タイ 北線(チェンマイ〜ピツァヌローク間)ローカル列車の旅
1997年1月
チェンマイ
 チェンマイは、タイ北部に位置する人口16万人の都市で、タイ北部の中心都市となっている。
 この街の歴史は、13世紀にまでさかのぼる古い街で、街の中には、城壁が残ったり、寺院もいたるところにある。また様々な民族が入り混じったせいか、美人が多いところとしても有名。
 ここ最近は、タイ北部に点在して暮らす少数民族を尋ねる、トレッキングの起点にもなっている。
チェンマイの西郊外、標高1080mの山頂にある寺院、ドイ・ステープ。黄金に輝くのは、チェディ(仏塔)。
北部山岳民族を代表するメオ族。観光客用に村を開放している。
チェンマイの街中に残る、城壁。現在の街は、城壁の外側がにぎやか。内側は、ゆったりとした時が流れていた。
チェンマイ駅は、市街地から東へ外れたところにある。
そのチェンマイ駅を背にして、SLが保存されている。むこうの三角屋根の建物が、駅舎。
タイの鉄道
 タイの鉄道は、約3900km。レールの軌間は、日本の在来線より狭い1000mm(メーターゲージ)。残念ながら鉄道は、バスに押されて元気が無いのが、現状。
 路線は、バンコクを中心に線路が延びており、特に南線は、国境を越えて、マレーシアへとつながる、マレー鉄道の一部として、観光客がいちばん利用する路線となっている。
 この北線は、バンコクから、北部チェンマイをつなぐ路線で、南半分は広大な田園の広がる平野を行き、北半分は、山岳地帯を行く車窓に変わる。沿線には、遺跡で有名なアユタヤや、スコータイがある。
チェンマイ8:10発のローカル104列車(L104列車)ナコン・サワン行き。
客車列車だと思って、駅へとやって来たが、停まっていたのは、日本製の気動車だった。ちょっと残念。
 
とっくにエクスプレス7列車が到着しているはずだが、まだ到着していない。けど、出迎えの人たちは、慌てるでもなく、のんびりと待っている。 
お見送り?
1時間以上遅れて、エクスプレス7列車が到着。
エクスプレス7列車到着を見届けるように、約10分遅れで、L104列車は、出発!そして、北線を南下開始!
ひとつ目の駅で、いきなりスペシャル・エクスプレス5列車と交換。この列車も、遅れている。
チェンマイの盆地を走り、やがて山の中へ。チェンマイは、標高300mの高原、窓から吹き込む朝の風は、涼しい。
山奥のとある駅から、ボーイスカウトの一団が、乗り込んできた。それまで、静かでガラガラだった車内は、突然騒がしくなった。
この一行は、クァン・タンで降りていった。
 車内で、出発を待っていると、おじいちゃんがやってきて、タイ語でなにやらいている。どうも、ミネラルウォーターのボトルが、開けられないらしい。
 開けてあげた。
 すると、5分後またやって来て、またなにやら言っている。どうも今度は、ボトルのふたが壊れて、閉まらなくなってしまったらしい。
 残念だが、直してあげられなかった。
 おじいちゃんも、あきらめて、よたよたと席へ戻って行った。
 その後、車掌が検札にやって来て、切符を見せると、ピツァヌロークまでは長いから、この車両のシートはより、前の車両の方が、シートがやわらかくていいよと教えてくれたので、席を移ることにした。
 
ナコン・ランパンで、ラピッド59列車と交換。
メモでランパン行きL96列車と交換。
日本では、珍しくなったタブレット交換が、見られる。
タイでは、よく見かける、駅の物売りのおばちゃん。
メモ駅の脇には、湖が広がる。
ファカンで、チェンマイ行きL103列車と交換。
ここでも、ボーイスカウトの一行が乗ってきた。

この駅には、ホームが無い。
かわいらしディーゼル機関車。(デンチャイ)
シアラットでの停車風景。
シアラットを出発し、保存されているSLを見る。このまま、出発かと思ったら、ホームの端で、停まった。
なんだろう?と思っていると、給油を始めた。しかも、お客をのせたまま、日本の鉄道では、まずこんなことはないでしょう。
車窓は、平坦な風景に変わってきた。今は、乾季のため、カラカラの風景が続く。
ライオイ駅。タイのローカル駅は、どこも、花が植えられ、きれいにされている。ここで、ラピッド35列車交換待ち。
駅名板が、国鉄時代のものとうりふたつ。その昔、日本がタイの鉄道を整備した名残。管理局によって、駅名板が異なる。
ラピッド35列車が通過。
車窓が、突然緑に変わる。乾季にもかかわらず、水田が青々しているのは、地下水をくみ上げているため。
ノン・トンで、オーディナリー101列車と交換。列車との交換は、これが最後、あとは、下車地ピツァヌロークを目指す。
16:40やっと、ピツァヌロークに約30分遅れで到着。
この列車は、帰宅するお客をいっぱい乗せて、終点ナコンサワンへと、すぐに出発していった。
ピツァヌローク駅に停車していた。スプリンター904列車、バンコク行き。この車両は、英国製で、バンコクまで約5時間半で走る最速列車。
サムロー(輪タク)にのりながら撮った、ピツァヌローク駅。
このあと、遺跡のあるスコタイをめざすが、鉄道は通っていないので、バスで向かう。
しかし、駅からスコタイ行きバス停は、少し離れているため、サムローで移動(20バーツ)。
その後、バスに乗り、直線の道をひた走ること1時間、薄暗くなったスコタイの町へ無事たどり着いた。
タイ国鉄公式ホームページhttp://www.srt.motc.go.th/httpEng/
バンコクへ
ピツァヌローク
 バンコクとチェンマイの、ちょうど中間点に位置する中規模の商業都市。