Mystic強化計画 その1

Mystic(ミスティック)とは?

Mystic、それは本当はAppleから正式に発売になるべく開発されていたColorClassicをベースとする、カラーコンパクトMacの社内開発コード名であったという。ところが不運なことに、当時CD-ROMを内蔵し13インチモニターを搭載した、通称「ビッグマック」の開発も合わせて進められており、マルチメディア路線を走ろうとするAppleから発売されることはなかった。

しかし、1993年生まれで後に「ポチ」と呼ばれることになる愛くるしい筐体を持ったColorClassicの愛好家達が、Niftyのフォーラムに集い「最強のカラクラ(ColorClassic)を創る会」が創立され、それまで美しいが最大の弱点であったソニートリニトロン10インチモニターの解像度を13インチ化する改造方法が考案され、さらには当時最速のCPUであったモトローラ68040LC/33MHZを搭載したLC575のロジックボードを用い、モニターの弱点もVGA化する改造方法が考案されるに至って、ついにMysticが復活したのだった。

Mystic化の方法が公表されるとColorClassicの中古相場は一気に3倍程度になり、発売当時新品で12万円くらいだったものが中古でも10万円程度になるほど反響が大きかった。管理人は幸いにもColorClassicを所有していたため、LC575のロジックボードを入手し、ハードディスクも340MBのものに取り換えて1999年まで我が家のメインマシーンとして使っていた。

その後、我が家のメインマシーンの座はiMacに譲ったが、子犬が前脚を踏ん張って飼い主を見つめているような愛らしさに今でも手放せずにいる。最近LAN化も終えてますます愛着が深まってきているのである。

しかし、このまま使い続けたいと思うとき、いちばん気になるのは電源の貧弱さである。もともとCPUはモトローラ68030であり、ハードディスクも80MBか160MBという構成で、あまり電力を必要としないのであるが、Mystic化によりCPUは大食漢になりハードディスクの換装やLANカードの追装によってかなり無理をさせており、交換用アナログボードの入手も今後ますます困難になると考えられるので、スイッチを入れるのがためらわれる状態であった。

いちばん左端がMystic。かわいいと思うのは管理人だけでしょうか?

管理人の決断

このままではMysticの余命がいくばくもないと思うと、どうしても起動させるのが怖くなりそれがかえってハードディスク固着などのトラブルを招くことになる。また、以前にMacな叔父から貰ったハードディスク(Seagate社製ST32430N/2GB)が手持ちで余っており、これを使用できればファイルサーバーとしても活用ができそうである。ここはうじうじしていても仕方がない。ということで、まずは電源の入手に取り掛かる。

ロジックボードに供給される電源は本体のものを使い、ハードディスクと冷却ファンの電源を別電源としてやることでアナログボードの負荷はかなり軽くなる。ハードディスクとファン用に+5Vと+12Vが出力されていればよいが、電流容量はハードディスクの消費電力がわからないことには決められない。

早速Seagate社のHPへと訪問し、英語と格闘しながらようやくST32430Nのスペック表にたどり着く。それによれば、+5Vが0.8A、12Vが0.4Aを消費するらしいので出力電流1A程度以上のものを探す。ところが、Yahooオークションに電源として売られているものは、結構な値段のものばかりでなかなか手ごろなものが見当たらない。そんなときLC475用電源売ります!しかも500円!寸法的にも何とか収まりそうなので早速GETした。

LC475はピザボックス型といわれる非常にスリムな筐体のMacで、現在でもかなり愛好家の多い機種であり特に12インチモニターとの組み合わせはとても整然として美しいのである。Apple純正の電源であるから当然相性もいいだろうしかなり品質も高いものと考てのGETであった。

しかし、高級すぎる故の悩みが管理人に襲いかかるとは、このとき夢にも思わなかった。

これがLC475の電源。高級なスイッチング電源である。

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