一つだけインストールしていても十分です。


WebAround
小尾さん作成のWebの閲覧ソフト。
ただし、一般にあるPCのブラウザと違ってテキストファイルだけを自動的に取り込んで、オフラインでゆっくりと閲覧することに特化しています。
取り込んだテキストはDOCファイルと呼ばれる文書ファイルに自動的に変換し、別のDOCリーダー(私はSmartDoc)で読むことになります。機能がバラバラに別れていて不便に思われますが、機能を特化することにより、各々のアプリは軽快な動作を実現することができますし、優れた閲覧アプリを自由に選択することができることが可能なので、実際には無駄がなくなることになります。それにアプリの切り替えが実に迅速なので、ストレスは全くありません。
今回は「WorkPadで新聞を読む」@ Las Vegasを実践。
娑婆に大きな変化は発生していないか? 株価はどうなっている? ベガスの最新情報は?(英語で情報収集すると辛いんで、私は日本語サイトから...) これが簡単に出来るんですよね。
PalmでWebを閲覧するには、この他にも奥さんPalmscapeなどがあります。



SmartDoc
Cutting Edge Software作成のDOCファイル閲覧アプリ。
左の画像は、岡本綺堂『半七捕物帳 朝顔屋敷』より。
この本は、「青空文庫」という無料公開のインターネット電子図書館から頂いてきたものです。
DOCアプリとは、インターネット上にある読み物や、WebAroundで取り込んだWeb上のテキストを閲覧するものです。
ただし、このSmartDocの特徴は、閲覧するだけでなく編集機能も具備していることです。簡易ワープロとしても十分機能することができます。
しかし、最大の機能はWeb上にあるファイルをDownloadしたり、作成したファイルをUploadすることが出来る点でしょう。これを使えば、旅先で管理しているサイトの更新をするのにPCが不要となるのです。(私はこの機能は使用してませんが...)


・JFile
Land-J Technologies作成のデータベースアプリ。
現在このアプリは、JFile Proと名前も新たにバージョンアップしているのですが、私がバージョンアップの作業を面倒臭がっているうちに登録ユーザーの専用サイトが行方不明に・・・。作者にメイル出さなくては、と思いながらも英語圏の人なので、躊躇したまま古いのを使い続けてます。
このアプリを使って私が管理している情報はいろいろとあるんですが、カジノ関係ではベガスのカジノにおけるBJのローカルルール一覧。
BJは基本的なルールはどこでも共通なのですが、何組のカードを使うのかとか、DoubleDownやSplitの後にDoubleDownが許されるのか等の細かな条件が変わってくるのです。条件の組み合わせによって勝てる確率が大きく変わるので、どのカジノへ行くのか、どのテーブルに座るのかを選択することは非常に重要な要素なのです。(同じカジノでも、テーブルによってルールが違います。)
こうした情報を定期的に更新しているサイトがインターネット上には公開されてますので、必要な情報を探し出してはJFileフォーマットに変換して保持しています。
もっとも、現地で攻め入るカジノに迷っていたら時間の無駄なので、お世話になるのは出かける直前までですけどね。
その他にも、レストラン一覧(もちろんベガスの)が作りかけてあるのですが、こちらの方面には熱意が足りないせいか、数件入力しただけで頓挫したままとなってます。



GoType!Pro
landware社から発売されている外付けのキーボード。
決して小さなものではありませんが、軽量な上に充電機能や母艦とのインタフェースまで具備している優れ物。
動作させるためのドライバを動かすには「キーボードにPalmを置いて、スイッチON」これだけでOK。とっても手軽に動かすことができます。しかし、さすがにPCのキーボードに比べると反応速度が少々遅くて、勢いに乗ってガンガン打ち込もうとすると、付いてこなくなってしまうのは仕方ないのですが、母艦上で細かく編集したファイルをPalmへ移すのが普通の使い方ですからね。外出先での入力は、あくまでも補助として割り切るのは、悪いことでは無いと思います。


