JACKET WORKS 2009

  2009〜2010年に手掛けた装画や装丁などの仕事の一部を、
  制作エピソードと共にご紹介しています。D=Design

  いつもの朝に 上/下
  今邑彩/著 集英社/刊 D:北見隆
  2006年に刊行された単行本の文庫化です。単行本の時は一冊でしたが、
  文庫では2冊に分冊される事になったため、物語のきっかけとなる熊のぬい
  ぐるみを上下巻に跨がるよう中心に置き、登場人物や舞台を左右に振り分け
  て描きました。一時期凝って良く用いたスクラッチ技法で仕上げましたが、
  この技法、僕の場合我流の為、普通に絵筆で絵を描くより手間と時間が掛かっ
  てしまい、タイミングの合った時しか出来ない技法です。

  ドストエフスキー共苦する力
  亀山郁夫/著 東京外語大学出版会/刊 D:間村俊一
  日経新聞日曜版に1年間、亀山郁夫先生のエッセイ「ドストエフスキーとの
  旅」が連載される事になり、僕はそのイラストレーションを担当いたしまし
  た。同時期に東京外語大学出版会より刊行されたこの本の表紙も僕が担当す
  る事になり、日曜版で描かれた絵が表紙として使われました。日曜版が御縁
  で以降2冊の先生の本の表紙を担当させていただきましたが、僕の絵がロシ
  アイコンの影響を受けている所が、気に入っていただけたのかもしれません。
  物理学天才列伝 上/下
  
W・H・クロッパー/著 講談社/刊 D:葦澤泰偉事務所・児崎雅淑
  ブックデザイン担当の葦澤事務所の児崎さんから、レリーフでガリレオ
  とキュリー夫人を作ってほしいという注文でした。ガリ レオはアクの強
  い顔なので、なんとか出来そうでしたが、キュリー夫人は正直自信があり
  ませんでした。ところが作ってみると、案外こちらの方が上手く出来、む
  しろガリレオは作っているうちに、この年何度も描いたドストエフスキー
  の顔に似て来てしまい、困りました。
  死者の裏切り
  今邑彩/著 宝島社/刊 D:スタジオ・ギブ(川島進)
  スタジオ・ギブの川島さんからひさしぶりの依頼です。スタジオ・ギブは
  僕がデビュー当時からお世話になっているデザイン事務所で、川島さんは
  僕の大学の1学年上の先輩でもあります。スタッフも当時は社長の山岡さ
  んと川島さんを含め3人でした。今はたまにしか御会い出来ませんが、お
  二人とお会いすると、緊張して乃木坂にあった事務所に作品を持って行っ
  た、デビュー当時の気持ちに戻り、今でも恐縮してしまいます。
  三毛猫ホームズの四捨五入
  赤川次郎/著 角川書店/刊 D:角川書店
  このシリーズも角川文庫版を僕が担当させていただいて、はや32作目です。
  当初は菱形の枠の中に登場人物やホームズを入れたパターンで描いていまし
  たが、だんだん息苦しくなって来て、10年程前から枠を取り払いました。
  このシリーズは絵にするのが難しいタイトルが多く、この表紙も「4」を捨て
  て「5」は手許にあるという、タイトルそのまんまのアイデアになってしまい
  ましたが、一枚の絵としてはシリーズの中でも気に入っています。  
  AQUA NOME (CD)
  EPO/唄 EPONICA RECORDS  D:佐藤奈穂子
  色々な御縁があって、EPOさんのライブCDのジャケットイラストを担当させて
  いただく事になりました。絵そのものは以前に個展用に描いた物ですが、こう
  してジャケットになると、まるでこのために生まれて来た作品のようです。内
  容もライブとは思えない完成度で、名曲「たったひとつの」はいつ聞いても泣
  かされます。歌詞カードにもう一点、別の作品を大きく使ってもらっています。  

2010

現代思想/ドストエフスキー

亀山郁夫・望月哲男/編
青土社/刊 
D:桂川潤
  

ドストエフスキーとの59の旅

亀山郁夫/著
日本経済新聞社/刊
D:間村俊一

名前探しの放課後

辻村深月/著
 講談社刊
D:坂野公一(welle design)
  

血 統

門井慶喜/著
文芸春秋社/刊 
D:関口聖司

瑠璃玉の耳輪

津原泰水/著
河出書房新社/刊
D:北見隆

殺人現場はその手の中に

眉村卓/著 
出版芸術社/刊 
D:北見隆

新ナポレオン奇譚
四人の申し分なき重罪人

G・K・チェスタトン/著
高橋康也・成田久美子、西崎憲/訳
筑摩書房/刊
D:北見隆
  

サイモン・アークの事件簿II

エドワード・D・ホック/著
東京創元社/刊
 D:北見隆

少女Aの殺人
七人の中にいる

今邑彩/著
 中央公論新社/刊
D:北見隆

そして誰もいなくなる

今邑彩/著
 中央公論新社/刊
D:北見隆

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