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冥王星は準惑星?

2006年8月に国際天文学連合(IAU)総会で太陽系の惑星の定義が決まった。その結果、冥王星は 『惑星』 という分類から外れることになった。このことはニュースでもずいぶん取り上げられたので、詳細はともかく耳にしたことのある人も多いだろう。

では冥王星は、惑星でなくなったのならどういう天体として分類されるのか。IAU総会では、『Dwarf Planet』という分類を新たに作り冥王星のほかいくつかの天体をそこに分類するということが決まった。このあたりのことは内山さんのホームページの中で分かりやすく解説されているので参考にしてほしい。

さて、この『Dwarf Planet』は、日本語で何と呼ばれるのか。これは日本語の問題なのでIAU総会で決定されるわけではない。今までは、『dwarf』に対して『矮』(わい)という漢字が当てられることが多かった。例えば『白色矮星』などの言葉がある。しかし、2007年3月21日のニュースによれば、『Dwarf Planet』を日本語では『準惑星』と呼ぶことを推奨すると決めたそうだ。『矮』は、普段使われることの少ない漢字でありあまりなじみがない。それに比べて『準』という漢字は比較的よく使われる。さらに意味としても「○○に準ずる」ということで分かりやすい。私個人としては、一番妥当な決定だと思う。

そこで、日本語で『準』が使われる他の言葉を捜してみた。

どの言葉もよく耳にするものばかりである。(「準急」はよく使う鉄道路線にあるかないかで耳にする頻度が変わるだろうが。)意味も「○○には及ばないものの、そのすぐ次にくるもの」というような印象を与えるものであって、分かりやすいと思う。これならば、『準惑星』も「惑星と呼ぶには不十分な点があるが惑星に次ぐような天体である」という印象を与えることができるだろう。

ただし、これで「冥王星は準惑星」で決着かというと、まだ流動的らしい。そもそも『Dwarf Planet』自体の定義が曖昧であってまだまだ議論の余地があるようだ。そんなこともあって、学校教育で積極的に「準惑星」を教えることは推奨しないとか。これからの小中学生は「冥王星は準惑星」と習うのではなく、冥王星自体を習わなくなるのかもしれない。

2007.3.25