・携帯モデム&自作コネクタ
モデムはaiwaのPV-PF144。
純正モデムであればコンパクトで接続も速いのですが、遠征前で軍資金が必要だったので、会社の先輩から譲って頂いたこのモデムを持参しました。
コネクタは、クロスコネクタを数百円の費用で自作して接続しています。(クロスケーブルは市販されているのですが、数千円もする上に余計なケーブルが煩わしいので...)
このコネクタ作成をするときに、キーボード内部へ電池/モジュラージャック/切り替えスイッチと共にモデム回路を組み込もうと試行錯誤したのですが、どうしてもモデム基盤を納めるスペースが1cmくらい足りなくて挫折しました。キーボードの補助脚を切り取れば何とかなりそうなのですが、残念ながらデメリットが大きいので却下。
組み込めたら恰好良いんだけどなー。
.



青空文庫は、著作権の切れた作品と「自由に読んでもらってかまわない」とされたものを、テキストファイルなどの電子ファイル形式にして収録してあります。ここに収録された作品は、誰でも自由に無料で読むことができる上に、一定の条件さえ守れば断り無く無料で再配布することができます。
もちろん、作品の電子化に当たっては膨大な作業が必要になるわけでありますが、全ては青空工作員と呼ばれる多数のボランティアの方々の無償の努力の結晶です。
また、「青空文庫パーム本の部屋」では、電子化された本をすぐにPalmで読めるように、青空文庫の収録ファイルをDOCファイル形式へ変換した書庫です。現在では600冊以上の収録を誇っており、Palmで読む時にはこちらから取得するのが便利でしょう。
私も亊あるたびに、ここの作品を利用しています。
.




Muchy'sPalmware Review!は、数多くのPalmWearを紹介しています。サイトの更新頻度はほとんど毎日なのには、頭が下がる思いです。
私もPalmを購入して以来、お世話になりっぱなしで、今回紹介したアプリもほとんどはここから入手したものです。
.



パーム航空にはPalmに関するニュースの紹介を始め、管理人「機長」のPalmに対する愛が、これでもかと思うほど詰まっています。
私もPalmを手に入れる前から愛読しており、購入するかどうか迷っている時に背中を押してもらったのも、このサイトです。
Palmの何が素晴らしいのか、私の文書ではよく解らないという人たちに是非とも読んでいただきたいサイトの一つ。
NEWS!この日記が「パーム航空」の1月20日の「機内放送」で紹介されました!
.


ここで紹介したアプリ、ハード、サイトにはいつもいつも世話になりっぱなしで、私が力になれることは今までほとんどありませんでした。
出来ることならば、何かしらアプリの一つでも作成して公開したいところなのですが、いつの日になることやら解りませんので、せめて一人でも多くの人にPalm関連のモノを紹介することが、お世話になっている世界への恩返しになるだろうと思い、日記の一部を借りて紹介した次第なのです。

しかしPalmを使った最大の失敗点も隠さずに記しておくべきでしょう。

それは、「非日常的な世界」であるべきはずのベガスに「日常の世界」を持ち込んでしまったこと。
いつもならば、脳味噌がドロドロに溶けるまでカジノに没頭するところが、日記を書くことにより毎晩「冷静な自分」を取り戻し、ニュースやメイルを読むことによって「娑婆の空気」を吸い続け、メイルが繋がらないと、どこで失敗しているのか解析を始めようとする「技術者の自分」が目を覚ます。
プロになり「BJは仕事」としてプレイするならば、大変喜ばしい環境が整ったと言えるのですが、年間にたったの1週間しかここで過ごすことが出来ない現状を考えれば、ベガスは「別世界」としておきたいというのが偽らざる気持ちなのです。

来年も遠征を行うでしょうが、その時にPalmを持っていくかどうかは、今のところ解りません。
出来ることなら、パスポート類以外は、歯ブラシ1本だけをポケットに入れて出かけたいのですが・・・
.



作者(大加藤)へのメールはこちら

<日記に戻る>