韓国 KTXでソウルから釜山へ
2004年6月
 まずは、ソウル観光。景福宮(キョンボックン)へ。カラフルな韓国独特の屋根が綺麗。右は、鹿会楼(キョンフェル)韓国最大の楼閣で、その昔、王が使者、使節を迎え、もてなした建物。

景福宮に併設されている民俗博物館の脇にあった路面電車の車体。

夕焼けに染まり始めるオリンピック・スタジアム。

そして、南山タワーが夕焼けに浮かび上がる。幻想的と言いたいところだが、ソウル名物ともいえる渋滞で、車は進まず…。


旧ソウル駅舎。日本時代に建てられた駅舎は、KTXの開業と共に、閉鎖されている。閉鎖前、この駅舎を通り抜けるとあった橋上駅舎は、現在、ロッテの巨大スーパーに改造されている。

こちらが、南隣に完成した新駅舎。左が駅で、右がショッピングセンター。

新ソウル駅の改札口。駅の構造は、空港ターミナルのようになっていて、出口が下階、入口が階段を登った上階に設けてある。


出発の約15分前、
改札口上の空港の搭乗案内板のような表示板に「KTX7号BOARDING」の表示が出て、改札開始。
自動改札を通り、ホームへと向かう。
重い荷物を持っているので、ホームへ向かうエスカレータを探すと、
整備中でストップ。
やむなく、階段で降りる。


ホームに降りると早速KTXがお出迎え、この列車は回送されていった。

こちらが今回乗車する9:00発KTX7号釜山行き。

KTX
 2004年4月に開通した韓国初の高速鉄道。韓国の経済危機などの影響により、大幅に開通が遅れたが、2004年にソウル〜東大邱間が部分開業。2008年には、さらに慶州経由で釜山まで、延長予定。同時に、湖南線経由で木浦(モッポ)まで行く線も電化され、KTXがそのまま、直通するようになった。
 車両は、フランスTGVを元に設計されており、デザインもそっくり。最高速度は300km/hと一気に世界最高速度水準となったが、それまでの最速列車セマウル号から比べると、車内の居住性が劣り、料金も高いので韓国人での評判はいまいち。

KTXの簡単な説明が終わったところで、
車内に入ってみましょう。

今回の乗車は一般席。
車内に入ると、今日は日曜日ということもあるのか、車内は満席。
私の席は、丁度中央のテーブルを挟んだ向かい合わせ通路側の席。
少しゆとりはあるが、その他の席は噂どおり狭そう。
向かい窓際に座っているおばさんは、すでに熟睡に入っているようで、ピクリともしない。
このおばさんは、終点までこの状態だった。

発車は定刻通り9時ピッタリ。
ゆっくりと動き出した。

列車はしばらく在来線を走り、
約15分後トンネルへ入る
そして抜けると光明(グァンミョン)駅を通過、さらにトンネルへ。
KTXのトンネルは日本の高速道路のようなオレンジの電灯が付いている。
いよいよこのトンネルから高速線。
速度が徐々に上る。



高速線を走る車窓は、日本のものとあまり変わらない。

9:35天安牙山(チュアンアサン)駅に停車。



大田(デジョン)到着のアナウンスが入ると共に、減速し、高速線も一旦降り、従来からある大田駅に入線する。
大田は10:00。ほぼ定刻どおり。


太田を出ると、約15分ほど在来線を走り、その後再び高速線へ。


車窓は、のどかな田園風景とトンネルが連続する。左の線路は、京釜線の線路で現在、電化工事が進んでいる。

大田から約40分ほどで高速線は終わり、ここから釜山終点まで在来線を行く。
10:50東大邱(トンテグ)に到着。

11:23密陽(ミリャン)に到着。
ここは、3年前に訪れたことがある。その時の様子は、こちら


密陽を出ると、洛東江が寄り添って流れる。

洛東江が右へ離れると同時に、釜山の街並みが広がり始め、市内中心部へ。

11:23釜山駅のホームへと滑り込んだ。
3分ほどの延着。

 全員下車した後の一般席車内。中央のテーブル席を中心に向かい合った状態で、座席が配置されており、固定式で回転させることができない。これは、TGVと一緒。
 さらに、テーブル席以外には、情報誌があり飛行機を意識したサービスが展開されている。

横から見た座席。確かに狭そう。私の座った座席は、中央のテーブル席だったが、向かいに座っているおっちゃんが、堂々と足を伸ばしているもんだから、なんか窮屈だった。

釜山駅に入線したKTX。釜山駅もソウル同様リニューアルされ、立派過ぎるぐらいの大きな駅舎になっていた。


評判の悪いKTXに乗っての感想
 確かにTGVとほぼ同仕様ということで、以前の最優等列車セマウル号よりシート幅、間隔共に狭く、席も固定式の為、居住性が悪くなっている。私もセマウル号の座席に関して、絶賛していただけに、それがKTXに引き継がれなかったのは非常に残念。
 ただ、揺れに関しては、在来線では多少感じられたが、高速線は新しいこともあり、私自身は静かで良かったと思う。むしろ、日本の新幹線500系が300km/hに達する直前の揺れの方がひどいと思う。



龍頭山公園から見た釜山港。天気の良かったこの日は、日本対馬を見ることができた。釜山はそれだけ日本に近い。


そして、釜山の滞在。

東海南部線を走る釜田発江陵行き1688ムングファ号。地下鉄2号線冬柏〜市立美術館間にある歩道橋から撮影。

左の列車を後追いで。沿線には、韓国都会の象徴、高層アパートが立ち並ぶ。列車はこの後、リゾート地で有名な海雲台に停車する。

こちらが、その海雲台。夏には、海水浴客で賑わう海岸だが、海水浴にはちょっと早いため、人影もまばら。けど、その分のんびりとできる。また、海岸沿いには、ホテルが立ち並ぶ。

釜山で滞在したグランドホテルからの眺め。向こうに見える橋は、2003年に開通した広安里大橋。ドライブには最高!っで、手前に見えるのが、同じく2003年の台風で水没した船上ホテル、1年経ってもそのまま。



そして、古都慶州へも先ほどの東海南部線に乗れば約2時間ほどで行くことができる。
が、本数が少ないのが難点。

現在工事中の釜山までの高速線は、慶州経由になるので、
完成後は、KTXで慶州も気軽に訪れやすくなる。


世界遺産の仏国寺。最寄り駅として東海南部線仏国寺駅もあるが、お寺からは離れている。