火星と月の大接近


2003年9月9日に、火星と月が大接近しました。と言っても、宇宙空間での両者の距離が接近したのではありません。地球から見たときの“みかけ上”すぐそばに見えたというものです。
「たまたま火星と月が近くに見えただけ」と言ってしまえばそれまでかもしれません。しかし、この時火星は地球に大接近した直後です。(この大接近は宇宙空間で火星と地球の距離が接近したという意味です。)つまり火星を相当大きく見ることができるということです。月のクレータと火星の極冠や模様を、小さな望遠鏡で同時に見比べられる、ということは滅多にないことでしょう。「火星が地球に大接近した直後」でありながら、写真を見て分かるとおり、月に比べて火星は非常に小さく見えます。月の大きなクレータよりも火星の方が小さく見えます。けれど実際は月より火星の方が大きいのです。つまり、それだけ火星は遠くて、月は近いのです。
【参考】
- 〜月と火星の大きさ〜
- ・月の直径 地球のおよそ0.27倍
- ・火星の直径 地球のおよそ0.53倍
- 〜2003年9月9日の距離〜
- ・地球-月の距離 約39万km
- ・地球-火星の距離 約5600万km
- ●共通データ
- 2003.9.9
- 埼玉県 大利根町にて撮影
- カメラ:ニコン COOLPIX990
- 望遠鏡:ペンタックス75EDHF-2
- 赤道儀:ビクセン・SP
- ●上の写真
- 20:43撮影
- 拡大用アイピース:ビクセンLV12mm
- ●下の写真
- 20:51撮影
- 拡大用アイピース:ビクセンLV5mm