ズブさんの
アイデア天体
写真館

もくじ

流星はめずらしい?

まだ社会人になって間もない頃、学生時代のサークルの合宿に顔を出した。その合宿にはその年の新入生が参加していた。晴天に恵まれて星を見ている新入生たちは、流星が飛ぶたびに「流れた!」「おお〜っ」などと声を挙げている。初めて空の暗い所で星を見た人にすれば、流星がこんなに見られるというのは驚きだったのだろう。しかし、私はそのすぐ脇で、赤道儀を組み立てカメラの用意をして黙々と写真を撮っていた。こういうのは機械いじりの作業なので、あまり上を見上げなかった。すると新入生のひとりが言った。
  「あの〜、先輩はもう流星は珍しくないんですか?」
  確かに、もう「流星は珍しい」とか「めったに見られない」という考えはない。また、「こういう写真を撮ろう」という目的を持って撮影作業をすると、どうしても空を見ない時間が増えてしまう。でも、やっぱり流星は好きである。星を見に行ったが、晴れたり曇ったりという時がある。そんな時「まあ、流星を1つ見られたから今回はこれで良しとするか。」と思うことがよくある。流星を見ると、「星を見に行った」という気持ちになる。

2001.3.26