本栖湖に別れを告げて、国道300号線を下部町へ入ったところで国道52号線をなるべく走りたくないので地方道へとまたもやエスケープ。市川大門町で52号線にいやいや合流すると案の定大渋滞になっている。
地元のバイクが抜け道に入るのを追いかけて韮崎まで裏道を走る。結構立派な道路で、韮崎まで難なく到着するがこれからが大変だった。というのは、八ケ岳の裏側というか東側を回りたかったので、国道141号線へと入ったのだったが、これがまたものすごい渋滞である。やむを得ず途中の道の駅で軽く昼食にして、またもや路側帯のスリ抜けを敢行する羽目になった。狭い路側帯のスリ抜けは本当に集中力をすり減らす。
しかし、清里を過ぎると道も空いてきた。清里は八ケ岳観光のメッカということで昔は静かな高原の別荘地だったが、今はけばけばしい看板が立ち並び、バブル崩壊でつぶれた店などが醜く並んでいる。市街はもとのままならいいのにと思いながらも混雑に巻き込まれたくないので、一気に野辺山へと向かう。
のどかな高原の牧場地帯だったはずの野辺山も、清里ほどではないにしても俗化が著しい。国道端はかつてのこのあたりを知る者にとっては許しがたいほどケバケバしくなってしまった。
頭に来た管理人は、国道から離れて牧草地帯の中の道を行くことに・・・。一歩入ると、そこにはもとの野辺山の風景があった。道端にバイクを止めて、牧場を渡る風に吹かれながらたばこを吸えば、気分はすっかりボブ・ディラン、そして数十年前へとタイムトリップするのであった。 |